シャルビューク夫人の肖像

  • ランダムハウス講談社
3.40
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本棚登録 : 171
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784270001349

作品紹介・あらすじ

好況に沸く19世紀末のニューヨーク。肖像画家のピアンボに突然声をかけてきたのは、両目が白濁した盲目の男。シャルビューク夫人の使いと称し、法外な報酬を口にして、肖像画の制作を依頼してきた。ただし、屏風の向こうで夫人が語る過去の話とその声だけで、姿かたちを推測しなければならない、という奇妙な条件付きで。謎の霊薬、人糞占い師、血の涙を流しては死に至る奇病の流行-夫人の荒唐無稽な語りを聞くようになってからというもの、ピアンボの周辺でも不可思議な事が次々と起こるようになり…。世界幻想文学大賞受賞作家による最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 「シャルビューク夫人の肖像」読み始め。「ドリアン・グレイの肖像」と「鑑定士と顔のない依頼人」を思い出すタイトルと宣伝文句。
    >>「姿を見ずに肖像画を描いてほしい」その奇妙な依頼は 画家を虜にする……
    ずっと気になっていた本。楽しみですな。

    「シャルビューク夫人の肖像」読了。荒唐無稽というか、いや、荒唐無稽ではないんだけど、なんというか。うーん。面白いんだけど、盛り上がりに欠ける。結末も予想が付く。奇病は必要なかったのでは?と感じた。シェンツ、好きだったのに。

    本の表紙の絵はこれ。
    【マダムXの肖像】肩紐落として人生終了?!画家とモデルが共謀したヤバい計画とは?? - YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=YWzHHVzwkX4

  • シャルビューク夫人が語る過去も、画家ピアンボが生きる現在に起こる事件も、奇妙に歪み、謎めいていて、ジェフリー・フォードの世界に取り囲まれる。ああ、やはりそうだったのか、という物語の転びだけれど、混沌から抜け出すような結末。

  • 1/14 読了。
    19世紀アメリカという舞台を存分に生かし、魔術と似非科学、進化論および怪物学がごった煮になった、それこそ阿片の幻覚のように(知らないけど!)めくるめくサイコミステリー。シャルビューク夫人は『白い果実』のアーラと対になったキャラクターだと言えるだろう。フォードの作品はどれも根底にフェミニズム的なテーマを潜ませている。

  • びっくりした。
    そっか、そうだったのか。

  • ジェフリー・フォードは本当に見事なストーリーテラーだと思う。
    次から次へと展開する物語が、飽きさせない。

    ☆が3つなのは、この作家の作品を読んだのが5作目で、この人の手法に慣れてきたから。(発表作品順ではない)
    これを最初に読んでいたら、4つつけていたはず。

  • 主人公と一緒に謎のラビリンスに迷い込むということは、本を読んでいるとよくあることだが、できることならその迷宮を長く長く彷徨い続けていたいと感じることができる作品は多くない。

    肖像画を描くことを生業とし、舞台女優を恋人に持つピアンボに、目の白濁した男が商売の話をもちかける。
    高額な報酬を提示され、ピアンボは、盲目の男の主人の住む屋敷を訪れる。

    屋敷の主人は、シャルビューク夫人と言い、優雅な抑揚の声を持つ女性だが、ピアンボの前には姿を現さず、屏風の後ろに座っている。
    シャルビューク夫人の、依頼の内容は、モデルを見ずに肖像を描くという神業のようなことをやり、その絵がそっくりに描けていれば提示した額の倍額を支払うというのだ。
    過去の話や、容姿以外の質問されたことにはすべて答え、声、ドレスの衣擦れの音、気配、そして彼女の話。それらから受けるイマジネーションで、ピアンボは絵を描いてゆく。

    シャルビューク夫人の幼いころの話は、アラビアン・ナイト風の不思議な話だが、
    屏風越しにその話を聞くピアンポと同じように、読者もその話にぐいぐい引き込まれてしまう。

    屏風越しに容姿のしらない女の肖像を描く。それだけで十分なのに、著者のジェフリー・フォードは、さまざまな小道具や人間を用意する。

    雪の結晶、父親、母親、ペンダント、友達、恋人、師匠、憧憬の画家、猿の手、血の涙、糞便占い、ニューヨーク、ロンドン、カルタゴの涙、カメオ、
    数多くのキーワードをふんだんに登場させるが、それらが、巧妙に絡み合い、幻想的な雰囲気も漂わせながら、サスペンスのプロットもしっかりしている。
    ディテールの描写も丹念で、ラストは少々走り気味だが、非常に面白い作品である。

  • 大人のメルヘン。

  • 読了:2009/10/31 図書館

  • 19世紀末のニューヨークを舞台に、肖像画家として成功した男の巻き込まれた奇妙な事件と画家としての転機を描きます。シャルビューク夫人からの肖像の依頼は、屏風の陰にいて決して姿を見せない夫人の話だけを聞いて彼女の絵を描き、出来上がって似ていれば約束以上の高額を払うというもの。夫人の不思議な半生の語りには画家ならずとも魅せられます。時代色も出ていて面白かったです。

  • 顔を見せないシャルビューク夫人の肖像画を描くハメになった画家ビアンポ。
    なんかおどろおどろしい雰囲気が◎。
    雪の結晶の標本をとるところがきれい。

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