- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167907082
感想・レビュー・書評
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村上春樹の短編小説すき
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本書の収録作品の一つ「ドライブ・マイ・カー」が少し前に映画になったということで一読。しかし読めば読むほど奇妙な文章を書く作家だと思う。子供の頃は何となく文体がバタ臭くて敬遠していたが、やっぱり読んでみると面白い。面白いのに、何でこれで面白いのか自分でもよく分からない。
日本人のくせに、まるで翻訳文学のような文章を書く。それでいて小憎らしいほど御洒落だ。何が不思議かって、本来こんな翻訳みたいな文章が読み易い訳は無いのに、全然ストレス無く読めてしまうところだ。
別に読み易い文章や文体が優れた文学作品の条件だとは思わない。寧ろ一文を噛み砕くのに時間のかかる文章こそが真に優れた文学だという意見もある。実際にそうした作品は存在するし、まあ、それはそれで一理ある。だからといって村上春樹の文学が低俗だと言いたいわけではない。
思うにこの作家の書く文章は言語としての互換性が極めて高いのだと思う。否、自分は日本語しか解らないから比較検討のしようも無いし、だから根拠がある訳ではないのだが。まるで翻訳のような文章は恐らく英語か何かに翻訳したとき、殆ど原作の内容とクオリティを損わない(変容しない)のではなかろうか。而して若しこれが不特定多数の言語の上で同時に成り立つならば、確かに神業というほかはない。海外で村上春樹作品が高く評価される要因もその辺りにあるのではないか。 -
映画を先に見て原作が気になり読んだ。
村上春樹の小説らしい少し癖のあるキャラがどのストーリーにも登場して、飽きずに読めた。
小説の後にもう一度映画を見ると更に楽しめた。 -
短編集としては「レキシントンの幽霊」「神の子どもたちはみな踊る」に続いて3作目になる。ストーリーの面白さや完成度、メタファーの「切れ」はこちらがはるかに優れていたと感じる。村上らしい完成度の高い短編集。メタファーを堪能した。
長編の「世界の終わり」や「ねじまき鳥」、「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」などと通じる「共通点」のようなものを随所に想起した。どこがと言われると具体的にとりあげるのはなかなか難しいのだけれども。 -
映画「ドライブ・マイ・カー」のために同名短編読んでから放置していました…。「シェラザード」「木野」も映画に使われていた様子。
「独立器官」「木野」が好き。 -
遺された男たち。
各々の内面が詳細に繰り返し書かれていて面白い。 -
発売後すぐ読んで以来の再読。
改めて感じたのは、言葉のチョイスがとにかくおしゃれ。
独特の美しく紡がれる言葉たちは、正直良くわからない。理解したいと思って、息を止めて、ぐっと飲み込んでみても、わかるようでやっぱりわからない。でもわからない中に不快さはなく、不思議な心地よさがある。
きっと数年後にまた読み返すだろう。 -
村上春樹の本を初めて読んだ。想像より読みやすかった。過去の恋を思い出すような不思議な感覚になった。