きみは赤ちゃん (文春文庫 か 51-4)

著者 :
  • 文藝春秋
4.17
  • (218)
  • (195)
  • (86)
  • (15)
  • (5)
本棚登録 : 2471
感想 : 231
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908577

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 友だちの話を聞いている感覚で読ませていただいた。著者の川上さんもあとがきで書いていたけど、「すごく仲のいい、でもしばらく会えない女ともだちとじゃあねまたねっていうとき」みたいに本を閉じた。

    ・すべての赤んぼうは100%親の都合、エゴで生まれてくる。
    ・育児に対して夫に対して「申し訳ない感」を持たない方が楽。
    ・人生は変数×変数。現在の選択が将来にどのような影響を及ぼすのか心配したってしょうがない。
    ・「たのしいこと、いっぱいあるよ!」「あしたはもっと、たのしいよ!」

  • ずっと読みたいと思って買っていた本、息子が10ヶ月になる頃にやっと読めた。というか、読書自体が本当に久しぶり。

    共感の嵐で、一気読みでした。
    もうすぐ1歳を迎えると思って読んだら尚更感慨深かったな…

    現在後追いで私が立ち上がっただけでも泣く息子。夜中はまだまだ何回も起きるし、お昼寝は抱っこでしかしないし、もちろんとっっってもかわいいけど、疲れたー!ってなることも。
    でも、そんな今は当たり前の日々を、いつか懐かしく思って泣くんだろうなぁ…
    きっと、1日で良いからあの日に戻って、赤ちゃんの息子を抱っこしたいって思うんだろう。

    この本の中にあったように、この一年の事、息子は忘れてしまうんだろうし、それでかまわない。でも、このかけがえのない一年のことを、私は一生覚えていよう。と改めて思いました。


    そして世の中のお母さん達、皆さま本当にお疲れ様です…!

  • 山崎ナオコーラさんの『母ではなくて、親になる』を読んでえらく感動したけど、川上未映子さんの文章はちょっと合わないなと感じた。

    自分が助産師であるからか、事実と異なる部分が気になって内容に集中できなかった。看護師さんは内診しないし、そもそもこの本には一度も「助産師」が登場しないのが、職業柄気になった。産院のスタッフの台詞も、本当にそんな言い方するかな?と疑問がたくさん。実際は言ってなくても、聞いた方は主観で受け取りアウトプットするので、自分の発する発言はより丁寧にしないとな・・と強く思った。それにしても、医療監修とかはつかないのだろうか?小説家の発言は影響力があるので、主観と事実はしっかり書き分けた方がよいと思った。

    また、自分が妊娠していなければ、もう少し客観的に読めたかもしれないが、妊娠している今は、どうしても自分の状態と比べてしまう。そのノーテンキさと、天真爛漫と言ってもいい好き放題の妊娠中の過ごし方に、少しいらついてしまった。
    産後クライシスのことなどは、率直で素直な気持ちを書き綴っていてノーテンキな妊娠生活理想とのギャップ、という意味ではよかったが、なんだか騒がしくて疲れた。夫はとてもいい人。ネットの素人の掲示板でも読んでいるような気分だった。

    ただ、杏ちゃんがこの本をYouTubeで紹介している動画を見て、少しだけこの本の良さが理解できた。
    産後って、頭が働かなくて本も全然読めなくなる。そこへこの口語体の読みやすい(と言えなくもない)文章は共感を誘う。あなただけじゃないよ、と背中を押す育児中のママへの応援歌だと思えば少しはいいかな。

    それにしても、この本を結構周りの男子が絶賛しているのが不思議でならない。(逆に女子からは評判が悪い)
    独身の男子の友人から薦められて借りて読んだが、彼が一体このどこらへんに共感したのか、是非とも今度聞いてみたい。

  • この本を世に生み出してくれてありがとう!!!
    と川上未映子さんへの感謝の気持ちでいっぱいになる一冊。
    私は子どもが4人いますが、妊娠するたび毎回この本を開いています。母親業って時に孤独で、特に夫との乖離を感じて淋しくなることが多いけど、あなたはひとりじゃないよって寄り添ってくれる戦友のような本です。

  • 妊娠から育児まで大変だと言葉では聞いていたけれど、ここまで壮絶なのかと驚いた。

    夫が育児において手伝うという感覚あるだとやっていけない。この本を読まなかった私は、オムツを変えたりミルクを作ってくれた夫にありがとうと言っていたと思う。今までの育児の歴史を振り返るとそういう考えを持ってしまっていることはしょうがないとも思う。

    そして、出産を経験した女性と、そうでない男性とでは分かり合えないところや、話が噛み合わないこともあると思う。ここは凄く私的にも将来不安なところだ。

    でも、子供の写真をみて「子供のこの表情がツボなんだよね」とか「この顔が可愛いんだよね」と未来の夫としかできない熱い会話をすることは凄く楽しみだ。

    この本を読んで、自分の子供に会うことが凄く楽しみになったし、私を産んで育ててくれた母にお礼を言いに行こうと思った。

    他にいいなと思ったところは、「『誕生日おめでとう』というのは1年毎日生きたこと、成長して大きくなったことは本当に奇跡のようなことで、本当に凄いことだから『おめでとう』と言っている。」という文章で、たしかに私も、当たり前に誕生日を毎年迎えているけれど、本当に凄いことだなと改めて思ったし、誕生日を迎えた人には「1年毎日生きたことは本当に奇跡で凄い」と言ってやろうと思う。

  • 母は偉大。どんなに想像を膨らませても、父親には分かりえない苦労や想いがある。分かることあきらめるのではなく、分かろうと想い、またわからない部分をリスペクトする気持ちを持たなければいけない。

  • 現在赤ちゃんを子育て中の私。
    妊娠中から出産、産後と共感しかなかった。
    しかし、悪阻やら産後やらで大変な時にこうも鮮明に自分の感情を言語化出来るのは本当にすごい。
    赤ちゃん期はすごく大変だけどとても特別な時間だよなーと改めて思った。
    我が子はまだ1歳を迎えてないけど、いずれ1歳を迎えることを考えると寂しい。赤ちゃん期楽しもう。

  • 共感するところ多くて、友達と「そうそう!ほんまそれな!」って喋ってるかのように、ズンズン読めた。

    1人じゃないんやって、元気もらった。

    たくさんの妊婦さん、ママさんに読んでほしいな。

  • な、なんというか...激情型...。
    果たして自分もこんなに感情を昂らせたり、こんな気持ちを持ち合わせたり不安定になったりするのだろうか...。

  • 川上未映子さんの妊娠から出産、子育てを記録した作品。突如決定した帝王切開や身体がぼろぼろの状態での授乳など、壮絶な体験もユーモアたっぷりでとても面白く書かれているので、笑いながら読むことのできる素敵な子育てエッセイ。試行錯誤を繰り返し親になっていく姿は大変勉強になるので、これから親になる全ての人に読んでもらいたい。

全231件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上未映子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×