生きるぼくら (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198940140

感想・レビュー・書評

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  • いじめから、引きこもりになってしまった麻生人生
    ある日母が置き手紙をして失踪
    残された年賀状を元に母と離婚した父の実家の蓼科へ祖母を訊ねて行く。

    認知症になった祖母を支えながら、蓼科で仕事を始め、米作りを始め、周りの人に支えられながら人生の「人生」が変わっていく

    おにぎり食べたい!!

  • 一つの事がきっかけで、人生は変わって行くものなのですね。一歩足を踏み出すと、自分の周りがどんどん変わって行く。
    読み進んでいくうちに、勇気、やる気が湧いてくる作品でした。

  • 主人公の24歳の麻生人生は、中学・高校時代に
    いじめにあい引きこもりとなる。

    父親と母親は幼いときに離婚しており
    母親と2人暮らしをしていたが、
    母親が、ある日突然家からいなくなってしまった。

    母親の置き手紙と数枚の葉書のなかから、
    人生はしばらく会っていなかった父方の
    祖母がいる蓼科へ向かう。

    -----

    どこにもいく当てがなくなった主人公が久しぶりに
    故郷の親族を訪ねる話はよくありがちだが、
    やはり原田マハさんの描く物語は
    深みがあり本当に素晴らしい。

    序盤の人生がいじめにあい、母が作る大好きだった
    梅干しが食べられなくなってしまった
    シーンは、自分の子供がもしそうなってしまったら
    どうしようと、読んでいてとても辛かった。

    蓼科でマーサおばあちゃんの米作りを
    手伝うことになるが、
    一年間の米作りを通じて、生きることの
    大切さを読み深めることができた。
    タイトルの『生きるぼくら』も
    なるほどうなずけた。

    マーサおばあちゃん、つぼみ、志乃さん、
    純平など、蓼科で出会う人々も
    とても温かみがある人物像として
    描かれている。

    いつかゆっくり時間をもてたら、
    米作りをやってみたいなぁ…!


  • 孤独を感じでいた孫2人とおばあちゃんが、
    蓼科の田舎でふれあう物語。

    お米が出来上がるまでの苦労や、感動もある一方で、
    大切なものを教えてくれたおばあちゃんの、
    急な認知症と介護問題が重なり現実感もあるお話でした。

    まだまだ先のことだけど、田舎暮らしで近所の人と助け合いながら生きるのも良いなぁとしみじみおもいました。

    そしておばあちゃんのつくったおにぎりが無性にたべたくなりました。


    ☆心に残った言葉
    「お米の一生はなんだか人の一生と似てるのよ」
    「おにぎりがどうしていいかたちをしてるかってね、
    人の手で結ばれた形をしているからなのよ」
    「これを食べる人が健康でいっぱいご飯を食べられますように、っていうつくった人の祈りの形なんだよな」
    「なあ、おれらってラッキーじゃね?なんもわかんないおれらをさ、こっち行ってみれば?って教えてくれるカッコいい大人に囲まれてさ」
    「高齢者にふれあうようになってしぜんとありがとうという言葉がでてくるようになった。この人たちが今の社会を、日本をつくってくれたのだから」

  • 原田マハさんの本はこれで三冊目。
    「異邦人」で引き込まれて、「本日はお日柄もよく」そして「生きるぼくら」と読み進めてきた。
    異邦人の文句なしの星5っぷりとは対照的に、生きるぼくらは文句なしに星3つ。決してつまらなくはないんだけど、無難で模範解答みたいな小説だった。例えるならNHKの朝ドラみたいな。
    それでも、都会を離れた田園風景の描写とか、地域の人々の助け合いの暖かさみたいなものは良かった。

  • 心温まる至高の小説

    親の離婚、いじめ、引きこもり、唯一の味方の母親に見捨てられた若者が、米づくりを通して『生きる』を噛み締めていく物語。

    単なる人間の再生物語ではなく、米づくり、介護、生活の試練を通して、周囲の暖かさ、生きるとは何か、幸せとは何かを教えてくれる小説。

    個人的には、不器用かつ生真面目な性格のつぼみと人生の2人空気感ががたまらなく面白かった。
    続きが読みたくなる一冊。

    うまく行かなくてモヤモヤしてる時とかに読み返したいと思います。

  • とにかくお米とおにぎりがすごーく食べたくなった。
    なので、母に言っておにぎりを作ってもらった。もちろん中身は梅干し。

    田舎とおばあちゃんと自然と言う大好きなシチュエーションの話。
    私も蓼科に行ってみたくなった!

  • 2015/10/19読了。

    認知症になった祖母を頼ってやってきた二人の孫。
    引きこもりをしていた青年と対人恐怖症だった娘が、おばあちゃんのために米作りに挑む。
    それも究極の米、無耕作、無農薬に臨む。
    傷ついた若者たちを温かく応援する、感動的なストーリー。

  • 「家族のかたちにはほど遠い三人。それぞれに何かが欠けていた。けれど、欠けている何かを探そうとするかのように、集まった三人だった。」

    「ふたつの手と手を合わせて、ほっこりと握る。それがおにぎりのかたち。これを食べる人が健康でいっぱいご飯を食べられますようにっていう、作った人の祈りの形なんだよな。」

    読むと、田舎に帰りたくなる本。
    読むと、おにぎりが食べたくなる本。

    ひねくれているので、いじめで引きこもりとなった人は、こんなにも簡単に前を向けない、人生くんはあまりにも人に恵まれすぎている、とか批判したくなる。

    けど、それでも心が温かくなる。読んで損はないと思います。

  • 『本日は、お日柄もよく』がとても面白かったので原田マハさん作品、二冊目。
    本日は〜がドラマティックな展開だったのに対し、こちらは淡々と話が進んで行く印象だった。しかし、自然や田んぼの描写から静かにみなぎる生命力を感じることができた。
    人生が人とのつながりから、大切なことに気づいていく過程が丁寧に描かれて、読後「よかったな」とほっと息をつけるような作品だった。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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