シャイロックの子供たち (文春文庫)

  • 3348人登録
  • 3.62評価
    • (168)
    • (580)
    • (515)
    • (60)
    • (12)
  • 434レビュー
著者 : 池井戸潤
  • 文藝春秋 (2008年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167728038

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
池井戸 潤
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印

シャイロックの子供たち (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 短編集だがつながって結果的に長編集

    東京第一銀行長原支店
    ①歯車じゃない 古川副支店長が小山を殴る
    ②傷心家族 友野融資利率引き下げからシンガポール支店
    ③みにくいアヒルの子 北川愛理 100万円紛失帯封
               自分じゃない 西木代理
    ④シーソーゲーム 融資課遠藤拓治神社狛犬融資精神崩壊
    ⑤人体模型 西木雅博失踪 経歴と男と100万円
    ⑥キンセラの季節 竹本直樹 経歴と西木の代理と指紋
    ⑦銀行レース 検査部黒田道春(JRA競馬)臨店調査
    ⑧下町蜃気楼 融資課田端洋司 滝野の江島工業うそ見抜く
    ⑨ヒーローの食卓 融資課滝野生い立ちと最後の夕食
    ⑩晴子の夏 河野晴子 未亡人アルバイト 
          西木赤坂支店時代の石本との関係暴く

  • 『下町ロケット』で直木三十五賞を受賞した池井戸潤の金融クライム・ノベル。
    ~ノベルというカテゴリーの多さが、なんの分野なのなわからないほどすごいw

    日本のメガバンクとされる、東京第一銀行長原支店を舞台としていて、いろんな年齢でいろんな職種の行員たちを描いた短編小説。もちろん、その短編小説は全て繋がっている。

    部下を悪く言うことで自分の評価をあげようとする最低の支店長、支店の成績を上げ、表彰、自分の出世を第一の目標とする上司、努力するもうだつの上がらない社員、亡き父に代わり家計を支える女性行員、メリットの少ない投資信託を売ることを拒む等、上司にたてつく若手行員。

    そんな支店で、現金の紛失事件が起きる。ある女性行員に疑いがかかるが、ふだんセクハラぎりぎりの声かけをしてくる直属の上司に守られる。そんな中、ある男が失踪する。

    銀行員でなくとも、社会を生きる人たちが思わず共感してしまうような職場の人間関係、社内恋愛、職場と家庭での立場の違い、上司との仕事へ対する感覚の違い、狂いだした歯車。

    ひとつの支店で巻き起こる人間ドラマに引き込まれ、どんどん読み進めていけた。
    最低な上司はどこにでもいるし、家庭と職場とのギャップに苦しむ人も多くいるだろう、努力が報われず、結果が出ないことに悩む等、身の回りに起こるようなことを題材にしたドロドロ感と、小説らしいミステリー感を堪能できた。

  • 1つの銀行支店を舞台に、主人公が次々と変わる短編集です。
    そして全体として、1つの長編のような凝った作りになっています。

    何のために働くのか、出世か、お客様のためか。
    普通に生きて、仕事をして、当たり前の人生を送りたかっただけなのに、ふと脇道に逸れてしまったり、誘惑にかられたり、そんな切なさが詰まっています。

    周りからは見えない、それぞれのお金の使い方、羽振り良さそうな人が火の車だったり、堅実だったり、ここに書かれている事は特別ではないように感じました。

  • 東京第一銀行長原支店を舞台に、現金紛失事件に加え、行員の失踪事件の発生。
    それぞれが独立した短編であり、それぞれが独立した主役を立てながら、やがてそれらが繋がる長編ミステリーへ変わる。
    しかし、根底に流れる「家族愛」は、どの短編にもあり、思わずウルウルしてしまいます。

  • 親がはまっていたけど、私はまだ読んだことのない作者でした。
    銀行マンの並々ならぬ昇進志向と家庭からのプレッシャー、色んな銀行マンが仕事を頑張っている話だった。でも、あまり感情移入しにくい話だったなぁ。最後のどんでん返しは中々来るものがありました。

