- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309021485
感想・レビュー・書評
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女性器、新田人生、白いもの、ふってくるように書かれた文字…それぞれのモチーフのもつ意味がよくわからなかった。
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読めば読むほどによくわからなくなってしまう・・・
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絶え間なく降ってくる「今」の中で、いろんな人に出会い、経験をし、
時にはそれを忘れたり手放したりして人は生きている。
白くてふわふわしたものは祝福されている
「生命」みたいなものなのかな?
女性だけでは生命を生み出すことは出来ないけど、
男性より女性の方がやはり「産む」感は強いんだと思う。
主人公・花しすの葛藤はとても共感できる。
誰にも害を与えたくない、でも覚えていてほしい。
クライマックスに向けて、花しすが自分の答えを見つけ出す部分は
すごく引きつけられた。
西加奈子さんの本は感想を記すのが難しいな...。 -
前作の「ふくわらい」から女性の性器に関する記述が多くて少々げんなり。
「ふくわらい」の時も○○型なんて書いてあってとまどったけど、今回もモザイクを付ける作業をしている女の子が主人公なので、否が応でも股を広げた痛々しい女性たちを想像せねばならず、それが私としてはつらい作業でした。そのつらさや重圧が花しすの思っていることを口に出せない、おなかに抱えた重たいものと重なって、うまく感情移入できたような気がします。
「生きている」ってどういうことなのか、記憶ってなんなのか、いろんなこと考えさせられます。過去に味わった少々苦い思い出も味わいつつ、それでも前よりもずっと上を向いて進んでいこうと思える作品でした。
人間の本質を書く上で性器を出さなきゃいけなかったのかな、と後から考えるけど別な方法が良かったなとも思います。発想がぶっ飛んでるところが西さん節なんだけど、今後ついていけなくなりそうでこわい。 -
最後にぐっと引き込まれた。
人との関わりを忘れないためにではなく、忘れられたくないって気持ちが心のどこかにあって、日常を録音していた主人公。
相手に嫌われたくないと思うから、干渉しない、思ったことも言えない。
他人の目を気にしてしまう、いい人でいなくちゃ、って考えてしまう人は読んで共感する場面けっこうあると思う。
しろいふわふわしたもの、みんな誰かの愛に見守られて、生かされているんだって思った。 -
人の体にまとわりついている「白いもの」、そして花しすの人生にところどころ関わってくる、しかし必ず忘れ去られてしまうさまざまな新田人生。とにかく不思議な作品だった。人に嫌われたくないので、人に優しく、人に愛される癒し系の道化役でいる花しす。人に忘れられたくないから、テープレコーダーに会話を録音し、帰宅後再生する日々。そして幼少時期の祖母の介護の記憶、AVの女性器にモザイクがけをする仕事をいうことを通し、生きること、女ということ、人との係わり合い方を考えていく。花しすの母の義母への介護の様子、その介護を手伝った花しすへの母の態度、花しすが迎えた初潮に対する対応、特に印象に残っている。
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西加奈子さんの作品らしい。主人公の花しすや周りの人たちが淡々と描かれいてて、その温度感がよかった。
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◯