- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309252780
作品紹介・あらすじ
進化が生んだ究極の機能美。鳥は食べ物を味わうのか?パートナーの死を悲しむのか?匂いを嗅ぎ分けるのか?紫外線も見える眼や、信じられないほど鋭敏な耳、この上なく敏感なくちばしや、渡りに役立つ磁気感覚など、その驚嘆すべき感覚と秘められた感情生活を科学で読み解く。
感想・レビュー・書評
-
【OPACへのリンク先】
https://lib.asahikawa-med.ac.jp/opac/opac_details/?lang=0&amode=11&bibid=2000103090
【LibraryNews掲載:No.42】
http://lib.asahikawa-med.ac.jp/guide/libnews/LibraryNews_v042.pdf詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
へー。
-
第1章 視覚
第2章 聴覚
第3章 触覚
第4章 味覚
第5章 嗅覚
第6章 磁気感覚
第7章 感情 -
鳥の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)、磁気感覚と感情を扱った本。タイトルほど刺激的な内容ではないが、人間の感覚と対比させながら固有の鳥が持つ感覚をちょっとだけ理解できるように思う。そもそも鳥などという大雑把なくくりで考えるのではなく、固有の種族として環境に合わせて進化させた独自の能力があると捉えれば、それほど不思議ではないのかもしれません。
-
鳥類の独特な感覚器官をテーマにした一冊です。
鳥類は人間とは色の見え方が違う、というのは比較的よく聞く話ですが、それ以外にもフクロウをはじめとする夜行性または洞窟にすむ鳥類は聴覚に著しい発達が見られます。
また嘴の触覚の敏感さを示す様々なエピソードにも驚かされます。
この本を読んで特に実感したのは、鳥類の感覚器官は、それ自体だけでなく体の他の部分の形状の変化も相まって、適応的な進化を示している、という例が少なくない、ということです。
鳥類の嗅覚や磁気感覚(方向感覚)に関する事例はそこまで多くないものの、いくつか特徴的なエピソードがあり、とても興味深いです。
鳥類学者の、心理を探求するための実に多様な試みも、この本を面白くしていると思います。
それぞれの章が非常にユニークに面白いですが、最後の章は「感情」がテーマ。最後のこのテーマを持ってきた意味はなんなのか。単に、感情が感覚を統括する、という機能的な面を意識しただけではないと思います。
未だ解明されていないことも多々ありながら、その内容への様々な想像と関心を呼ぶ一冊です。鳥好きはぜひ -
鳥の目は(全部かわからないが)、左右の役割が違うのだそうです。採餌には右目を、捕食者を見据えるには左目を。これだけで十分「驚異的」。胚の発生過程で目に入る光量の違いでそういうことになるとのことで、光のあて方で入れ替えもできちゃうという、これも「驚異的」。そういうのがたくさん出ているけど、感覚世界というからには、そこに留まらず、どうも性行為で感じちゃうらしい、感情もあるんじゃないか、とか。鳥の感覚についていろいろ発見が続いているけれど、まだわかっていないこともあって、チャンスだ、といわれると、昔むかし、生物関連の仕事に就きたい小学生だった自分を思い出すなあ。