- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198639570
感想・レビュー・書評
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俺詐欺チームがクズ過ぎて、めちゃくちゃ橋やんを応援しまくってしまう。か ら の あ の ラ ス ト 。
まんまと作者の掌の上でコロコロされてしまった。くそっ。 -
オレ詐欺の具体的手口がよく分かる。
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#読了。大阪府警特殊詐欺班の刑事らが目を付けた、オレオレ詐欺のグループ。リーダーと目されていた高城の姿が突如消える。刑事らは一網打尽を狙い捜査を進めると。オレオレ詐欺の役割分担などがよく分かる。生活保護者の食い物にしたビジネスも登場するが、こちらはこちらでもう1作品別にしても面白かったのでは。
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振り込め詐欺の手口を描き尽くす
人のしぶとさしたたかさ -
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橋岡は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とはオレオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の手配も任されていた。騙し取った金の大半は高城に入る仕組みで、銀行口座には金がうなっているのだ。賭場で借金をつくった橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが…。一方で大阪府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出していた。最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!直木賞作家、迫真の犯罪サスペンス。
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オレオレ詐欺を題材にした物語である。人はどうやってオレオレ詐欺の掛け子(ターゲットに電話をする役)や受け子(お金を受け取る役)になり、ずぶずぶと深みにはまっていくのかが、目の前で見ているようによく判って恐ろしい。そして、ターゲットが、どんな風にはまり込んで被害者になっていくのかも手に取るようにわかって空恐ろしくなる。もう誰に何を聞かれても、何も答えたくない。さらには、尻尾を掴まれないようにどんどん巧みになる手口から、大元の逮捕を目指して地道に歩き回り、可能性をつぶしていく警察の捜査の苦労もよく判る。そんなドキュメンタリーのような出来事のなかで、登場人物たちのキャラクタがいい。詐欺を働く側も、それを追いつめる側も、どちらも人間であり、それぞれに人生があるのが見て取れて、興味深い。ラストはそれまでのハラハラ感からすると、えっ?と思うような展開ではあるが、それ故読者が橋岡の行く末を想像する余地もある。興味深い一冊だった。 -
☆4つ
著者 黒川博行は、2014年第151回直木賞を『破門』で受賞しているが、この作品『勁草』はその受賞次期を挟んで某雑誌に連載していたもの。 従っていわゆる受賞後第1作目となる。受賞後書き始めた第一作目ではない、ということが少しわたしの中でのポイントだな。うん。
これわ抜群に面白い作品でございます。
黒川博行は基本的にヤクザの世界を描くのだと思います。あまり躊躇なく人が死にます殺します。
そういう一般人にはタブーな間隔が少し麻痺した小説家さんですね。
なので、だから面白い。
加えて物語が展開するテンポも大変小心地良くて、なんと知らぬ間にリズミカルに読み進めている自分にきづいたりします。
そうすると当然読む速度も上がり、結構短い期間で読了しました。3日間くらいかな。たっぷりなボリュームの本ですからこれわ結構凄い。ま、おもしろいとすぐに読み終わっちゃう、って鉄板ですね。(^_^;)
惜しいかな物語の結末には何もない。どんどん書いて-書いて本に調度良い分量になると唐突に終わる。連作物にする力量は無いし、さりとてこれ以上書くと本がぶ厚くなりすぎて売れん!とまあ、悲しいこっちゃで。
もいちど書くが、この本めちゃおもろい。 ・/すまぬ。m(_w_)m -
オレオレ詐欺の裏側が描かれています。
標的をだますために、さまざまな役割があり、分業されています。
用意周到に仕組まれた犯罪は、なかなか暴くのが難しく、役割の違いもあり、本丸にたどり着くのが難しいのがわかりました。
詐欺の裏側と警察の捜査が絡み合い、詐欺の黒幕の影もうごめく、先が読めないストーリーです。
文句なく面白いです。