世界で一番やさしい考え方の教科書

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296202010

作品紹介・あらすじ

鈴川葵の成長の軌跡、第3弾
「明日までに考えておけ」を実行できる

物語の主人公は、会議術や資料作りを学んで中堅社員になった女子社員です。コンサルタントの父から教わった「思考の循環サイクル」を実践し、普段意識することがなかった「考える」という行為を順序立ててこなしていきます。すると、会議や資料の質が上がるのを実感できるのです。

本書では主人公の成長を見ながら、「考え方」の原理・原則をつかんでいただきます。

「明日までに考えおいて」「もっとよく考えてほしい」──。ビジネスの現場でよく聞く、ありふれた言葉です。誰も疑問に思うことなく受け止めているが、ここで立ち止まってほしい。「よく考える」とは何をどうすることなのか?

ビジネスパーソンは考えるのが仕事であるはずなのに、肝心の「考え方」は誰も教えてくれません。

鈴川葵が活躍する「世界で一番やさしい○○の教科書」シリーズは、本書で第3弾になります。過去2冊では、多くの会社でグダグダになっている会議と資料作りをテーマにしてきました。会議や資料作りといった社会人の基本動作が身に付くと、話題は「中身」に移ります。中身の質を上げるには「考える力」が必要。考える力がなければ、会議で「本質を突く発言」などできません。資料で「何を伝えればいいか」も判断できません。

考え方というとロジカルシンキングやマインドマップなどのツールを思い浮かべる人がいますが、私たちは普段、ツールを使って「考える」という動作をしているわけではないのです。自然に物事を考えている。ただし、そのやり方は言語化されておらず、再現性が低い。誰かに教えることができないのです。

本書はここに目を向けました。とはいえ、自分は「考える力に問題がある」と自覚している人は少ない。そこでビジネス小説が役立ちます。読者の考え方と主人公の考え方を比較することができます。

感想・レビュー・書評

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  • ●なぜ気になったか
    「世界で一番やさしい」という言葉と表紙の女の子イラストから軽そうな感じを受け、最初はスルーした。だが、星5つが88%の高いレビューをみて読みたくなった

    ●読了感想
    薄い内容かなと思った印象は間違いだった。概念的なことが言葉と図解でとてもわかり易く説明されているので、仕事に限らず、結果に結びつく考え方を身に着けたい人はぜひ読むべき

    #世界で一番やさしい考え方の教科書
    #榊巻亮
    23/4/13出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き

    https://amzn.to/3OY3NxZ

  • 「考え方」の原理・原則が、見事に言語化されています。
    ビジネスでは考えるのが仕事のはずが、肝心の「考え方」は誰も教えてくれません。
    考え方というと、ロジカルシンキングやマインドマップなどのツールを思い浮かべることが多いですが、私たちは普段、ツールを使って「考える」という動作をしているわけではありません。
    「考える」ことの本質に迫り、それを言語化し、他人に教える、伝えることが出来るようにないます。
    非常に実用的な本です。

