- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326351602
作品紹介・あらすじ
本書が扱うのは、「国家主権」をめぐる思想の歴史である。そこで描き出すのは、「立憲主義」の大きな流れが国際社会につくりだした変化の軌跡である。思想家たちは、われわれの生きる国際社会をどのように構想し、変えていったのだろうか。その起源と展開を追う。
感想・レビュー・書評
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▼福島大学附属図書館の貸出状況
https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90268220
(推薦者:行政政策学類 鈴木 めぐみ先生)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「国家主権」とはどのようなものでしょうか。世界のいろいろな物事は、国家主権を前提として動いているように見えます。現代の社会の在り方を基礎づける存在や単位という風にイメージされているようにも感じます。しかし、実は「国家主権」は、ある意味ではその内容が歴史的に変容してきた「思想」ともいえます。
起源と変遷を伴う、思想としての「国家主権」。本書は、現代の国際社会を論じるうえで、国家主権の思想史を概観し、国家主権と立憲主義の関係に着目することの重要性を訴えています。これがどんなときに役立つかというと、たとえば、国際社会による戦争当事国への対応について考えるときです。社会契約において、国家は暴力を独占し、市民はそれによる保護を受けることが契約されています。戦争が起き、国家が市民を保護する力を持たないときは責任を履行できていないため、国家主権という基盤が動揺します。ここで国際社会の出番となり、当事国の代わりに軍事的責任を果たすことが正当化されうるかもしれません。しかしこれは同時に、国際立憲主義に裏打ちされた国際社会による介入は、戦争当事国の主権を脅かすということでもあります。今見てきたように、国際社会による戦争国への対応についての議論には、「国家主権」概念と国際立憲主義の関係性への理解が必要になってくるでしょう。
読み口も易しいので、この機会に本書を読み、国家そして世界の成立に思いを馳せ、現在の諸問題を考えてみてはいかがでしょうか。
(文科三類・2年)(6)
【学内URL】
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000065047
【学外からの利用方法】
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/literacy/user-guide/campus/offcampus -
えらく難しい本だった。
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資料ID:W0168497
請求記号:329.12||Sh 66
配架場所:本館2F手動式書架