交換殺人には向かない夜: 長編推理小説 (光文社文庫 ひ 12-5)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748449

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。この構成は中町信さんのあの本を思い出す。
    これシリーズものだったのか、知らなかった。途中からそんな気はした。終盤の市や村の説明のところで、ここ必要?地図ないと分からないよ、と思ったけどシリーズものだからだったのか。これより前の本を先に読んでおけば良かった。

  • すごーく面白かった。
    限りなく☆5に近い☆4。

    解説にあるように、タイトルで交換殺人を扱うことを公言し、そのつもりで読む読者をあっと言わせるのは、かなりハイレベルな訳で、それを期待以上にやってのけられた感。
    やや古めかしいセンスのギャグのノリも楽しいし、解決編の説明が懇切丁寧で万人に分かり易い。
    そして真相が分かると、最初から計算されて張られた伏線の妙にも唸らされる。
    東川篤哉凄い。

    相変わらずドタバタの鵜飼探偵だけど、今回は知性が感じられて良かった。特に善通寺咲子との会話でセレクトされた語彙が、すごく感じ良かった。
    朱美や流平、志木刑事に警部とお馴染みの登場人物が活躍する上、二作目に登場した十乗寺さくらが再度出てきたりして、シリーズにも厚みが出てる。

    「わたし」が何者かに尾行された挙げ句、話しかけられた第一声が「実は交換殺人の話なのですが」だという、読者の心を鷲掴みにする穏やかでない冒頭では、この「わたし」の性別を巧みに隠蔽してる。(実は女かもとは思った)
    善通寺咲子と夫の春彦との会話に何かありそうで、咲子は妻なんかじゃなくて家政婦だったりして…なんて疑った(外れた)。
    志木刑事と和泉刑事のシーンが3年ズレてることも、和泉刑事=水樹彩子=善通寺咲子=冒頭の「わたし」だということも全く気付かず、気持ち良く騙された。

    ちょっとだけモヤッたのは、権藤英雄の存在が終盤消えてしまったこと。ひょっとしたら英雄は、父親を自らの手を汚さずに始末すべく3年前の事件と善通寺咲子を利用したんじゃないか。などと勘ぐってしまった。完璧なアリバイ用意してたし。
    これで英雄が全く追求されないのはなんか解せない。

    どうでもいいけど、ブクログの書影の表紙絵、めちゃネタバレやん…(私の読んだ文庫の表紙絵とは違う)

  • 章と節が短く、文章の言葉遊びと登場人物同士の掛け合いがギャグ寄りで、テンポよく読みやすい。ギャグで面白いという感想が割とあるが、ギャグというほどのギャグではなかったと個人的には感じた。シリーズ物らしいが前作までのを読まずともじゅうぶん話がわかる。この本だけで完結している。シリーズ物だけど一話完結ドラマみたいな感じ。
    ただ、画家→助手→刑事→画家...と、話が順番で変わるので流れを整理して読むのが苦手な人には向いていないかも。
    肝心の中身は可もなく不可もなくといった印象。細かい伏線はわからなかったが大きな手がかりや人物が出てきて徐々にそれぞれの話が繋がり始めたらワクワクした。面白くなってきたのは深夜の部くらいからかな。特に心惹かれる文章や印象に残った言葉などはなく。けれど最後のトリックの解説で予想以上のどんでん返しが来た。伏線多すぎ。テンポと偶然と実際の計画性のバランスがとれた良い作品。でも一度読めばじゅうぶんかな。軽いものが読みたいときにおすすめ。

    書店の新品で可愛い女性三人が書いてある本書を見かけて購入を検討。中古で購入したが表紙は紺色に手書きの月と英字だった。それはそれで素敵だったが。表紙が可愛い女性のイラストではなかったら買わないどころか気にも留めなかったと思う。というかこの女性のイラストがそういう意味だったとは。


    ネタバレ。
    でも最後の、咲子さんで彩子さんで和泉さん(元警部)なのは面白かった。この辺は頭の整理が難しかった。わかりやすいのは、小便小僧の掘り起こし、電話、車庫入れ、露天風呂、散歩中の金髪の人との遭遇、わかりにくいのは、車の運転、彩子と和泉の口調、再婚、部屋の絵画辺りの伏線か?写真屋の写真のくだりも面白かった。刑事の話は3年前のことだったのが一番驚いた。
    表紙の女性は左から順に、咲子、彩子、和泉。

  • これはなんというかf^_^;意外な展開でした。 あんまり言うとネタバレすぎることになっちゃうから言わないけど。 絶対見破れないトリックだったなぁと思いました。少なくともわたしはわかりませんでした。 好き嫌いが別れるかもしれないけど、わたしは好きな作家さんですね☆

  • 解説を読んでこういうのは「ユーモア・ミステリ」というらしいと知ったけど、私のあまり好みではないジャンルです。
    ミステリとしては、色々と伏線も張り巡らされていたし、悪くないとは思うのですが、何しろふざけた感じがかなり苦手。
    思い返せば、前にもこの作家さんの小説を読んで「…」となった気がします。
    どうなることかと思ったけど、なんとか読み切れてよかった…というのが一番の感想。
    (2023/10/8、他の読書管理サイトからお引越し。レビューは読了当時の記録。)

  • 東川篤哉の烏賊川市シリーズ。

    周到にちりばめられたギャグと、本格派推理のセンスのバランスが絶妙で面白かった。

  • シリーズものと知らず読む。
    なんとなくイメージしてたものとは全く別の結果でびっくり。
    そこまでギャグとも感じなかったけど、キャラクターの癖が強くて印象的だから人物把握に苦労はしなかった。それにまた騙されたところもあるけど笑
    読みやすくて、謎解明もすっきりしててよかった。

  • シリーズ4作目。これまでのシリーズ作品とは一風変わったミステリー。そのトリックに見事にしてやられた。『密室の鍵貸します』の映画トリックのオマージュ的なやつも使われてていいね。全然関係なかったけど(笑)流平だからこその深読みw

  • 作者独特の語り口に、少し食傷気味。
    展開は面白い。

  • あぁ、そうきたか! という読後感。雪の夜というのがクサいと思っていたが、予想の上をゆく構成に脱帽。あらすじに触れてしまうだけでネタバレ必至なのだ。というわけで、流平とさくらお嬢様の今後の進展に期待!

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著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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