  • 池井戸さんらしい下町の銀行支店で起こる出来事をそれぞれの行員目線で進む話。内容自体はとても面白くグイグイ引き込まれるが、銀行員の目標達成のために叱責されたり報告書という名の反省文というを書かせられたりと圧が強くて、読んでいるこちらもキリキリさせられた。

  • 評価は4(3寄りの)。

    内容(BOOKデーターベース)
    ある町の銀行の支店で起こった、現金紛失事件。女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪…!?“たたき上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、上らない成績…事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮すことの幸福と困難さに迫った傑作群像劇。

    短編集だが、内容が盛りだくさんすぎて・・・ゴチャゴチャしている割に中味が薄かった気がする。
    結局最後はどうなんだ?
    この作者には珍しく結論無しの終わり方で若干未消化気味である。
    ただ、人物それぞれは魅力的描かれておりそれなりに興味深かった。

  • 職場で起こりそうな人間関係のやり取りがリアルに描かれていて、あるあると何回も頷き共感した。

  • 銀行内の人間模様が描かれた本。短編ものかと思い気や、最後に人間関係が整理され一つのストーリーとなる為、人間関係を読み解きながら楽しめる。

  • 東京第一銀行長原支店で働く行員達の話なんですが、、銀行では絶対に働きたくない!っと思わせる1冊。
    結局、彼は生きているのか、、ラストはモヤッとした。

  • 物語や人物関係がどんどん繋がっていく感じが面白くてあっという間に読み終えた。事件の結末云々より、とにかく銀行では働きたくない!と思った。

  • 短編連作。銀行に勤める人たちの辛い話を交えたミステリーかなぁ
    でも、真相ははっきりしないまま終わる

  • 「シャイロックの子供たち」
    二転三転する犯人探し。


    東京第1銀行長原支店で働く様々な年齢や職種の行員たちの姿を描く短編集として始まる本作。副支店長の古川は、モラルハラスメントを繰り返し、融資課次席の友野は、努力を重ねても成果の上がらない現状に苦しみ、亡き父に代わって一家を支える行員、北川愛理。バラエティ豊かな短編が連なって銀行という職場のありようと、そこで働く者たちの姿をリアルに浮き上がらせる。


    理不尽なノルマ、人格否定が当たり前な罵倒、そんな旧態然とした銀行組織が、すっぽり長原支店を包み込む。今もそういう体制が残っているか、銀行に勤めてない私には分からないが、辛すぎる。ここまでは、池井戸作品として馴染み深い銀行組織を舞台にした勧善懲悪の物語にみえます。


    しかし、そこに殺人事件の匂いがついているのが、シャイロック。池井戸作品には、あまり殺人事件とか出てこないイメージなんでちょっと意外な展開でワクワクしましたね。このミステリ感。


    きっかけは、ある日、長原支店から現金が紛失したこと。しかし突如、無くなったはずの現金が見つかる。ただ犯人は見つからず、次第にノルマ必達の世界に話が戻っていくのだが、ここから一気にミステリ感が募っていく。


    更に、忘れてならないのは家族との問題がほぼ全ての短編でクローズアップされていること。特に、支店のエースである滝野が主人公となる短編は、父としてあろうとする誇らしさに加え、愚かさと悲しさが詰まってます。おい、滝野、何やってんだよと。


    最終的な締めは、ミステリとしては消化不良ですが、どの短編も働く者の矜持を問うているため、読了感は悪くないです。


    銀行小説+ミステリな一作。

  • 半沢直樹シリーズで有名な池井戸潤先生の作品。池井戸潤先生の作品を初めて読みました。元銀行員の先生が書かれるリアルな銀行の内側。銀行のロジックで解かれるミステリーに夢中になりました。ただ登場人物が多くて(私の記憶力が悪いのもありますが)何回も確認する為に読み返すのが少し大変…。久しぶりに夢中になって読んだ1冊でした。

  • とある銀行の支店で起きた現金紛失事件。誰が何のために起こしたのか。支店長・管理職・新入社員・一般行員、、、いろいろな立場の人間がこの事件とどう関連しているのかを描くフィクション。実際の銀行の舞台裏を書いているのか、僕にはわからない。が、妻や幼い子供を養うべく、厳しいプレッシャーの中でも歯を食いしばらなければならない行員の葛藤はお涙頂戴もの。胸が痛くなった。

