- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167920227
感想・レビュー・書評
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可笑しくて切ない。
そんな小説。
私はこの中では「あの夜の思い出」が好き
一番希望があるような気がするから詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どの話も現実離れしている部分と、現実的な部分とが入り混じり、不思議で理解できない世界観なのに、なぜか感動するシーンが多くあった。
特に的になった七未が一番好きだった。ずっと当てられたい気持ちを抱えた七未が、ずっと会いたかった息子に当てられてよかった。
巻末の今村夏子さんのエッセイが大好きだ。エッセイだけをまとめた本が発売されると嬉しい。不気味な世界観を描く、今村夏子と村田沙耶香の文章を一冊の本で、同時に読めてすごく嬉しかった。 -
「的になった七未」については、得るべきタイミングの痛みや挫折から逃げることを続けた結果を比喩しているのかな?と思ったり。
シュールで笑ってしまうのが今村夏子ワールド全開 -
いつのまにか人間でない何者かになっていて、それが受け入れられているのがすごく今村ワールド
物を捨てられない人の心理、こういう見方をしてみると少しわかる気がした
最後の話だけ、猫になった〜とかでなくある夜の思い出であり、その後真人間に戻っていて、変にリアルに感じた 最後にこれを持ってくるのもすごい -
むらさきのスカートの女が変な小説だったのでこちらも読んでみたが期待に違わず。決してホラーではなく不条理という程でもない、親近感と同時に覚える違和感が魅力。
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3作目が特にお気に入り。
上手く解釈しきれなかったが読み応えはあった。また読み返したい。 -
昔話を読んでるみたいでキツネに化かされた気持ちになる。
昔話みたいに展開ごとの助走がないままどんどん場面転換していくんだけど、何を言っているのかがわかってこわい。わかりすぎてしまって目が話せない。今村夏子さんは本当にすごい作家さんだなと思う。
すごく虚しくて悲しいのに、なんでか人間のことがいとおしくなる。ちゃんと現実だ、と思う。そして、いや、小説だよ、と自分につっこんで我に帰る。痛ましいほどに切実でちっぽけで純粋なのだ。