- Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751845
感想・レビュー・書評
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高校生以来の再読を新訳で。7月、猛暑のペテルブルグ。金貸し老女とその義理の妹を殺害し、金品を奪ったラスコーリニコフ。1巻では動機は明らかにされず、2巻で明らかになる。人間は、「凡人(シラミ)」か「非凡人(人間/天才)」の2種類のみであり、非凡人は自分の思想の為に法を犯す権利があるという考えに乗っ取り、自分が果たして非凡人として流血を踏み越えられるか否か「試して」みたくなり、「有害なシラミ」を駆除する。だが、自分の良心に苦しめられ、自分もシラミだったと気付き愕然とするラスコーリニコフ。それが、「罪」に対する「罰」。そういう思想を持った人間が再生するのは「宗教」よりも「愛」だと説くドストエフスキーは少し人道的。予審判事ポルフィーリーとの対決は3回あるが、そのいずれもが手に汗握るおもしろさ。美男子でプライドが高く、厭人癖のラスコーリニコフも高等遊民スヴィドリガイロフも江戸川乱歩の小説の登場人物の様に思えた。
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150年以上前の作品だが、古典的名作として読み継がれ、いまなお色褪せないのは本作品は人間の本質を描いているからであろう。ルージンがソーニャを責問する場面やカテリーナが狂乱し召される場面は心がきゅっとなる。犯した罪を軽視しながらも罪の意識に苛まれ強迫観念に駆られ続けたラスコーリニコフ。最後の終わり方が緩やかな光と希望に包まれたものであるもの良い。
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読み終わるまで何度も中断しながら数年かけてなんとか読了。面白いのはたしかで、読みかけのところを読んでいるうちにそれまでの話がありありと浮かんでくる。
とはいえ細かいところを読み込んでいく楽しさは2周目以降なのかなと思う。
亀山さんの読者ガイドがかなりありがたい。またそれを手がかりに読み直したい、今度は中断せずに読み切れる気がする。
個々の話に入り込みすぎでしんどかったので今度は主人公の物語としての動きを俯瞰したいのと、周囲の人間の主義主張に耳を傾けながら全体像の把握に努めたい。 -
ドゥーニヤのスヴィドリガイロフへの発砲を最後のクライマックスとして、物語は徐々に終焉へと向かう。エピローグが感動的である。
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ポルフィーリーとの対峙シーンが圧巻
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圧巻の最終巻。真実が次第に漏れていく中、愛する者たちに困難が降りかかる。犯罪者の苦悩と決断に感動は必至!
分厚いが一気に読める500ページ。ヒロインふたりに襲いかかる危機に白熱。ドラマチックな展開に夢中になるあまり、ラスコーリニコフの心理的な変化を見落としがちだった。なし崩し的にあの結末に向かうが、彼の信念そのものには変化がないことに不安をおぼえる。しかし、ラザロの復活を暗示するラストシーンに希望の兆しをみて感動。筋書きの面白さに駆け足で読み切ってしまったせいで、細かい考察はできていない。普遍的な内容を持つ本作は、まだまだ深掘りする価値があると思った。魅力的な登場人物たちは深く心に残る。 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=28030
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA87362059