- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167753160
作品紹介・あらすじ
食べることが大好きだった両親から教わった浪速の味こそ、料理研究家・小林カツ代の原点。カツサンド、蒸し寿司、うどんすき…エッセイに登場する料理は約90品。値段はピンキリなれど、味は、おいしいかどうかの一本勝負。家庭の味から今も通いたい各店まで、食い倒れの街、大阪の「おいしい」を伝えます。
感想・レビュー・書評
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大阪の食って豊かだなーと常々思っているからこの本を手に取ってみた。単行本のときのタイトルじゃひかれなかったかもなー。
大阪生まれ大阪育ちのカツ代さんの思い出とともに天下の台所の豊かな食模様が紹介される。おいしそうな筆致。あわせてカツ代さんが育ったおうちの幸せそうな感じも綴られていて読み手もしばし幸せな気分になれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大阪に行くことを考えるとき、いつも手がかりがほしいなぁ、と思っていた。しかし、行ってしまったあとは散々あれこれ考えていたことはすっかり忘れていて、定番の粉もんにも串揚げにも手が出せず、フードコートやファストフードに走ってしまう。ミナミならなおさら。この本のなかで、行ったことがあったのは黒門市場くらいだった。フグがたぽたぽ並んでてびっくりしたのなんの。
作ってみたいと思ったのはきざみきつねうどんと八宝菜かな。それにしても「こいさん」「こいとはん」っていい響きだ。
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お腹空いた。
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大阪での思い出の味、ということで「苧環蒸し」や「蒸し寿司」などみをつくし料理帖に出てくる料理もあり、興味深く読みました。あるものをいかに手をかけておいしく食べるかという昔の大阪人の食に対する姿勢はぜひ見習いたいものです。
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ケンタロウさんによる解説の中の言葉を借りると、『カツ代の味は、この本に出てくるような、カツ代が食べてきた沢山のものによってカタチ作られて』いる。
そのカツ代さんの子供時代、大阪にいたころに食べていた味のあれこれ。母の味はもちろん父の味にも触れられています。真野正美さんの挿し絵も含めて、ほんまに美味しそう。
カツ代さんは、大阪の真ん中で製菓材料を扱う店を営み丁稚さんもいた家のお嬢さんだったのですね。
メモ; 2004年4月 単行本『小林カツ代はこんなにいろいろ食べてきた』文藝春秋刊 を改題、小林キッチンスタジオにより改めて編集・加筆したもの。 -
【最終レビュー】11月24日 20:45
図書館貸出。
雑誌「CREA」13年・5月号。読書特集に掲載されていた著書の中の一冊。
タイミングよく読めたということに尽きます。
その時の状況に応じてというのもありました。春に読書特集として載っていた雑誌掲載からのあくまでも、「その中の一冊」それ以外に、自身がピックアップして読む予定の著書の何冊かは、メモをし書き置きしてます。順次不定期に、著書と著書の間に隙間ができた時に、チェックを入れる予定です。
雑誌そのもののメインターゲットは「30代(以上)の女性」なので、その点、スッと取っつきやすかったです。堺雅人さんが最近まで、この雑誌で毎月執筆していたエッセイとの(毎月、ほとんどチェック入れてました)縁もありました。
著書ですが、涙を浮かべたりと、うるっときた所もあり。カツ代さん独特の
『料理ネタを通じての日常への応用』といったものが随所にありました。本当なるほどなと…
料理ネタそのものを、「別の何かのキーワードに置き換えれば」、自然と、書いてる内容にスンナリ入っていけました。それで、このように感じたわけです。シンプルに書いてますが、こういう
小さな「文章の裏側にある、目に見えない発見」
またひとつできたのは確かです。
身近な地域での未知の光景が数々あったということ。それは、言うまでもなく感じます。
こういう発見が新たにまたひとつできること。
「読書を、こうしてここまで止めず続けてきて本当に、良かった」と改めてそう思いながら…それ以上は、言葉では言い表せません…
特に印象に残った内容を抜粋し、完結とします。
もちろん、【五つ星です】
『食べ物にたいする「親しみ」というのか、「ありがたみ」を、「お」や「さん」づけにすることで、あらわしとるとちがいますやろか』(カツ代さん)
『大阪の食べ物屋さんは、値段がうんと高いところでも、信じられへんくらい安いところでも、「おいしい」と、人々が認めて長く通う店は、「料理にけっして、手を抜いてません」(略)手抜いてるわと見破られたら、たちまちそっぽ向かれて閑古鳥。「大阪人は、恐ろしいほど、おいしいもん/まずいもんに、シビア」ですし、「味に関しても、正直」なんですわ』(カツ代さん)
『安くてもまずいもの、質の悪いものは「アカン」(略)「品質と価格のつりあい」がとれていることが肝心』(カツ代さん)
『材料がそろわないのを嘆くのではなく、「あるものを、工夫して」、「よりおいしいもんを作る」 それが、父のやり方でした』(カツ代さん)
『ていねいで、やわらかで、控えめな、母の「言葉」』(カツ代さん)
『どんな材料を使っても、「一定水準以上の味の料理が作れる」それが、【プロの料理人】ではないか。わたしはそう思うのです』(カツ代さん)
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お店を参考にしてもよし、レシピを参考にしてもよし。