  • 書評
    とても勉強になった。いままでは思考が止まって、足踏みしていることが多く、自分の中で本当に考えられているのか?と思ってしまうことがあった。
    しかし、この書籍からは正しい考え方を教えてもらった。
    思考法として、拡散思考と収束思考という言葉だけは知っていたが、具体的なプロセスとして得られてよかった。本当におすすめ!
    本を読む前の問い
    ■何を学びたいのか?
    仕事や日常で使う考え方を学びたい
    ■それを学んで自分はどうなりたいのか?
    頭のなかの情報を整理し、考えていることを相手に伝えたり、図解してまとめられる様になり、次の行動に繋げたい
    ■いつまでにそれは達成するのか(期限)
    1週間。やり方を学んだあとはこれから常に意識して日々実践する
    ■どのような成果、結果が欲しいのか?(ゴール・目標)
    公私ともにある目的や目標を達成したい
    本を読んだ後の問い
    ■この本の問題提起は何か?
    考え方には、考え方の循環サイクルがある
    ■問題提起に対する解決策は何か?
    認知→思考→行動の循環サイクルをまわすことで、思考力が発揮される
    ■著者が伝えたいことを3つに絞ると何か?
    考える力が仕事の質を上げる
    考えることに正解はない。考えることは、目指すべき姿へ仮説を段階的に確信に近づけること
    自分なりの答えを出すことが大事
    ■他の本との共通点、相違点は何か?
    考える際には何を考えるのかを明確にする
    頭の中にでてきた問いをすべて書き出す
    これらのことは思考系の本では共通の内容だった
    ■本を振り返って、面白かった箇所はどこか(へぇーって思ったこと)
    ストーリー形式によって、考える前に目の前の問題や状況を正しく「認知」できていないことがよく分かった。認識のずれは簡単に生じ、それによって大きな問題を生むこともある
    考える際には全部吐き出すこと→収束思考
    立ち止まったら行動して思考のサイクルを回す考え方。いままではそこでうーんと悩んでしまっていた
    ■ビジネスや私生活においての示唆(思いつきやひらめき)
    この思考法は、仕事以外でも、どんな状況でも使える。生き方を変えるほどだと思った
    今後の行動
    ■具体的なアクション
    何かを考える際には、テーマ→問いを発散し、自分なりの答えを出すことを習慣にする
    現場業務に課題になっていることをテーマに今回の思考法を当てはめて考える
    ■3ヶ月後に自分はどうなっているか、どうなっていたいか?
    思考法が定着している状態!

  • 考え方の循環サイクルを使って、頭の中を整理させる。
    自分自身、考えが及んでいなくて、もっともっと思考することに貪欲になりたいと感じました。
    まずは、「具体的には?」と「なぜ?」の問いかけを意識して生活していこうと思います。

  • 『感想』
    〇考える。仕事をするとき、友人と何気ない会話をするとき、読書をするとき、その場を取り繕うこともしくは反応することだけじゃなく、考えながら行動しているだろうか。

    〇もちろん一日中考えていたら、脳も心も休まらないから、ぼーっとすることも必要だ。でもそればかりだと自分の成長する場を取り逃し、他の人との力の差が広がっていくかもしれない。

    〇仕事の範囲で、それも人を導く立場になると分かってくることがある。それはその人が考えながら行動しているかどうか。言われたことを疑問も持たずそのとおりにやることだけを考えている人は結構いる。逆に考えている人はよく分かるから、そりゃその人は昇進していく。

    〇上司は仕事上の立場としては上かもしれないが、人間的に上なわけではない。全ての答えを知っているわけではないし、いつも正しい判断をできるわけでもない。だから偉ぶらず仲間としてともに仕事をこなそうとする懐の深さも必要。まあ生意気なくせにできない部下とかもいるけどさ。

    〇物事を解決していく時、反応の速さが必要な場合を除いて認知、思考、行動のサイクルを何周も回していくことが大切。これができるかどうか、またそのサイクルが素早くできるかどうかが分かれ目だ。

    〇考え方のサイクルが遅いのは考えていない時間が長いからって、厳しい。でもそれが実体なんだろうな。

    〇相手がいる場合、相手の真意をすぐにつかむことは難しい。それは考えを簡単に言語化できないから。しゃべっている方はすべて伝えているつもりでも、相手には伝わっていないことが多い。だから相手からの質問が大切で、質問ができる状態をつくる考え方が必要なんだ。

    〇私は相談を上司にも部下にもしている。それは決して責任を委譲するためではなく、ともに良い答えを出すための行為だと思っている。だって仕事は一人でするんじゃない、チーム全体でするんだから。それを言語化してくれてうれしい。

    〇この考え方は仕事だけじゃなく家庭の問題や人間関係構築にも使える。

    『フレーズ』
    ・ビジネスでは『一発で正解を出す』のは難しい。そうではなく、『認知、思考、行動』のサイクルをグルグル回すことで、段階的に思考の質を上げていくんだ。(p.31)

    ・言葉、状況、意図。この三つを意識して話を聞くと、認知が根底から変わる。黙って聞くのではなく、積極的に質問をしながら聞くことになるんだ。耳を傾けるんじゃなくて、必要な情報を自分から取りにいく感じだな。(略)認知というと、『黙って聞いて理解する力』と考えがちなんだが、むしろ質問力が肝になる。(p.44)

    ・結局『素直にそのまま聞く』ことを軽視していたんだと思う。(p.48)