  • 読書日数 19日

    とある銀行で起こった様々な人間模様、そして一つの事件を織り交ぜながら「理不尽な中でのバンカーとしての在りかた」を様々な人間を主人公にして描かれた短編集。

    「シャイロック」というのはシェイクスピアの「ベニスの商人」に出てくる強欲な金貸しらしい。そういう題材をモチーフにしただけあって、様々な銀行マンが出てくる。

    業績だけのことだけを考えて、そのためなら不正でもやってしまう支店のトップ。そして部下を只々叱責するだけで、そのために精神が崩壊してしまった元スポーツマン。銀行のエースと言われているエリートは、別の支店で取り扱った会社に不正融資をしてしまい、その尻拭いのために、今の支店から現金を盗む。など、挙げだしたらきりがない。

    だが、そんな体質の中でも、きちんと仕事をこなしながら三枚目を演じる奴もいたり、とにかく読んでいて「銀行の体質」はこんなんだったんだと思ってしまうほど、リアル感がすごい。

    この作品はかなり初期の作品のようで、のちの「半沢直樹シリーズ」の原点になったようなものらしいのだが、大団円七日ものはほとんどなかった。それでも銀行で働くということ、家族を背負って闘っているバンカーというのは、本当に過酷なんだなぁと思う。でも「仕事は心が伴わないといけない」ということを改めて感じることができる作品だと思う。

  • 池井戸さんの銀行小説は、たとえマンネリと言われようとも
    水戸黄門のような、安心感と爽快感がある。
    何冊も読んでいると、銀行がもはや悪の巣窟としか思えなくなってくるし。
    どんな阿漕な手を使おうと、銀行では利益さえ生めば正義なのか・・・
    人間性の素晴らしさなど何の役にも立たないそうだ。
    この小説は最後に銀行に対するちっちゃな復讐劇があって
    ちょっとニンマリ。

  • 作者お得意?の銀行員たちを書いたミステリー。
    基本的な雰囲気はどんよりしており、同じサラリーマンとしては銀行内のエースの嘘とそのエースの嘘の活躍により精神を病んでしまった話は面白く感じた。
    しかし、個人的には最後はスカッとした終わり方を期待していた。。。

  • 電撃的に人の仮面を剥がしていく

  • 20160918


    初期の頃の池井戸作品。
    メガバンクの支店に勤める行員たちが繰り広げる人間模様。

    元銀行員の自分としても見に詰まるような目標や、誘惑との戦いと、それに負けた行員の姿がなんとも切ない。

    西木係長は結局どうなったのだろうか?

    なんとま気になる終わり方。

  • 池井戸作品は銀行界のサラリーマン金太郎というレビューを見たことがあるけれど、果たして。
    日本企業らしいと言えばらしいですが、これが実情であるのなら、日本の大企業の闇は深い。むしろ浅薄か。

    しかし流石、外れないですね。
    短時間でスパッと読めました。

  • どういうジャンルなのか、どういう内容なのかも知らずに、池井戸潤さんの作品を読んでみよう、と思って読んでみた。

    銀行が舞台で、難しそうかも、と思ったが、案外読みやすい。
    第一話「歯車じゃない」は割とキャッチーで、理不尽な上司あるあるみたいな感じで読めた。

    ところが、話が進むに連れてミステリーな雰囲気が漂い始めた。
    しかし、最終的には解決?
    なんか落とし所がふわふわしてて、
    結局何の話だったんだろ?
    っていう、すっきりしない感じだった。

  • 2016.08.09
    初めての池井戸潤。

    前半、不条理な上司や、銀行の裏事情をヒェェと思いながら読んでいたら、途中からミステリーになり、一気に読み切った。

    お金絡みの人の黒さは底知れない...

全434件中 1 - 25件を表示

シャイロックの子供たち (文春文庫)に関連する談話室の質問

シャイロックの子供たち (文春文庫)に関連するまとめ

シャイロックの子供たち (文春文庫)を本棚に登録しているひと

シャイロックの子供たち (文春文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

シャイロックの子供たち (文春文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

シャイロックの子供たち (文春文庫)の単行本

シャイロックの子供たち (文春文庫)のKindle版

ツイートする