リア王 (光文社古典新訳文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751012

感想・レビュー・書評

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  • 誤字があるかも?安西訳は重厚で、女性の強さがよく伝わる

  • リア王が世界を呪う場面がすごいなぁ。全体的に、張りつめて、積み上げて、一気に崩れる。
    非常に現代語で読みやすい、わかりやすい。それだけに何でリア王こんな老害なん?とか、二人の王女はケチくさい。とか、わかりやすく感想が出てくる。エドガーとグロスター親子のエピソードが泣きそうになる。
    舞台とかでも見てみたいなぁ。

  • p.173「なんだ、気違いか、お前?目なぞなくとも、世間は見える。耳で見ろ。あそこにいる、あの裁判官め、あのコソ泥を叱りつけておるのが見えようが。いいか、よく聞けよ。あっちとこっちと取っ換えてみろ。どっちが裁判官でどっちが泥棒か、誰に分る?百姓の犬が乞食に吠えかかるのを、お前、見たことがあろうが?」

    とか、人間が単に皮をかぶった存在でしかないみたいな記述が頭に残る。最も弱い存在でしかないのに最も強欲な存在の人間。

    リア王はただの気違いかと思っていたらどうやらそうではないらしいと思える。でもなんとも言えない。後半はだんだん王に同情するようになる不思議な劇作品だと思えた。

  •  良識と思慮にかけた王様と、狡猾で身持の軽い長女次女。そして不器用で天然の入った三女。

     この親子の中で誰に感情移入するかに寄って、善悪が入れ替わってしまう作品だと思う。最初は王様のあまりの放埒ぶりに、長女次女の方に利があるように見える。しかし正しさを身につけると人は残酷になってしまうもので、王様への仕打ちは悪役のすることに変わってしまう。

     最終的に親子の誰も幸せになれなかったできなかったけれど、彼らの誰もが問題を抱えていたので、どうにも同情しきれない。むしろ振り回されたあげくに、両目を失い死に絶えた家臣の方に、落涙を禁じえない。忠誠心溢れる彼の物語はサブプロットでもメインを喰うほど輝いている。

  • 超資産家の老人が「もうそろそろ資産をすべて譲渡し、子どもたちに面倒を見てもらおうと思う。そのために子どもの君達が資産を譲る対象にふさわしいかテストします。資産を譲るから私は私で好き勝手に生活させてもらう」、と言ったら現代のリア王ができあがりますよね、たぶん。(家族全員が死ぬかどうかは別にして)それは別にして、読んでいると劇を見てみたくなります。

    マクベスは魔女、ハムレットは親父の亡霊という、ふつう現代社会にはない想像しにくく、言ってみれば突然に悲劇がふって湧いてきます。しかし、リア王は身から出た錆というか、自分自身のふるまいが原因で悲劇が始まります。ふつうに現代社会にも似たような話が起こり得る話で、子どもの心情もかなり理解しやすい話だと思います。王様は「老いては子に従え」の真逆を突っ走っており、老後を悠々自適に暮らしていこうと、王の尊厳を保持してわがままに生きていけるような「余計な一手」を指してしまったがために、子どもにそっぽを向かれます。(というか自分も子供らも死ぬことになります)ほんと、自分も気を付けないと~。

  • 沈黙は、金ではない。コーディリアは心優しいお姫様かもしれないが、それでも高慢だ。道化の秀逸な用いられ方は現代小説にはなく、興味深い。

  • のっけからネタばれします。まだ読んでない方、ごめんなさい。
    だって、だって、悲しすぎるのだもの!


    主要人物がみんな死んでしまう結末が、悲しすぎる。
    リア王も二人の娘に裏切られ気が狂ってしまうし、グロスター伯は無実の罪で両目を抉られてしまうし、残酷だ。
    ケント伯は正直に発言して追放されてしまうし、エドガーは腹違いの弟の陰謀で無実の罪を着せられ逃亡を余儀なくされてしまう。それにも拘らず、乞食や道化に扮してまで主君に仕えようとし、父親を守ろうとする。なんて素晴らしい忠誠心なんだろう。
    末娘コーディーリアの無償の愛にやっとのことで気付いたリアが切なくて、長女ゴネリルと次女リーガンの醜悪さや恩知らずぶりが際立って憎たらしい。
    やっぱり自分を産んで育ててくれた親は大切にしなきゃと思うし、たとえ年をとって容色は衰えてしまっても、心だけは醜くなりたくないと切に思う。

  • さくっと読めて、おもしろい。いわゆる4大悲劇の一つですか。古今東西、いつでも通じる教訓話

  • 愛しのコーディリア...

  • 領土の継承、娘や家臣の裏切り、忠臣の行動など
    サクッと読めて、楽しめた。さすが名作。

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著者プロフィール

1564-1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ36編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた。その作品の言語的豊かさ、演劇的世界観・人間像は現代においてもなお、魅力を放ち続けている。

「2019年 『ヘンリー五世 シェイクスピア全集30巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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