ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034443

感想・レビュー・書評

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  • 技術屋になりたい人はSEで成仏できるのだろうか

  • 著者の本は「アップル・グーグル・マイクロソフト」に続き2冊目。とにかく分かりやすい。著者の思わず吹き出す巧みな比喩が見事で、今回のテーマであるSEの日常やユーザとの攻防が非常に面白く理解できました。著者のファンになったので他の本も読んでみようかと。

  • 仕事上、SEさんと接点がある人向けにSEの実態と付き合い方を述べた本。

  • この人の別の著書を読んでいたので期待半分、怖いもの見たさ半分だったんですが、やっぱり期待は裏切られる結果となりました。それなりに実のある内容は書かれているもののいかんせんまとめ方と言うかメッセージが上手く伝わってこない。いろいろよくご存知なのは分かるんだけど、この本を教科書にしてシステム開発がこういうものだと誤解する人が出てきてしまうのは逆に心配でもありますな。

  •  世の中にあふれる情報システムが使えない/使いにくい原因のほとんどは、「技術者の作りたいものと、顧客の欲しいものが合致していない」からだという出発点は首肯できる。
     そのあとに続く、SEとユーザの思惑のすれ違いに起因する「あるある」ネタは枚挙にいとまがないほどだが、この世界をよく知らない人にとっては、ちょっとしたカルチャーショックかもしれない。
     SEというよくわからない職種の実態を、なるべくわかりやすく、かみくだいて説明しているのだが、シニカルで毒のある筆者の手にかかると、実態をありのままに説明すればするほど、SEが「壊れた人間」「社会不適合者」のように描かれていく。「肌の色つやや、目の澄み具合」を注意して見ておく必要がある人たちって一体何者なんだ!

     システム開発において、顧客側の要求が必ずしも正しくないケースや、用語統一の重要性など、ところどころ神髄をついている箇所も混じっているので解釈が厄介だ。幸運にも情報システム部門に在籍していない人は、「こんな世界もあるんだ」と軽く読み流しておいた方がいいかもしれない。これからSEになろうと思う人も、変な先入観が入るので、読まない方がいい。

  • IT業界を「つくる人」「つかう人」に分けるとして、本書は「つかう人」向けに書かれた本です。しかし、「つくる人」側の人間が読んでも得るところは大きいと思います。(私がそうでした^^;)全体的にユーモアのセンスを感じる文体なのも良いです。■第一部:SEという人々■第二部:SEと仕事をするということ「現代の陰陽師」という表現が微妙にツボにはまりました。ユーザ側がどのようなことを気をつけてSEに接するべきか、ということをターゲットにしているのですが、これはSEサイドの人間が読んでも非常に興味深い内容です。顧客サイドから見た自分はどういう立ち位置なのか、そしてこれからどうなっていくのだろうか。本筋とかけ離れていろんな妄想が広がります。■第三部:ユーザとSEの胸の内ある架空の案件について、ユーザ側とSE側の胸の内を同時に(上下段に分けて)描写している、小説ライクな内容です。第三者として読む分には面白いですが、当事者になったらしんどいだろうな、という内容ですが・・・、本当にこんな事例が世の中に存在するのか?疑問なところではあります。

  • 会社の先輩にいただいたので、なんとなく読んだ。うーん。ノリが軽くておもしろかったけど、特別、印象に残るものはないなぁ。この仕事始めたばかりで、特に感慨もないし・・・・・・

  • 著者の独断と偏見に満ち溢れたかたりくちがかえって心地よい。
    顧客からみたSE像については、自身の経験と照らし合わせてもある程度納得。
    しかし、業界経験者は第三章必読。
    腹が痛くなるほど笑えます。
    笑った後に、少し虚しさが残るけど…

  • 副題にSEとユーザーの失敗学とある。
    著者は現在は大学の準教授をしている方のようだ。
    折しも昨日は大手都市銀行の統合したシステム障害発生。全国でATMの稼働が停止という事態の報道があった。
    個人的には、今度の土日にこのIT関連の(ごく初歩的な内容だが)通信教育でのスクーリングを受けに行く予定あり。先日丸2日くらいかけてようやくA4版の紙3枚分の課題をまとめた。その関係もあるが、以前読んだSEの不思議な生態という本が面白かった記憶がある。

    第1章の1行目から一体これは!と思わせる引き付けるフレーズがある。初めはこうだ。
    ・・SEにはしてやられたと思うことが多い・・・
    著者は当然自らの体験も交えて自嘲気味に話を進めていく。
    世のSEの皆さんがこの本を手に取らない訳はないから、読者をユーザーに限定しているのは確信犯的である。この業界人でもなく、SEさんと一緒に仕事を進めていったという経験もない私だが、うつ病などの発症の要因となる精神的なストレスの高い業種として悪名高い過酷な現場である、という認識はある。だから・・不思議なという形容詞があてはまる業種の半ば覗き趣味ともいえるかもしれない。
    中味は意外と楽しくすらすら読めた。専門用語は勿論なんのこっちゃーだが、注意書きで解説してくれるし(解説してもらってもほんとのところは理解不可能だが)、著者は文学的な素養がある方のようで、誇張した表現が何ともダイナミック!スリリング!読んでいてついククク・・と笑ってしまう。
    あんまり面白かったのでちょっと長いが、一部を引用してみる。

    SEとは何か、システム開発とは何か、ツボのところをおさえておけば、ITに関わる知識をがりがり勉強しなくても、プロジェクトをうまくコントロールできるようになる。抱き合って喜ぶことはなくても、殴りあうことなしにプロジェクトを完遂できるだろう。
    ただし、万が一なにかの手違いで本当にSEを抱きしめたくなったとしても、実行には移さないほうがいい。SEにとってそれは愛情表現でなく拷問である。SEと一般人を比較した場合、彼らは身体の一次的接触を嫌う傾向少しだけ強い。
    もし、SEに対して本当に感謝の気持ちを表したいのであれば、何かもっと抽象的で静謐な表現方法を選択すべきである。残酷な運命の糸車が、ふたりを再び同じプロジェクトへ誘わないとも限らない。最後の詰めを誤らないようにしたいものである。

    全く、こう表現されるいうなれば怪しげな(失礼!)商売の世界だが、如何せん専門性が強いため、どうも筆者がいうように両者のコミュニケーションが不足したまま事態が進むようだ。そのため、莫大な経費がかかってもちっとも使えない、必要ないシステムが出来上がることも往々にしてあるらしいと分かる。
    そうそう思い出した・・新聞にこの間の銀行のシステム障害に対する幹部のコメント、
    「今回のシステム統合は神のみぞ知るみたいなところがある・・」とのたまっていたからねえ。
    (私はこれに関しては知りません、と言っているからスゴイですよ)
    まあ、世の中のこんな動きを横目で見つつ、魔法のように何でも便利にうまくいく仕組みなんてないのも当たり前かと思いつつ読み終えたのでした。

  • システム開発の仕事の概略を説明している。
    第一部でSEの説明、第二部で仕事内容の説明となっている。
    システム開発の概略を皮肉と筆者の体験を交えながら記載している。

    もう少し筆力があれば面白く読めるのに、残念。

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著者プロフィール

中央大学国際情報学部教授

「2021年 『デジタル/コミュニケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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