ラットマン (光文社文庫 み 31-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748074

感想・レビュー・書評

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  • すごく面白い。
    who why how が綺麗。

  • 前半はなかなか読み進められず悶々としてた。

    後半にかけてハイスピードで展開が早くて圧倒された。
    どんでん返しが、2度3度とあって追い付かなかった。
    最後の伏線回収、キレイにまとめられて圧巻!
    面白かったし、後味も悪くないので、オススメの部類!

  • 思い込みって恐ろしい。ラストまで騙されながら読了。
    「人間というのは身勝手なもので、哀しい歌や哀しい詩に心地よく酔うことができるのは、自分自身の心が落ち着いていて、何の問題もないときだけだ。本当に哀しく、心が締め付けられているときには、それらはただ不快なだけだった。」

  • いや〜やられました。。
    ミスリードをしていた、自分が悔しくて悔しくて
    震えます笑笑

    思い込むと中々そこから見方を変えることは難しい。
    物事を俯瞰して見れるようになろたいですが。。
    出来なかった。。

    ①⇨②⇨③の順番で犯人というか黒幕というか
    そいいった考えて見てたのに。。

    最後は「えっ!」となりました。。
    これほど矛盾なく違和感なく、物語を進めていく小説は
    久しぶりに出会いました。読んでいてとても良かったです‼️

  • ホラーが苦手な私でも大丈夫だったサスペンス。
    どんでん返しが続き、驚きの展開だった。

    タイトルが秀逸。
    ストーリーが先なのか、タイトルが先なのか。

    終始、鬱屈とした雰囲気だけど、あっさりとした部分もあって暗くなりすぎず、読みやすかった。
    エンタメとしてはいいんだけど、暫くしたら忘れてしまいそう。

  • 先入観は怖いってこと痛感した。
    家庭環境とか人間関係がいろいろ複雑で悲しい。
    本当に正しい事だったんだろうか?
    誤解されたままなのが1番辛いかも。

  • バンドマンの三角関係、青春ミステリ。
    主人公と彼女、その妹。それぞれの歪な親子関係を背景に、事件が発生する。
    物語の回想で、近親相姦を終始匂わしてくるのだが、そんな凡庸な展開にならないどんでん返しの妙がよい。
    ラットマンというタイトルの伏線回収もとてもよい。ドミノ倒しのような展開。主人公達に救いがあるのか?ないのか?迷宮のような小説。リーダビリティが凄く一気に読める。

  • エアロスミスの名曲
    が取り上げられてる時点で
    飛びついたけど、
    いやぁ〜
    まんまと騙されましたよ…(≧∇≦)


    巧妙に張り巡らされた伏線の数々、

    明らかになる
    驚愕の真実と、
    二転三転するどんでん返し。


    自分が予想していた答えを
    鮮やかに反転させてみせる
    憎らしいくらいの技量。


    でもあっと驚く
    どんでん返しの映画に
    思いがけずに出会った時みたく、
    騙されてるのに
    なんか嬉しかったりして(笑)

    ほほ〜
    そうきますか〜って感じ(^O^)




    エアロスミスをコピーする
    アマチュアロックバンド、
    Sundowner(サンダウナー)。

    メンバーは高校の同級生であり
    現在30歳トリオの
    竹内耕太(Vo)、
    谷尾瑛士(b)、
    姫川亮(g)、

    そして初代ドラマーの妹で25歳の
    小野木桂(ds)。

    ライブに向けて
    日々精進する彼らだったが、
    やがて起こる
    スタジオ内での
    事故に見せかけた殺人。


    主人公である
    姫川亮がひた隠しにする、
    幼い頃に死んだ
    姉の落下事故の謎や、

    小野木桂の姉、ひかりとの
    不穏な関係を絡めながら、

    読者は迷宮の森の中、
    読む者をミスリードさせる
    道尾秀介の巧妙な罠をかいくぐりながら、

    流行る気持ちを抑えつつ
    犯人を推理し、
    トリックの謎を解明しようと
    慎重に読み進めることとなります。
    (と言いつつ後半は真相が知りたくて
    一気読みでしたけどね笑)


    しかし人間の思い込みとは
    いと怖ろしや〜。

    人間の脳は
    一度それだと思えば
    それにしか見えなくなったり、

    自分が認めたくない事柄を
    心が都合のいいように
    解釈したり。

    そういった
    人間の勝手な「思い込み」を利用して道尾秀介は
    これでもかと
    読者にトラップ攻撃を仕掛けてきます(笑)

    彼が胡散臭い
    営業マンだったなら、
    さぞかし自分は
    沢山の布団や浄水器を買わされていたことでしょう…(T_T)


    あと『人生は芸術作品の模倣である』
    という言葉には妙に納得。

    自分も学生時代、
    好きなギタリストに憧れて
    ギターを始めたし、

    好きな役者の真似をして
    彼が影響を受けた
    同じ小説を読んだりしたもんなぁ〜♪


    自分たちはみな、誰かのコピーで、
    みんな誰かの真似をしながら
    いつしか自分だけの個性を身につけていくんですよね。

    自分にとって
    道尾作品は当たりハズレが極端なんやけど(笑)
    これは当たりでした(^_^)v

  • よくここまで練れるもんだと思う。中盤まで何なのかよくわからないタイトルのラットマンを、最後で活かすのも凄い。真相っぽいもの、その手掛かりを提示しまくりながら、登場人物もしっかり描きながら、全部絡め取っていくのもすっきり。後味が良いとは言えないが、しっかりと全て締めるのもすっきり。そしてエアロが聴きたくなるのでToys In The Atticを聴き直す。

  • あーおもしろかった!おもしろすぎて本当に一気読みでした。そして見事にだまされた…

    姫川が抱える幼い頃の黒い闇。それと並行して、大人になった姫川の目の前で事件が起こる。
    二つの謎が、うまい具合に少しずつ解かれていく過程が最高におもしろい。

    自分の予想が当たっていませんように…と思いながら、ヒヤヒヤしながら、でもページを捲る手は止められません。


    姫川の姉は、父親に性的虐待を受けてそれを隠蔽するために殺された、と思い込んだし
    ひかりは、姫川自身が殺したと思い込んだ。

    本当は、姉を殺したのは母親で、父親はそれを隠蔽した。
    ひかりは、桂に殺されて、姫川が隠蔽した。


    すっかり騙されたなぁ!なんて思いながら、謎が解けて少し安心した気持ちでページを捲る。

    最後の最後。真実がが明かされる。

    本当は、
    ひかりは野際さんに殺された。
    そして、姉は自殺だった。


    もう、唖然でした。自分が今まで思い込んでいたものがバラバラと崩れ落ちる感覚。爽快だったなぁ。



    姫川と、母親。何十年も思い込んでいた事実が違うと言われて、すぐに受け入れられれのかは果たしてわからないけれど。
    少しだけ未来を感じる結末で安心しました。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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