チヨ子 (光文社文庫 み 13-8)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334749699

感想・レビュー・書評

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  • 今度は宮部さんの短編集♪ホラーもの!? チヨ子が好き。着ぐるみの目から見る私は?? 想像したけど、うまくいかなかったけど^^; いしまくら、宮部さんが書きたかったあの場面、読みながらめちゃいいな~って思ってたので宮部さんと感覚が似てるのがうれしかった。 聖痕は。。。ちょっと難しかった。え?英雄の書?? あれだけファンタジー色が強いと私もついてけるんだけど。 ちょっと背筋がゾクっとするような、でもその辺にいくらでも転がっていそうなお話たち。お見事でした。

  • 中短編集の作品群のうち、直木賞の受賞後第一作という「いしまくら」という作品がよかったなー。

  • 静かだけれども
    さざ波のように心が動きます。

  • 「超常現象」的なものにテーマを絞った、宮部みゆきの、短編集です。2011年の作品ですが、当時の時点で、
    単行本化 → 数年後に文庫化
    という流れの作品では無くて、単行本として発表されていなかった種々の作品を、いきなり文庫化した!という、かなり贅沢な感じで発売された文庫だったようですね。2018年末の現在では、その点の価値は、薄まってしまっているのは仕方のない事なのでしょうが、当時は、かなりの大盤振る舞いだったのだろうなあ。そんな事を、思う次第でもあります。

    雪娘
    物語の語り手が、実は犯人だった、という、ある意味、推理小説の一つの型を上手い事使った作品ですよね。でも、その主人公=犯人の気持ちが、これまた上手い事、表現できてるんだよなあ。

    なんでもソツなくこなすことができる(と思っている)語り手の気持ちが、これまた、好きな異性から相手にしてもらえない、そして自分が、「あの子は大したことない」と思っている人物が、自分が好きな人に好意をもたれていて、自分はいっさい振り向いてもらえない。その時の嫉妬の気持ちのヤバさを、見事に表現しておる気がします。うむ、凄い。

    フーダニット(Who done it? 誰がやったんだ?)
    ではなくて、
    ホワイダニット(Why done it? 何故にそうなったんだ?)
    という、内容だと思いますね。それがまた、しみじみ、くるんだよなあ~。

    オモチャ
    さびれた商店街にある、さびれたオモチャ屋の、さえない店主。そんな店主にも、それはもう、様々な人生の浮き沈みがあったのだ。そして、それを経た上での、哀しき結末。宮部さんは、市井の人々に注ぐ眼差しが、驚くほどに、優しいんだよなあ。きっと、こういう眼差しと、こういう事を大事に思いたい、という思いが、江戸時代の時代小説を書くことへの原動力にもなっているんだろうな、とか思うのです。「オモチャ」という題名と、オモチャ屋の老主人がキーマンという作風と、作中で登場する「よってたかって年寄りをオモチャにしやがって」という言葉と、うむ。日本語で「オモチャ」という表現は、しみじみ深いなあ、って、思うんですよねえ、、、

    チヨ子
    これはもう、ホッとする。なんといいますか、上手いなあ~って作品ですよね。万引きをした中学生の少年と、そのお母さんに対して、一切なんも、なんらかの救い的な談話を入れていないのは、怖い。のですが、こう、上手い。見事です、うん。

    いしまくら
    超傑作大長編「ソロモンの偽証」の、前習作、という感じがしました。習作、と言う表現は、大変失礼であるとは思うのですが、すみません、そう思ってしまったのです。といいますか、この短編のテーマは、「ソロモンの偽証」に、繋がってると思うんだなあ、、、若き人々の「なんとしても自分の手で、物事の真実を見極めたい、知りたい」という思いを、大事にしたい、と思う事。宮部さんの、若き人々へ対する応援歌、みたいな気持ちを、この作品には感じましたね。そんな理解の仕方です。

    聖痕
    怖い。これは、相当に怖いですね。どぎつい現代社会の問題「親による子への虐待」を、見事すぎるほどにリアルに、テーマとして扱いつつ、おっそろしいほど、ネット世代の妄想ファンタジーに片足つっこみまくっている、と言いますか、うむ、途轍もなく、おっとろしい。「英雄の書」と、かなりテーマが被っているらしい、という点も、くう、問題作やね。でも、宮部さんが言いたいことは、おっとろしくよく分かる(気になっている)、と言う意味では、とても重要ですね。すげえ、こう、そこをどうしても追求せざるをえない、追及してしまうのです、という、宮部さんの気持ちのルーツを感じてしまう。そんな作品ですね。好きです。

  • 最初に「チヨ子」「オモチャ」から読んだので、ほんわかした不思議な話を集めた短編集なのかな、と思ったら最後の話「聖痕」に衝撃を受けた。
    個人的に一番好きなのは「いしまくら」、宮部先生が描く年頃の頭の良い女の子と、彼女を見守る父の組み合わせが好き。ソロモンの偽証をちょっと思い出した笑

  • 個人短編集未収録のホラー&ファンタジー5編。

    ・雪娘
    ・オモチャ
    ・チヨ子
    ・いしまくら
    ・聖痕

    どの作品も超自然現象をモチーフにした作品で、「聖痕」が一番インパクトがありました。

  • 2000〜2010年の5編の短編集。雪娘、オモチャ、チヨ子、いしまくら、聖痕。子供のころ好きだったぬいぐるみ、オモチャが大人の今を守ってくれている。

    短編の名手、しかも長編もいいし。

  • 宮部みゆきの短編集。雪娘、オモチャ、チヨ子、いしまくら、聖痕。ちょっと怖い短編集です。

  • 宮部みゆきはICOがいまいちピンとこなかったので多分これが2冊目。
    これは面白かった。でもホラー?ファンタジー?SF?みたいな感じで内容の統一感が微妙なので読後感が散漫になってしまう感じ。ちょっと勿体ない。

  • 可もなく不可もなく。

    どうした理由か押し並べて
    あれが良いとかこれが良かったという感想もなく。

    『聖痕』にいたっては、
    一気に読まずに
    この章だけ別の日に読めば
    もっと世界観に入り込めたかもしれないが
    ただただ、冗長だな。と思うしかなかった。
    仕事のストレスを間違えた正義にすり替えた
    気のふれた女性の話だった。それだけ。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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