リアルケースで身につける 不正を見抜く監査力

著者 :
  • 日経BP 日本経済新聞出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296117581

作品紹介・あらすじ

      監査に正解はない!
 ひたすら推理し、確かめることで見える現実。
    監査人と会社とのやりとりから
   座学では学べない本質を理解できる、
  著者にしか書けないケーススタディ集。

≪いまや監査人のレベルアップは必須≫
 KAMが導入され、内部統制報告・監査制度の見直しも進む。監査事務により高度なレベルが求められるなか、個々の監査人にもしっかりとした職業的懐疑心とスキルが必要となる。そのためには座学も大事だが、豊富な、質の高い実務経験は不可欠だ。しかしそうした経験は簡単に得られるものではなく、そもそも粉飾決算に遭遇するなどきわめて稀であり、かつ、誰も望んではいない。

≪リアリティのあるケーススタディで磨く実践力≫
 そこで有効になるのがケーススタディである。現実を踏まえ、よく吟味されたものであれば、身をもって経験するに等しい状況が生まれる。
 本書は、経験豊富で多数の関連著作のある著者が、実践力を磨けるよう、誰もが遭遇しうる象徴的ケースを架空ストーリーに仕立て解説するもの。本書の特徴は大きく4つ。
 ①監査人が悩み、誤りを犯しそうな臨場感に溢れる。
 ②様々な角度から考えられる深みのある課題を抽出。
 ③結論が見えているものではなく、分析、推理しながら考えることでより実践的な理解が深まる。
 ④最適解を求めるのではなく、局面ごとにより確実な道を探ることで、監査人としての判断力が磨ける。
 著者の英知をすべて盛り込んだ、関係者に必携の一冊である。

感想・レビュー・書評

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  • 著者自らが公認会計士として署名していた上場会社が粉飾決算を行い、騙された事に気付きショックを受けた体験がきっかけになり、本著を執筆するに至ったのだという。事例紹介から、不正を考えさせる構成で有益な一方、もう少し要点をコンパクトに纏められるような気もする。本が重い。
    しかし、それだけ身につくものもある。以下はメモ書き。

    流動資産が増えていれば、次々と資金を投じなければならない新規投資案件が含まれていないか、あるいはそうした投資案件の資金が滞留していないか、凍結されていないかなどを想定する必要がある。

    売掛金は月齢6ヶ月を超えたら貸倒懸念債権に区分し、さらに1年全く入金されなかったら破綻懸念債権等に区分する。

    上場会社において監査人は会計監査に合わせて内部統制監査も実施する必要がある。財務諸表に重大な虚偽表示を生じさせる可能性のある問題点があれば、開示すべき重要な不備として監査報告書に記載しなければならない。開示すべき重要な不備とは、①前期以前の財務諸表につき重要な修正をして公表した場合②企業の内部統制により識別できなかった虚偽表示を監査人が発見した場合③上級経営者層による不正が特定された場合。

    売掛金に対する残高確認手続きは実在性、正確性と言う監査要点(アサーション)を立証する監査証拠を入手するためのもの。

    残高確認書の発送を見合わせたり、確認先に監査人が対応せず会社に任せたりしたケースにおいて、虚偽を許したと言うことで監査人2名が金融庁から6カ月間の業務停止処分を受けた事例がある。

  • 監査に詳しくないと何の本だか全然分からないな

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著者プロフィール

公認会計士。
1952年東京生まれ。1975年早稲田大学理工学部工業経営学科卒業。1979年公認会計士登録。中央青山監査法人、あずさ監査法人代表社員、青山学院大学会計プロフェッション研究科特任教授、証券取引等監視委員会委員を歴任。

「2023年 『リアルケースで身につける 不正を見抜く監査力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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