- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167900946
感想・レビュー・書評
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夏を繰り返しながら沢山のものを置いてきても、友情や恋心までもが泡のように消えて無くなるわけではありませんでした。ずっと続いていくことは羨ましくもあり、終わりを感じさせる秋の風のように寂しくもあり。必死なあまり我を忘れ、時にグロテスクになりふり構わず鳴き叫ぶ蝉は、僅か一週間の生命と決めて。その一生はあまりに哀しく、死して尚、私達の心に残り抉り続けてくるようだ。夢だったのかもしれない。それでも三人だけが共有出来たもの、それが彼等のこの夏の全て。君の耳たぶの柔らかさ、葡萄の香り、見えないものを必死に手探りで求め続けていた。守られてるのはお互いなのだと、もっと強くなりたいと思いました。
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そう言えば去年の夏? 結構前に読んだのを今頃思い出した。市川春子の挿絵が見たいだけで図書館借り。期待してなかったせいか、久々に
読むジュブナイル小説だったせいか、まぁまぁ面白かった。お転婆なヒロインと幼馴染みの男子2人が、思春期ごろから意識し合って…みたいな甘酸っぱいティーンもの。作者が女性だからであろう、美少年(だよな?)の描写が生々しくてエロいかんじだが健全すぎる内容なのでご心配には及びませんよ。ハンディキャップを持った聡明で強く美しい少年と、以前のガキ大将が成長してイケメンになってる子と、彼らが反発し合ったり信頼し合ったり、その辺の揺れも宜しい。女の子視点で読みやすい。 -
とにかくジャケ買い。青春ものかなと予想しながら読み進め、確かに3人の青春の痛みがあった。夏に読みたくなる小説があるけれど、本作もある意味思い出すことになった。どう着地するのか期待しながら読み思いもよらぬ展開で少し唖然とした。
虫が苦手な方は読み進めることができないんじゃないかな、、。 -
夏の終わりにぴったりのタイトルかなと手にする。
何回かの夏に絡み合うトラブルと幼馴染み達。季節感を感じる文章でした。
壁井さんの描く少年達はどの作品でも愛情を感じます。 -
浜松町、談にて一押しの本だったので購入。
前半と後半で雰囲気が大きく変わっていく。
だんだん暗くなる視野狭窄とは逆に徐々に明るさを増す真夏のコントラストが際立つ。 -
市川春子のイラストはずるい。
不可思議でホラーでそれでいてひりひりするほど甘苦い青春の夏模様。
佐野の生態とか、市川春子のイラストがなければちょっとぐろくて御免である。
だけど儚くて美しさまで感じてしまった不覚。
三浦と倉田の関係は、とても好きだけどあまりにも恵が残念キャラになりすぎてせつない。どうか救いを。 -
ドロドロとした後味が残った一冊。
壁井さんの作品だからと読んでみたら、なんとも不気味な物語。
ただ、気持ち悪いという気持ちと同時に、学生3人による三角関係にハラハラしたり。
壁井さんの書く、男女の空気感が好きです。。 -
予想外の展開。まさかそんな秘密があったなんて…あとがきにもあったけど、前半と後半で話が全くちがう。誰も悪くないのに後味悪い感じだった。