- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198643454
感想・レビュー・書評
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彩瀬さんの物語の世界が好きで、楽しみにしていた新刊。こんな風につながっていく連作短編も新鮮だった。
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2017/4/9
いろんな人がいて、外見や役割に馴染めない人もいる。
とても静かなのにチクッと刺されたようなきもちになる短編集。
主人公が高校生だったり、50代だったり30代だったりするけどなんだか若さを感じる。作家の年齢かしら。
「小鳥の爪先」好きだった。 -
小鳥の爪先…ほっぺをつかみ合う姉弟がいい。
あざが薄れるころ…男女の関係になるかと期待したが。
マリアを愛する…評価はこの作品。唐突な登場に驚いた。去る時も唐突でさっぱりして美しかった。
鮮やかな熱病…おっさん二人がかりで赤ちゃんをなだめるところが滑稽。
真夜中のストーリー…出会い系の女は大半が男だというのを思い出した。 -
どれもいいねえ。優しい気持ちになる。
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誰かと出会って新しい自分に気づくお話。緩やかな連作短編でどの物語も優しくて読後感はほっこりジーンとする。繊細な情景描写も素敵です。次回作を早く読みたい。
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うーん、嫌いじゃないけどこれといって良くもない。
手の写真をのせたスレッドがでてきて、知らず繋がっている短編集。
ただ、この人の文章は嫌みなくすーっと入ってくる。 -
彩瀬さんの、こういう少しずつ繋がってる短編集がとても好き。今回は掲示板で手の画像を載せていく人たちだったけれど、それが特別メインのテーマになるわけではなく、そこにふらっと立ち寄る人たちが思ったことや感じたことが自分の生活で抱えている不安や悩みに繋がっていく。
特に『マリアを愛する』が印象的だった。マリアや映画の描写がとても綺麗で、浮世離れした空気を纏ったお話だった。いきなり幽霊が登場したときはびびったけど、違和感を抱えることなく読み進められた。男女におけるコンプレックスや不安、そういうものを最後は優しく掬い上げてくれる彩瀬さんの文章がとても素敵だ。 -
男女という性別の呪縛をテーマにした5つの短編集。男はこうあるべき・女はこういうものといった読者の固定観念を時に揺さぶり時に逆手にとる話が並ぶ。各話は独立してるけど「手」をキーワードにしたある仕掛けで繋がっているのも面白い。生々しく鮮やかな表現も健在。でも前作よりはやや薄めかも?
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初出は2013-16年の「読楽」に掲載された5短編
やられた。たぶん作者の意図どおりにはめられた。
第1話がイケメンであることを重荷に感じてる高校生が少し楽に生きられそうになるというストーリーで、自然で軽く優しい小説なのだと思った。
第2話の途中までも、合気道をやっている50代の独身女性が力まなくなる話だと思ってたら、第1話と同じ手の写真を求めるネットの掲示板が出てきて繋がってしまった。
第3話はどう繋がるのかと思ったら美人女子大生の幽霊が出て来るわ、第4話は固定観念に固まった銀行の支店長の生き方が赤ん坊に変えられるが、ちゃんと手の掲示板で繋がってるので、最後はその話だろうと思ったが、以外にそれがメインではなかった。
1話ごとに完結する話に、予想を裏切られ続けながら、ちょっと切なく、じんわり心が温められる。