大人の発達障害ってそういうことだったのか

  • 医学書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260018104

感想・レビュー・書評

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  • ・基本となるのは「三つ組の障害」
    1.社会性:人よりもものに関心がある。母親と遊ぶよりもものを並べたりするほうが好き
    2.コミュニケーション:言葉の遅れ。行く・来る、ここ・そこなど視点によって違う言葉に混乱を生じやすい
    イマジネーション:ふり遊び、ごっこ遊びが遅れる

    ・BPDも安定した対人関係がもてない、リストカットなど、ASDと鑑別を要するケースが多々ある。
    相手を金縛りにしてしまう、他者への操作性を示すのがBPD。「今から死にます。場所は教えません」など

    ・ADOSという心理検査がよいそうだが、実施はなかなか大変そうな内容。

    ・発達障害は生まれつきの特性だから治る・治らないというものではない。社会生活で困らないような支援をすることが大切。症状を減らすことだけが治療ではない

    ・ADHDやLDは成長するにしたがって問題が解消されていくことが多いが、ASDはむしろ深刻になっていくことが多い。

    ・混乱のため家族に暴力が振るわれるようなときは逃げる。視覚駆動なので、その場にいること自体が刺激になってしまう。ホテルなどに2-3日避難しておくだけでよくなる。無理に馴らそうとしたりするとかえって深刻化する。

  • 三葛館医学 493.7||MI

    大人の発達障害をテーマとした、2人の精神科医の対談による医学書。
    大人の精神科医(宮岡先生)の疑問に子どもの精神科医(内山先生)が答える形でとてもわかりやすく、専門用語には解説も添えられています。
    精神医学の視点で障害を理解することはもちろん、日常生活において自分の周りの人のことを考える上でも参考になる一冊です。

    目次------------------------------------------------
    まえがき
    第1章 なぜ大人の発達障害なのか
    第2章 知っておきたい発達障害の基礎知識
    第3章 診断の話
    第4章 治療とケア-どう捉え、どうするべきか
    第5章 ADHDと学習障害
    おわりに
    -----------------------------------------------------

    和医大図書館ではココ→ http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=66191

  • 大人の発達障害が増えているが、その診断や治療について書かれた本が少なく、大人の精神科医と子どもの精神科医が対談で書かれた本。大人の精神科医(宮岡先生)がバランスの良い方なので、疑問点を率直に子どもの精神科医(内山先生)に聞く本なので、臨床に即座に役立つ本と思う。大人の発達障害は親も高齢化していたりで、発達歴をとりにくいケースも多いが、現在症をどのように把握するかで診断できることも理解できた。当たり前のことだが、当たり前の精神科臨床、現在症をきちんと取れば、鑑別は難しくないと、それはどの病気の診断でも当たり前のことだが、新しい概念や病気?が出てくると混乱してしまう部分がある。混乱したり、困ったときほど、基本に戻れということである。

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著者プロフィール

北里大学医学部精神科学教授

「2020年 『こころの科学215』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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