勁草 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 390
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198639570

感想・レビュー・書評

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  • 橋岡はとことんついてないな。
    自分の意志とは関係ないところで悪い方へ悪い方へと流されていく。その流れに乗せられてしまったら、もうどうにも止められない。そんな流れに乗せられてしまうほどの悪事に手を染めてきたからではあるのだが。
    しかし、人はどうにも騙されてしまうのね。
    電話による詐欺は、出ないのが1番か。確かに。
    うっかり電話をとってしまっても慌てず切ってしまえばいいのかもしれない。

  • オレオレ詐欺(今は母さん助けて詐欺とも言うらしい)の犯罪の手口を描く。

    詐欺の犯罪手口はリアル。軽妙なテンポの関西弁で綴られるいつもの黒川節で犯罪ルポを読んでいる感じ。勉強や教訓にもなるし、テンポが良いのでどんどん引き摺られて読んでいけるのだけど、特にオチもなく、そのまま呆気なく終わってしまう。オレオレ詐欺に加担している時点でダメなんだけど、矢代の尻拭いをさせられる橋岡にちょっと同情気味。勁草(節操・意志の堅固なことのたとえ→しぶとい、したたか)というタイトルの意味にはナルホドと思った。

  • 黒川さんが描くオレオレ詐欺の実態である。

    最初のほうはかなりリアルです。
    実際こんなふうなんだろうな、特に大阪、なんて思いました。
    中心は受け子側の物語。
    そして、警察の物語。
    あっさりと身元も割れ、どんな展開になっていくかと思ったら
    オレオレ詐欺とは違う方向に話が進んでいく。

    結局は、金に執着する悪人たちの顛末なのだが
    どんどん本筋とズレていく感じがした。
    橋岡の人生のズレとも重なって、その点はマッチしていたかもしれない。

  • ダラダラと長い

  • 毎度、設定とストーリー展開がおもしろくスピーディでグイグイ引き込まれるが、オチが……

  • 読書記録です。


    ストーリーは手に取るようにわかります。
    ぐいぐい読ませるのはその流れの速さ、会話のテンポ。
    特に関西弁が母国語(?!)であり地名が身近な方には映像を見ているような感じになるのではないか、と。
    登場人物もステレオタイプな人物像ばかりなので、脳内配役も簡単にできると思います。

  • いつも通り面白い。今回はオレオレ詐欺。警察がんばっているな。

  • オレオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業「名簿屋」の高城に雇われている橋岡。賭場で借金を作った橋岡は高城に金の融通を迫る。一方、大阪府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出し…。

    作者お得意の関西のヤクザ・刑事もの。いつもの快調なペースで読み進められるが、ページが残り少なくなって「続編が?」と思ったら、急転直下のラスト。週刊誌連載の作品だけに、急に中止せざるを得なかったのかなと訝しく思った。
    (C)

  • 細部の描写や説明がとてもリアル。だが、ここまでする必要があるのだろうか、という疑問を持った。通帳を奪っても、簡単には金を引き出せないたね、あれやこれやと苦労するのだが、そのあたりを簡略化すればかなり短くなると思うのだが。

  • 【ネタバレ】オレオレ詐欺の一味である主人公がとあるトラブルに巻き込まれてどんどんハマっていくという、実に気分の悪いお話。まぁ、扱っている題材が題材だし、主人公は悪人なのでどう転んでもさわやかなお話にはなり得ないのですけど、この尻切れトンボ的な結末はいかがなものかと。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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