父からの手紙 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740320

感想・レビュー・書評

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  • 「まず自分が幸せでなければならない」には同意できます。ただ、自分が幸せであると同時に家族、周囲の人も幸せにならなければ、それは自分が幸せではないとも思います。
    現在、父親である自分が読んでみると、父親の立場で読み進めました。もし、もっと若いころに呼んでいたら、伸吉さんを自分の父親としてイメージしたのだろうか。

    読み終えた後、家族のために生命保険を上乗せしようかと思ってしまった自分は、心が移ろいやすい普通の一人の人間なんだろうね。

    読んで良かったですが、再び読むことはないと思います。

  • 2つの物語が個別に進み最後はその2つが1つに交わる。愛する子供の成長を想像し50歳までの幾通りの場合での手紙を用意した父親の切ない生き様、親子の繋がりに涙する。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作。

    う~ん。借金地獄を味わったことが無いので理解するのは難しいけど、折角の人生なのになんでこんな無駄なことをするんだ?と思うけど、そこには一応理由があるんだなぁ~

  • 中盤を過ぎた辺りから、先が読めたが最後の手紙の下りは涙腺が緩みました。
    一点気になるのが、みどりが上野のホテルで会ってた男は誰?兄貴が浮気を疑って圭一が後をつけてた人。
    兄貴なの?伸吉なの?

  • 麻美子と圭一、それぞれの視点から物語が進み、少しづつ真実に近づいていく過程が面白かった。ミステリーとしても家族の絆を描く感動作としても非常に楽しめた。

  • 積読本が一掃されたので本屋を物色。
    で、平置きの中で発見。
    タイトルだけだと親子感動ものが想像されて一旦スルーしかけたがまさかのミステリ。
    これはと思って手に取った。

    二軸の話が平行に進む物語。
    「この話、どこで交わるの???」と気を揉むくらいに繋がりそうで繋がっていかない。
    期待感が高まる。

    …が、とにかく主人公二人の思考と行動がまだろっこしい。
    そしてとにかく「きっとこうだろう」の想定と思い込みが激しい。
    進んでいるんだかミスリードされているんだかわからなくなる。
    作戦か?

    帯は…盛りすぎ。
    「おもしろさ保証」はわかるが、この物語は「涙」とか「感動」とかがメインじゃない気がする。

    解説はバランスの良い王道。

  • 2つの謎めいた家族の繋がりが織りなすストーリー。家族の愛がいろんな形で表れる。その細かい表現に家族の愛の姿を感じます。

  • 最初は違う主人公の話が交互に進む感じで行きます。終盤ではきっと関わりがあるんだろうなぁと思いながら読んでいましたが、結構長かったです。話が1つにまとまってからは息を飲む展開で、途中で結末が予想できますが、何とも物悲しく、親子の愛情を感じる話でした。

  • 最初は全然違う2つの事件がどうつながるのかな~と謎解き感覚で読み進めていたが、つながりが見えだした頃からは、事件の真相ではなく、父を思う気持ち、母を思う気持ち、兄を思う気持ちに心動かされて、それぞれの立場や心情を考えながら読めた。

    大切な人を思う気持ちは十分にあっても、間違った方法をとってしまうと、悲しい結末を招いてしまう。…これは、吉本新喜劇で時々見る設定だ!訳ありでお父さんが失踪する話!

    ‘周囲の幸福、家族の幸福を考えるなら、まず自分が幸福にならなければならない。’
    ということが、よーくよく分かった。

  • 2つの家族のストーリーが交互に書かれています。どちらの話も読みやすくて続きが気になるところで別の話に。ああ、もどかしい!とすっかりトリコになっていました。

    一見なんの関係もない2つが次第に交差していくので、久しぶりに相関図を書いてしまいました。純粋なミステリーとしても面白いし、両家族の父の想いが胸を打たれました。お勧めです。

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著者プロフィール

一九四七年、東京都生まれ。八三年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八八年「絆」で日本推理作家協会賞、九〇年「土俵を走る殺意」で吉川英治文学新人賞を受賞。他に「仇討ち東海道」「遠山金四郎」「風烈廻り与力・青柳剣一郎」「栄次郎江戸暦」「蘭方医・宇津木新吾」「親子十手捕物帳」「八丁堀赤鬼忠孝譚」「義賊・神田小僧」シリーズなど著書多数。

「2023年 『剣の約束 はぐれ武士・松永九郎兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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