損料屋喜八郎始末控え (文春文庫 や 29-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167670016

感想・レビュー・書評

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  • 必殺仕置人のような展開で、札差の悪事を主人公の損料屋になりをひそめた喜八郎が主人の旧知の与力 秋山と仲間とともに密かに解決していくという話で、江戸下町の粋な姿と絡みあって、とても面白かったです!
    続編もあるようなので、喜八郎と江戸屋女将の秀弥との恋模様も気になるところです。
    でも、江戸屋女将の秀弥は、初期の山本一力の作品には欠かさず登場する定番人物のようです。

  • デビュー作でこのレベルはすごい。おもしろい!

  • 上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、
    刀を捨てた喜八郎。
    庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に。
    元上役やいなせな仲間たちと力を合わせ、
    巨利を貪る札差と渡り合う。
    田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる
    息詰まる頭脳戦。

  • L 損料屋喜八郎始末控え1

    棄捐令のことを知っておくと◯。
    時代背景をわかっていた方が面白いと思う。
    喜八郎を支える手下たちはイヌでもないし目明しでもないし…なんだか微妙。元同心の喜八郎を損料屋にした先代の米屋との約定はわかるが、そこまでしてやるほどのことなのか、ちとピンと来ず。ここに出てくる様々な職を持った人たちは次巻にも出てくるので逃さないように。

  • 昔の金貸しのお話。
    そういうところには人間の色んな面が見え隠れする。

    簡単に善人悪人を決めつけることはできないが、
    人を見極める能力に長けた人がお金を動かす商売には向いてるんだろうな。と思った。

  • 連作短編集というべきか、長編というべきか。

    主人公は「損料屋」を生業にしているが、この商売についての場面はほぼありません。
    札差さんたちの商売あれこれの駆け引きがメイン。

  • 主人公の喜八郎を始め脇を固める登場人物たちが兎に角カッコイイ。敵役の伊勢屋ですら実にカッコイイ。巨利を貪る札差達との頭脳戦、も楽しいんだが、とにかく人物たちのカッコ良さを骨の髄まで楽しめる傑作。
    そして深川八幡祭のクライマックスへの昇り方がまた呼吸を忘れさせてしまうほど。神輿の『差し上げ』なんて今まで見たことも無いし、当然挿絵なんかもついてないのに、脳内再生されたその粋っぷりに思わず涙腺崩壊。
    続編もあるらしい。実に嬉しい。早く読まねば。

  • 派手さはないが非常に手堅さを感じる一冊。
    自分好み。

  • 喜八郎以下、損料屋の面々と秋山がいいな〜と読んでいたが、
    伊勢屋や政八も良い感じに。
    作者の人柄が忍ばれるシリーズ。
    次も楽しみ。

  • 山本一力単行本デビュー作。
    御家人を救うために借金を踏み倒す「棄捐令」。その後の締め貸し(貸し渋り)による景気低迷が、この後の山本一力の殆どの連作作品の時代背景となっている。日本経済の長期低迷と重ねあわせていたのだろうか。

    上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に身をやつした喜八郎が、金の力を笠に着て巨利を貪る「札差」に立ち向かう。
    その後の一連の深川人情物とは少し色合いが違い、シリーズを意識した作品。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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