大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり クロスケ、吸血鬼になる (徳間文庫)
- 徳間書店 (2011年9月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198934316
感想・レビュー・書評
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読みながら「んん?」が重なっていって、そのまま読了。なんとこちら、シリーズものの2巻目だったのですね^^;
このミス結構多いんだよなあ。
しかしそれをふまえて考えてみても、これ、主人公がまるで主人公してませんよ!
短編集の中に一本、二本番外編みたいな感じで視点を変えてみるのは良いと思いますが、こちらは一冊で一本のお話。なのに主人公らしい刀弥なりクロスケなりの描写が殆ど無いの!
一番丁寧に描写されていたのは本作限りの登場であろう落ちぶれた町医者山善。まあ、サブキャラらしき仁科を書き込むのならまだわからんではないけど。
これは主人公仁科だろうと思ってしまいますね。
妖たちはそれぞれにかわいいのだけれど。本作では活躍と言う活躍が見られないし、その妖ならではの見せ場があって欲しかった。ラストのクロスケは取って付けたようだし。
章ごとに視点や時間軸が変わる書き方は嫌いでは無いのですが、その構成がね。もう残り少ない頁だと言うのにここに仁科の過去を持ってくる?!とか。それはもう少し前で良かったように思う。
それよりも章を増やすか何かして、染之助とこよりと言う人物、過程を掘り下げるべきだったかも。移入できないし、吸血鬼に関しても、新登場らしきミクニと言う人物にしても、ぼやけ過ぎでは…
設定だったり発想は面白いと思うのに、やはり構成でしょうか。書ききれていない、消化不良感が。
善鬼なる人物も気になりますし、前作、新作も読んでみたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何だちょっと良い話じゃないか…。ただこれ以上キャラ増えたら覚えきれなくなる予感。
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シリーズ第2弾
でも、2作目とか謳ってないし、1作目を読んでない人には不親切すぎるよなあ
全然脇役のクロスケがタイトルって・・・
まあ、軽い話なんでいいけど^_^ -
なかなか面白い。
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“濃い目の醤油をたっぷりの酒と出汁で割った汁が鉄鍋の中で、ぐつぐつぐつぐつと煮立っている。
そこに九助が、大雑把に切った鮪の切り身と長ネギを入れた。
いったん鮪と長ネギで温度の下がった鍋が、再び、ぐつぐつと音を立てはじめる。ミクニの腹が、再び、ぐるると鳴った。
ねぎま鍋だ。
稲亭の看板料理だった。
九助の工夫で小皿に芥子が添えられている。甘辛く脂ののった鮪に、つんと辛い芥子は意外に合う。
「そろそろ食いごろだぜ」
九助の言葉を合図に、ミクニが鮪と長ネギをはふはふと口の中に放り込む。
お園が米の飯を丼に盛ってやると、がつがつと食いはじめた。
聞きたいことは山のようにあったが、ミクニの様子を見ると、他人の話を聞くどころではないようだ。
はふはふがつがつとねぎま鍋と丼飯を食っている。
みるみるうちに、空の丼がいくつも重なり、鍋の底が見え出した。
「すごく食べるのです」
「にゃん」
と、飯屋の娘と雷獣が感心するほどの食いっぷりだった。”[P.50]
2巻目。
なんとなく章ごとにぶつんぶつんとしてるような。
読みやすいところは好き。
“「敵になっちまうんですよ」
泣きそうな声になってしまった。
しかも、今の妖怪改方の長官は早乙女夜ノ介——。善鬼の兄に当たる。このままでは血肉を分けた兄弟が争うことになる。
仁科の思いを読んだのか、善鬼は薄く笑うと言った。
「そのうち分かってくれますよ」
「え?」
意味が分からず、きょとんとする仁科に善鬼はくり返した。
「甚吾も兄者も、そのうち分かります」
「だから何が分かるって言うんですか?」
聞き返す仁科に善鬼は答えた。
「本当の敵ですよ、甚吾」”[P.180] -
シリーズ第二弾。今度は江戸に暗躍する吸血鬼が巻き起こす事件。「血吸い猫」と間違われたクロスケは受難ですね。さらに新キャラとして腕利きの外国人が現れたりして、物語は盛り上がりっぱなし。
しかし今回の主役は、「不幸な脇役三昧」のあの人ですね。まさかあんな過去があったとは! 実はすごくかっこいいじゃないですか! じーんと感動させられる部分もあって、だけど……大笑いもさせられてしまいます。激弱コンビ、がんばれ~。
宿敵としていずれ対峙するであろうあの人にも、なんだか事情がありそうですねえ。ますます目が離せないシリーズです。 -
吸血鬼も因果な生き物だなぁ・・・。
雷獣、もっと活躍しようよ? -
全巻と比べて登場人物の評価が二転三転ころころと。
こういう伏線の引き方は好きです。
次巻も楽しみ。