本日は、お日柄もよく

著者 :
  • 徳間書店
4.12
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感想 : 378
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629854

感想・レビュー・書評

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  • 立場柄スピーチをする機会も結構あるので、参考になるかなという期待もあって読んでみた(千葉佳織さんというスピーチライターのスピーチでこの本の存在を知った)。
    最後まで面白く読めたので、手にした意味はあった。ワダカマがイケメン過ぎるのが気になってしまった(笑)。
    スピーチの参考になる内容は……少しだけあったかな。
    残念だったのは、今川厚志のスピーチがそれほどでもなかったこと。登場人物たちが感動して涙ぐんだという表現に鼻白んでしまった。読者の予想を超えるスピーチをしてもらって、読者をも感動させてほしいところだったが。
    まあ、その前までは面白かった。特に今川篤朗氏の代表質問はよかった(たぶんそれでハードルが上がってしまった)。
    ことばの力、を改めて考えさせられた小説だった。

  • 金言だらけ。

    何か困難なことにぶち当たった時に思い出してほしい。
    「3時間後の君、涙は止まっている。
    24時間後の君、涙は乾いている。
    2日後の君、顔ををあげている。
    3日後の君、歩き出している。」
    この言葉は胸に刻みたい。

    言葉の持つ力を改めて思い知らされる。

    そして、政治批判も踏まえた内容で、政治への興味関心も高めてくれる。

    そして読み終わったあとにじんわりと心が暖かくなる。

    素晴らしい作品でした。

  • 最初、結婚式のスピーチの話から始まり、結婚式に纏わる物語かと勝手に思って読み始めました。
    まさか政治が出てくるとは…!
    社会や政治はあんまり得意でないので、途中スローペースにはなりましたが 完読しました。
    最後は爽やか温かでよかったな〜

  • おめでたい席のスピーチにまつわる話かな、と思わせて…。(#^.^#) スピーチライターという仕事に、自民党から民主党に政権交代した時のあれこれを絡ませて、うん、その後を知っているからこそ面白い話でした。.



    平凡なOLがひょんなことからステップアップ、という話はよくあるものだけど、
    そして、それに無理がある場合も多いのだけど
    (なんでその人なの? 物語の主人公だからって贔屓しすぎじゃない?なんてね。)
    う~~ん、ギリギリオッケー?という展開かな。

    ただ、スピーチライターという仕事の面白さ、
    また、自民党が政権を失った時から数年経ち、今年の夏の参院選の民主党惨敗なんてものを踏まえて読むと、今だからぴんとくる話もあったりして、いい時に読んだ(#^.^#)と思います。

    主人公・こと葉は製菓会社のOL。
    幼馴染みの今川厚志の結婚披露宴で、なんともまぁ~~の感動的なスピーチをする女性に出会い、実は彼女が“スピーチライター”というスピーチ原稿のプロであることを知る。

    スピーチのコツ、といったハウツーものみたいな豆知識も押しつけがましさがなくて意外と面白かったし、
    それ以上に、披露宴だけではなく、会社の会議や選挙活動など、多くの場面で重要な役割を担うスピーチ、そのものの描写がとてもよかったです。

    厚志は実は民主党(を思わせる政党)の大物の遺児で、その彼が選挙に出て、と後半は選挙色一色になるのだけど、二世議員というもの、また、自民党の政策の驕りや失敗など、あの当時の日本というものがよく見えてきて、また、そんな中、国民に支持されて政権をとった民主党がその後どんな政治を行ったか、なんてことまで考えると、う~~~ん???とも。

    それにしても、マハさんという人、急に化けた!と思ってましたが、「楽園のカンヴァス」で機は満ちた!来たるべき時だった!ということだった(#^.^#) んですね、きっと。

  • 読み始めてすぐに主人公 こと葉のキャラクターが大好きになってしまった。
    ・・・と同時にわづか30ページ足らずで早くもウルウル。業師ですよ!マハさん!
    それからは随所で、あたかもワサビのすごく効いたお寿司を食べさせられてるような鼻の奥がツーンとして目頭が熱くなること数回。
    またしてもやられました(~_~;)
    スピーチライターというお仕事はお初でしたが
    私が過去にやった結婚式のお粗末スピーチ。。。
    この本を先に読めていれば少しはましなものになったかもと後悔^^;
    言葉の持つ力ってすごい!と思わせてくれたステキな本でした。

