ヴィオレッタの尖骨

著者 :
  • 河出書房新社
3.12
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本棚登録 : 327
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026039

感想・レビュー・書評

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  • 表紙に惹かれて読みました。短編集。
    可愛い女の子ばかりが出てくるのに全体的に暗いお話達。
    「紫陽花坂」の感じが『ガーデンロスト』とか『暗黒女子』みたいで惹かれたりしましたが、全体的にうわぁっと引くところばかりで、読んでて楽しくはなかったかな…と。

  • 作者の描く、危うい関係をはらはらしつつ読み進めるのが好きです。
    初めの作品の方が美しかったけど、どちらかというとぐさぐさと生臭い「紫陽花坂」が気に入り。不良高校だというのに「マイナークラブハウス~」のようなとがった且つ美しい感じ。まさに紫陽花の幻のような、蜃気楼のような虚構だろうが、美しい一瞬が見られて満足です。
    初出を見て、初期の作品だったのかー、と。

  • ぐさぐさ、刺さる

  • 閉ざされた社会で過ごす多感な年頃の女の子のお話4編。芸術科、厳しい家庭、売春宿、女子校と、いろいろな舞台で、特徴ある女の子が関係を絡めて行きます。
    理解できるところ、そうでないところ、いろいろですが、割とテンポよく読めます。
    なお、女性同士の性的描写もあります。

  • 正直よくわからないし、不気味

  • 2017/11/06

    四編からなる恋愛小説集(そんなキラキラしてない)!
    黒い方の宮木さん!
    ちょっとグエッとなる(グロくないし然程生々しくない)痛い描写や鬱々しそうな雰囲気や非常にエロry官能的な感じなどなど、明るくないところが良い小説。
    喉の奥なら〜や春狂い、官能と少女が好きな私としては得でしかなかったけど、正直んーよく分からんと思う所がちょいちょいあったのが星4の理由。
    読解力や想像力の問題かなー。判りそうで判らない感じ。そこもまた良い味の一つなんかしら。

    タイトル作のヴィオレッタの尖骨にはあまり気持ちが入らなかったけど、星の王様はワクワクした。安野モヨコが漫画にしそうな雰囲気←思っただけ。
    針とトルソーも初見読みの時は切ない…(´・ω・`)と思いつつフルフルした。
    そして紫陽花坂はぐいぐい読んでしまった。紫陽花坂と言うから紫色が頭を過るかと思ったら何故だか、ずっと苔の色みたいな深緑が付いて回った。湿気とか黴っぽさ、煙草の煙や夏の情事。むせ返るものばかりじゃね。
    紫陽花坂はもう一度丁寧に読み返したい。
    改編しまくってるとは言え、これを10代の頃に書いてたなんて…宮木さんやっぱり好き。

    個人的にフォー‼︎とテンションが上がったのは紫陽花坂に出てくる学校の美術部がハッパとハシシを所持していた所です。文学部に煙草もそうだけど、バックグラウンドにあるカルチャーが古典的でイイね!
    そういう細かい所が面白いのが宮木さんなんじゃろうな。

  • 宮木あや子が好きだから、なんとか頑張って最後まで読みました。が!何が言いたいのか、なんにも私の心には響かなかったので今後読んだ事実以外は思い出せないであろう本。斎藤綾子より緩慢で、中山可穂より粗雑で嶽本野ばらより退廃的な感じ。

  • グロテスクと耽美が紙一重な官能小説の短編集だ。

    宮木あや子が描く少女の世界というのはどこか不気味で、この人ってゲスいオヤジの部分と夢見がちな乙女の部分が見事に混在しているなーと読んでいて思った。

    戸籍もなく春をひさぐ女、母親に売られる様にして高校卒業後は中年の男に嫁ぐことが定められた少女、息苦しいとあえぐように学校生活を送る女子高生、と描かれる女性はいずれもどこか歪み、欠落感を抱えていて、美しく空々しい言葉を重ねれば重ねるほど病んでいるようで怖い。
    彼女たちが辿る命運は暗く、暴力的であったりグロテスクであったりして、読後感のざらざらした一冊だった。

  • 中短編4作。
    高校の生物の時間、慎重に紙を解いて薄い剃刀の刃を指に挟んだときのことを思い出す。
    暗い側は脆く危ういものだ。

  • 3短編
    表題作 初出 2013「別冊文藝春秋電子増刊」
    「針とトルソー」2011幻冬舎文庫『眠らないため息』
    「星の王様」書き下ろし
    中編
    「紫陽花坂」2007新潮社ケータイ文庫

    表題作 高校の音楽科の2人の美少女は美術科の美少年の手と足の尖骨に惹かれ、級友の嫉妬で刺された瀕死の美少年から骨をえぐり取ろうとする。

    「針とトルソー」卒業したら親の決めた相手と結婚させられる少女は、デザイナーになりたい老舗呉服店の娘と高校の卒業旅行で琵琶湖に行き、自分の代わりに靴を沈める。

    「星の王様」娼家で育てられ客を取らされている2人の少女が、女将の死で自分の道を歩いていく。

    「紫陽花坂」女子高演劇部に集う不良っぽい少女たちが、惹かれ合う。

    どれも耽美的なエロチシズムが盛られている。
    「紫陽花坂」が好きだが、プロローグとエピローグはわかりにくく、あまり効果的だとは思えない。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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