東京すみっこごはん (光文社文庫 な 41-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334769505

感想・レビュー・書評

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  • おじいちゃんが助けに来た時は泣いちゃったな
    各々の物語が日常的なんだけどドラマで
    すみっこごはんの程よい距離感が居心地悪くさせず
    老若男女、国籍問わず
    皆で机を囲んでごはんを食べる

    由佳さんの気持ちが入ったレシピノート、
    考えただけて目頭が熱くなる

    続編読むのも楽しみ

  • r4.12.1
    爽やかな文体だけど、みんなそれぞれ抱えてる問題が大きくて、けどそれを美味しい料理と団欒で乗り越えて…
    やっぱり人と人の繋がりと、美味しいご飯だよね。
    楓ちゃんの心情を思うとたまりません。
    こんな場所が近所に欲しい…

  • 読み終わった時にはホッコリした。
    ごはんって不思議。
    見知らぬ他人が集まっても一緒にごはんを作りみんなでごはんを食べれば、親しくなれる。
    すみっこごはんはみんなの心の拠り所になっていた。こういうところが実際にあればいいのに。
    家に居場所がない人はもちろん、誰だって家に帰りたくない時もあると思う。そんなときに、すみっこごはんで家族以外の人と楽しみながら食卓を囲めば、きっと心が軽くなる。

    どのお話もよかったけれど、タイのお話が特に好きだった。
    妹とおばあちゃんを養うために日本で勉強して働くという目標を立ててきたのに、妹は自分が勉強している間にどんどん豊かになって、日本に来た意味が分からなくなってしまう。おかげに、日本の文化に納得はできないし、コンビニのアルバイトで関わる客はろくでもない人たちばかりで大嫌い。
    妹が豊かなサウジアラビア人に雇用されることで家族が豊かになっていくところが許せなかったんだと思う。母国のことは好きだけれど、他の国と比較することで劣等感があるのかなと。貧しくて万引きしていたころは生き生きとしていたように見えたから、きっと責任感が強いのだと思う。妹とおばあちゃんを養うという大きな目標がなくなってしまって、途方に暮れた。自分のための目標を見つけて欲しいなと思った。

    柿本さんがいい味を出していておもしろかった。

    いじめの話は心が苦しくなる。いじめは絶対許されないけれど、いじめていた真理亜ちゃんも家族の仲が悪くて、恋愛も上手くいかずに苦しかったんだろうなと思った。真理亜ちゃんにこそ、すみっこごはんが必要だったんじゃないかな。

  • 連作小説好きとしては、すいすい読めて楽しい。
    ほっこりして暖かい気持ちになる。こういうところいいな。私の頭の中で、家と机と椅子の配置や感じが出来上がっている(笑)

  • 食べることは生きていくための基本ということを改めて感じました。
    嫌なことがあってもおいしいものを食べれば気力が湧いてまた明日も頑張ろうと思えます。
    あたたかくておいしいごはんをたくさん食べて、幸せに暮らしていこうと思える小説です。

  • また面白い本に出会ってしまった…!

    タイトルから、また、くたびれ気味のOLさんが残業あとにふらっと寄った定食屋さんにイケメンがいて…、て展開かと思っててんけど、全然違う!!

    全然違う!!!(二度言う)

    めちゃくちゃ面白かった。
    すごい伏線(?)の応酬というか…、話がするするつながっていくのが見事。

    ただ、ゆうたんの正体だけは意外すぎたな。ぶっちゃけ、一斗くんがゆうたんなんちゃうかすら思ってた。笑

    こちらも続編があるようで、それは読みたい。即リクエストする。

    最終章はうっかり泣きそうになったよ。

    ここで深く語られなかった金子さんと田上さんの話もあるのかな。

    それにしても楓ちゃん…。
    こんな目に遭っても学校に行くなんてなにか間違ってるよ…。行かなくていいのに…。

    でも、事態はちゃんと好転したからよかった。これからは幸せになってくれ!

  • 老若男女さまざまな人が出入りする
    利用者が料理する『すみっこごはん』
    それぞれの日常から少し離れたこの場所が
    ほんのりと救いになっていた

    SNSトラブルからのいじめられっ子、楓ちゃん
    婚活に悩む奈央さん
    留学の目的を失ったタイ人のジェップ
    アラ還の丸山さん
    そして最終話へ

    連作短編集だけど
    必ず最後まで読んでほしい

  • もし誰にでもにこのすみっこごはんのような居場所があったなら、世界は平和になるのではないかなと思う。ちゃんと最後に話がつながったところもすごい。このシリーズは読み進めていきたいと思う。

  • ドラマになった小説だそうで。
    それも4年も前らしい。
    つくづく世間の流れから遅れてる。

    この作者さんとも、これがはじめましての作品。
    古い一軒家に集まった、年も性別も、国籍さえも異なる人たちが、お互いに夕飯を作りあって食べる。
    そんな人たちの、一人一人の物語が展開する。

    いじめられている女子高生、楓。
    婚活がけっぷちの奈央。
    日本に留学したものの、日本社会からの疎外を感じ、生きる意味を見失いつつある、タイの青年、ジェップ。
    別れた妻との一人娘に会いに行けず、ブログを読み続けるアラ還父の丸山。

    それぞれが語り手を務めるのだけれど、その語り口も含め、個性がはっきり書き分けられている。
    すごいなあ、と思った。

    文庫書下ろしだそうだ。
    すみっこごはんの来歴、レシピノートが誰のものだったのか――こうした謎はきっちり説明される。
    続巻が書かれないことも想定されていたような雰囲気。
    結果的にはシリーズになっているが。

    それにしても、すみっこごはんがNPOという展開はびっくり。
    おお、そういう設定は今時だなあ。
    でも、物語としてはその設定がなくても成立させようと思えばできる気がする。
    そこに何らかのこだわりがあるのかな。
    妙なところが気になる。

  • くじ引きでご飯を作る『すみっこごはん』に偶然来た楓。唯一の肉親の祖父ともギクシャク、学校ではイジメられ…最後がきちんと繋がるのが良かった。やっぱり食べるって活力だな。楓をイジメてる同級生の設定がちょっと無理やり?だと思ったし、読んでいて辛くなった。

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著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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