- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198936105
感想・レビュー・書評
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信心!神様!私には日常生活に登場しない心情ですが「畏れと敬う」って言葉や自然や命に感謝をするって事はして間違いはないなぁって思ったなぁ。田舎では暮らした事がないので少し体験してみたい気もするし私も不思議を体験してみたいなぁ!
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短編集「黒沼」の表題作でもある黒沼村が舞台で主人公も同じ桜大。黒沼の神隠し事件から後、中学生になった桜大は神様の気配が濃い村でおおらかな大人たちに囲まれて素直にのびのびと育っている。余りにも素直すぎて向こうの世界にひっぱられそうになったりもする。それが当たり前の桜大には外から来た人の感覚がわからない。村には高校がないので、外の世界に出て外の人のようになってしまうのを怖がるが、変化を受け入れ成長していく姿が描かれている。
理解ある大人たちに囲まれ自然が豊かで四季が美しく、食べ物の実りもある。黒沼村はまるで桃源郷だ。
後半に出てくる外から来た「センセイ」がまた子どもにとって「こんな大人が近くにいたら」という理想の塊のような存在だ。
センセイ自体も紆余曲折があってこの村にたどりついた、ある種の解脱者のようなちょっと不思議な存在だ。
そんなセンセイの古い知り合いである「ソラヤ」も旅する霊能者っぽく、このふたりだけで別のお話ができるのではないのかと思ってしまう。
さらりと読める、お伽話のようなどこか懐かしい物語だ。 -
田舎の暮らし。目に見えない不思議。それを当たり前のこととして生きる人々。少し前には普通だったかもしれない日本。神罰がもっとあからさまに下るといい、って、面白い考え!尊ぶことを身を持って知る。
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泣けるとあったが、どこが泣けるところ???
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今の日本では失われつつある原風景を描いたような作品。
昔の日本人はきっとこんな風に自然の恵みに感謝し、そこかしこに宿る神様を信じて生きていたんだろうと思う。
中学生の娘はあまり気にいらなかったようで、小さな子供か、ある程度の大人になってからじゃないと理解できない作品でしょう。
そういえば40歳を過ぎたあたりから、若い頃にはあまり興味がなかった日本文化の良さを感じるようになったもんなあ。 -
この村の人たちは不思議をやみくもに怖がるんじゃなくて、畏れ敬い踏み込み過ぎない。
不思議がそのまんま日常で、そういうあり方って素敵だなと思った。
桜大とケンヤのその後が気になる。
(13.02.26) -
子供っぽい内容だけど、スラスラと読めて飽きる感じもない♪軽く何か読みたいなって気分の時は良いかも知れない☆桜大と言うタイトル通り春に読みたい本。
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2012.140
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黒沼村で生きる少年桜大を中心とした、不思議と隣合わせの春夏秋冬を綴った物語。
『妖怪アパートの幽雅な日常』などの作者の作品で、食べ物の描写や風景の描写が絶品。食べ物は美味しさが、風景は美しさが滴るよう。この作者さんが亡くなられたのは本当に悲しい。
波あり谷あり、でも穏やかな日々は心を落ち着かせたい時に読むのをオススメします。