- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309461052
感想・レビュー・書評
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Pauline Réageが1954年にジャン=ジャック・ポーヴェール書店より刊行した小説。1975年に映画化され、ポルノだと思っている人が多いと思いますが、原作小説についてだけいえば、官能小説ではありません。サディスティックな描写、マゾヒスティックな描写、ホモセクシャルな描写やレズビアンな描写などもありますが、主人公Oの心理描写が大半を占めており、そういう部分を期待して読むとがっかりします。この心理描写が、とても細かいのでもの凄く生々しく、感覚を刺激してきます。澁澤龍彦の訳はさすがだと思いました。
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澁澤本は何度も読み返すけれど訳本は大抵一読後は本棚の奥へ。この本もその扱いで再読は10ン年ぶり。下手すると20年ぶりに近いかも…。
若い頃読んだ印象とやはり違い、文字の奥の闇の深さにぞくりとしました。
意識の高い若い一女性が所有物の扱いを受け、それを受け入れて段々と従順になる様子、隷属する行為を重ねる毎に幸福になる姿は完全には理解出来ないけれど段々と心の枷が取れてある意味で世俗から離れて自由になる姿は神々しい、と思えるほど。 -
エロス,というよりも自我の問題として面白いかな。
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何たる一冊…………。
結局Oは、男たちのオブジェ、蝋人形のような存在であったのか。
フランケンシュタインのように、どんどん改造されていく恐怖、不安、嗚咽が生々しくそして痛々しい。
奴隷制度がありましたよという訴えもあるが、その中身を抉り出してあるんだけど、性交渉の描写は実は殆どない。
その幸福は、本物でありながら読み進めていくうちに感情論になっていき、ラストに近付くにつれ戦慄を齎される。
これも運命なのかと考えさせられた一冊。 -
図書館
TLで話題になったので^o^
女性同士の関係とか拡張とかにはによによしたよ^o^
趣味に合わないところもそれなりにあった
(嫌悪感とかではない)(べつにそのプレイは好みじゃないってだけね)
知らなきゃ読まなかった作品だと思うので。
興味深かったです。ちょっとイメージしずらい描写もあったので映像が見たいな… -
読んだー!読んだどー!!!
ああ、嬉しや・・・世界の名著、そのエロさで有名な「O嬢の物語」!
そういう世間の“おすすめ本”を読んだってだけで嬉しくなる。
でもこの本は、そういうの抜きに、わたしからもおすすめします!
エロさでゆうと「エマニュエル夫人」も有名だけど、どこかで「O嬢」も聞いたことがあって、本屋で見かけた時に文庫サイズでそこまで分厚くないのを見て「挑戦できるかな?」と買ったものの“ツンドク”こと約1年・・・
あれって駄目ね。前書きがやたらと難しすぎて、飛ばし読みすることが出来ないタイプの人は、なんかもうそこで躓いちゃうんだもん。
で、長らく読み進めなかったことを後悔したのはようやっと本編に入った時。
衝撃でした・・・。
「O嬢」は今から約60年前に出た本なんだけど、当時だから性的表現が問題になったのね。とか、そんなレベルじゃない凄さ。
現代社会でも十分問題です。
え!そこまで書くの?という、肉体の生々しさはもちろん、なんでそこまで書けるの?という、精神世界の生々しさ。
人を飼う、人に飼われるということ。恐怖、悦楽、嫉妬、静謐・・・
生々しいんだけど、翻訳だからなのか元々筆者がそうなのか、文体が客観的で疲れることはない。
ただひたすらその世界観に驚かされ、そして考えさせられる。
もちろん物語としても読むのに十分魅力的だし、自身を一度解体し、見つめなおしたい時に哲学的に読むこともできる。
内容や表紙、年代の古さでそっぽを向いてしまうにはあまりにももったいない作品。
続きで「ロワッシイへの帰還」という本が出ているらしいからぜひ読んでみたいんだけど、翻訳はあるのかしら・・・
確実に、次の本へと進む扉を開いてくれた本でした。感謝。 -
自分の趣向が不明になりかける。
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朝から学校で読むのに最適←
この本は私の中二病
うらやましくない。
けど、女ってこういうものかなと
おもう -
2011/10/21読了。電子書籍で読んだ(角川文庫版だったが訳は同じ澁澤龍彦)。
極限まで従属することで幸福を感じる心理を、静かな筆致で精緻に描く。人間性の一面の真理だろう。訳が素晴らしい。 -
中学校のとき、初めてこの澁澤達彦さんの訳で読んだ。人間の精神の底知れぬ奥深さというか、輝くような闇をみた思いだった。
その後、映画を観たり他の訳本も読んでみたが、この澁澤達彦さんの訳ほど気品にあふれ、妄想爆発させるものはない。
はっきり言って、この本を読むなら、この版。後はダメ。
表紙は扇情的だが、これは、違う気がする。
同感!
同感!