  • 人前で話すのは子供の頃からあまり得意ではない。
    年齢を経て、経験を積んで多少は慣れたものの、大人になった今でも苦手であることに違いない。
    そんなわけで、冠婚葬祭などで思わず胸を打つようなスピーチを話す人に出会うと、心から尊敬してしまう。
    この小説は、素晴らしいスピーチを考えるスピーチライターの存在が物語の中核をなしている。
    主人公が、ある結婚式場で衝撃を受けるスピーチに出会い、その裏側にあるスピーチライターという存在を知り、自分も他人の心をつかむようなメッセージを作りたいと願う。
    スピーチとは何か、そしてそれを支える言葉とは何か、ひいては、どうすれば人の心に伝わるメッセージを作り上げられるのか。
    読者に対して実に興味深い展開で話は進んでいく。
    その合間に恋話や選挙の駆け引きなどが絡んでくるのだから、面白くないはずがない。
    久々に一気読みした小説だった。
    直木賞候補になった「楽園のカンヴァス」以前の作品ではあるが、原田マハ、さすがである。
    今後どんな作品を世に出してくれるのか分からないが、間違いなく彼女は、次の直木賞受賞者の筆頭候補だろう。

    • koshoujiさん
      まろん様。
      タイトルからはそれほど期待していなかった一冊でしたが、冒頭から引き込まれ、内容は予想以上でした。
      原田マハさん、やはり奥が深...
      まろん様。
      タイトルからはそれほど期待していなかった一冊でしたが、冒頭から引き込まれ、内容は予想以上でした。
      原田マハさん、やはり奥が深い。
      着実に成長していると思います。
      特に人物の設定やテーマに対する着眼点が面白い。
      掘り下げは少し物足りなさがなきにしもあらずですが、読後感も良く、オススメの一冊です。
      是非ご一読ください。
      新刊ラッシュの合間を縫って、私も彼女を追っかけている最中です。
      2012/10/05
    • nico314さん
      同じ本を読んでも、どこが印象に強く残るか、どのような感想を持つか人それぞれでおもしろいですね。kosyoujiさんのレビュー、抑えるべきあら...
      同じ本を読んでも、どこが印象に強く残るか、どのような感想を持つか人それぞれでおもしろいですね。kosyoujiさんのレビュー、抑えるべきあらすじを伝えながら、感じたことを表現されていて参考になります!
      2012/10/08
    • HNGSKさん
      kosyojiさん、いい本を紹介してくださって、本当にありがとうございましたー!!他の本も読んでみます。
      kosyojiさん、いい本を紹介してくださって、本当にありがとうございましたー!!他の本も読んでみます。
      2012/10/29
  • 原田マハさん初めて読みました。
    とても読みやすかった。

    好きだった幼馴染みの結婚式で久美さんに出会い『スピーチライター』に転身する主人公こと葉の話。
    言葉が持つ力って凄いから伝え合うことってとても大事。
    だけど時には言葉なんて要らなくてただただ抱きしめて伝わる気持ちもある。
    そんな事を教えられました。

    ただ途中、選挙・政治の話が長くて中弛みしちゃいました。
    最後、もっと素敵な久美さんのスピーチ聞きたかったな〜。

  • スピーチライターという仕事があることを知れたのは面白かったし、人を惹きつける話し方は大切だなーと思うのでそこはとてもよかった

    政治がらみの内容と、敵味方でそんな協力あるわけないだろーと
    ありえない感じがしてしまって
    あまり入り込めなかったので3にしました

  • 期待以上に面白かった。先へ先へと早く読みすすめたくて一気に読んでしまいました。スピーチライターという仕事の重要性を感じ興味深かったです。

  • 夢中になって一気に読み終わった。
    その間に何回涙が流れただろう。
    この人の言葉は心にすーっと入ってきて、あたたかい気持ちになる。
    実在する人物名や政策の事をちゃんと理解していないからこそ引っ掛かりなく読めたのかもしれないけど。
    手元に置いておきたい一冊になった。
    本当に素敵な言葉たち⚘

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

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