眠れない夜は体を脱いで (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 728
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198643454

感想・レビュー・書評

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  • 表面上、他人には分からないかもしれない部分だけど、各登場人物たちが確かに変わる、しかもそれは良い意味の変化だ。それがこの作家さんの上手で好きなところです。良かった。

  • デビューは「女による女のためのR18文学賞」の彩瀬さんだが作品がフェミニン一色なのかと言うとそうでなく主人公は少年少女からおじさんおばさんまで多岐多用、作風も恋愛モノからホラーまでと幅広い。
    連作短編も多くワンパターンになりがちだが彩り豊かにそして力強い心の描写はどの作品の中にも流れておりそれがこの人の個性となっている。
    今回もタイトルの通り儘にならない「体」と「心」の葛藤を主題に人々の日常を描くだがそれが何気なかったりあり得なかったりで手繋がりのキーワードとともに楽しめる。
    そして誰もが一歩前に踏み出せるラストが素晴らしいではないか

  • 2017.6.4
    彩瀬さんの世界観が好きで、いつも楽しみ。今回は5編の短編集。みんなどこかしら生き苦しさみたいなものを感じていて、インターネットで検索をかけるあたり、現代やなあ、ああわかる、ってなった。周りがすぐに変わるわけじゃない、でも勇気を持てば、自分自身の考えを変えることはできるんだと思う。
    「小鳥の爪先」「鮮やかな熱病」が好きでした。

  • 彩瀬まるは人と人のつながりに深く切り込んで、そして繊細くなぁ。
    人は年齢、性別、見た目などあらゆることでついカテゴライズしてしまいがちだけど、そこに当てはまらない人たちが抱える思いや考えをうまく掬い取っている。そして、”手を見せて”のスレッドを立てた人物がまさかで、結局私も先入観で物事を判断していた…。この構成のうまさ、やられた。

  • 『手が大好きなので、いま起きてる人の手の画像をぐださい!』
    そんなネットのスレッドに集まる人々の日常を描いた連作短編集。始まりと終わりがすきだった。
    特に終わりの、ネットの中で作り上げる自分の偽りのキャラクターというものに対してうまく表現されていた。
    どの話も一癖も二癖もある感じがすきでした。

  • 今回は匿名掲示板の「あなたの手を見せてください」というスレッドを軸としてスレッドに関わる年齢も性別も立場も全く違う5人のお話し。
    彩瀬さんのこういった短編集はどれも面白い。
    1番始めの「小鳥の爪先」と最後の「真夜中のストーリー」が特によかった。
    「真夜中のストーリー」は二人が自ずと別れを選択して歩み出すところ、まさかのスレ主、ほっこりするようなハッピーエンド、切なくてキラキラして見えました。

  • 【図書館本】
    五つの短編集がネットの掲示板『手のスレッド』で繋がっている。
    どの物語も主人公の足りない部分を何かが埋めてくれるような、誰しも共感出来るようなストーリーが多い。個人的には『マリアの〜』がかなり変化球で好きだ。

  • 老若男女それぞれの主人公が
    自分の人生に不満を持っているのだが
    なんとなく光が見えてくる感じが良かったんだけど
    物足りないような。

    合気道の描写が面白かった、
    ちょっと習いたくなった。

  • 短編5作。
    「自分」というものに囚われて「自分」がわからなくなる。
    そう。たまには体を脱いですべてから解放されるのもいい。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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