    ・具体的な状況を気にしながら聞いていると、自然に質問が出てくるはずなんだ。言葉だけで伝えられる情報は限定的なんだから。逆に、質問が全く思い付かないのは、ちゃんと聞けていないからだと思ったほうがいい。(p.49)

    ・自分の意見がしっかりあると、かえって相手の話を素直に聞けなくなってしまうんだよな。自分の考えと違うことを言われると、思わず『それは違うでしょ』と言いたくなってしまう。(p.54)

    ・思考の4つのStep(p.91)
     1:問いを書き出す
     2:考えるべきことに順番を付ける
     3:問いに対する答えを出す
     4:「具体的には?」「なぜ?」で思考を深める

    ・思考の解像度を上げるときに『具体的には?』を使うんだよ。(略)解像度が低い言葉を使っていると、考えた気になってしまい、思考が深まらないんだ。(p.126)

    ・『なぜ?』は論理を通すときに使うワードだ。どうしてその答えに至ったのか、考えた背景をはっきりさせるための問いかけだ。(略)思考に論理が通っていないと、説得力がなくなってしまうんだ。『なんとなく、そう思ったんで』なんて言えないだろ。だから『なぜ?』という投げかけが大事になるんだよ。(p.130)

    ・シーン別の定番の問い(p.139)
    【議論のリード】
    ①「ゴール」はなんだ?
    ②「論点」はなんだ?
    ③「ゴールまでの道筋」は?
    ④「必要な情報」は?
    【作業設計】
    ①「ゴール」はなんだ?
    ②「タスク」はなんだ?
    ③「INPUT,OUTPUT」は?
    ④「ゴールまでの道筋」は?
    【調査・調べもの】
    ①「ゴール」はなんだ?
    ②「タスク」はなんだ?
    ③「OUTPUT」はなんだ?
    【報告・相談】
    ①「ゴール」はなんだ?
    ②「相手の状態」は?
    ③「ゴールまでの道筋」は?

    ・質の高い問いを最初にリストアップできるようになると、それだけで思考力が一段上がる気がします。(p.141)

    ・なぜその答えにたどり着いたのかがはっきりしていれば、仮にイマイチな答えだとしても、その原因を特定して補正できる。他者と思考の道筋を共有し、妥当性を探れる。これが論理的であることのメリットだと思う。(P.156)

    ・考えるのに時間がかかるんじゃないんだ。考えていない時間が長いから、結果的に思考に時間がかかるんだよ。(p.182)

    ・本当は相談って、『一緒に考えを深める』行為だと思うの。そうじゃないと、チームで仕事をしている意味がないもの。(p.207)

    ・ズバリ言うが、上司だって答えを持っていないからさ。(p.209)

    ・そもそも人を育てるなんて、不遜でおこがましい言い方だよな。いったい何様のつもりなのか。人は自分で成長するんだよ!上司にできるのは成長のキッカケをつくることだけなんだ!(p.218)

    ・洞察しなくても、目の前の仕事はこなせる。でも洞察できれば、新たな気付きや教訓が自分の中にたまり、仕事に生かせるようになっていくんだ。洞察にひと手間かけるだけで思考力を何倍にも高められる。(p.242)

  • 今まで教わったことがなかった考え方の本。真新しい内容で良かった。思考を整理できて、仕事でもプライベートでも使える。

  • ・3部作の最後というのがにくい
    ・認知思考行動+洞察
    ・思考本ら数百冊は読んできたが、今の所世界で一番分かりやすい
    ・全てのビジネスパーソンの教科書にすべきシリーズ

  • 考え方が、自分で仕事を進める方法になる
    良い本。

  • スマホで調べれば答えが出てくる時代なので検索魔ですが、答えがない問題にはめっぽう弱い自分です...。
    関連した本を読んで解決した気になってますが、考えるとか疑問を持つとかは苦手で。

    読み終わって悩んでいることを考えてみました。
    結構言葉が浮かんだので実践あるのみだと思いました。

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著者プロフィール

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)
1980年生まれ。ダイワハウスに入社。08年ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに転職。以来、計画策定を行うプラニングフェーズを中心に、建築、金融、通信、運送など幅広い業種でプロジェクトに参画。

「2020年 『ファシリテーション型業務改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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