虚ろな十字架 (光文社文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 光文社 (2017年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774660

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虚ろな十字架 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 東野圭吾はコンスタントに本を出し続ける超人気作家で、当然ながらその文章も大変読みやすい。それでいて、犯罪の被害者、被害者遺族、加害者と加害者親族などの問題を抉ってくる作品が多い。本書もその一つで、しかも被害者側と加害者側の両方を描いている。その上、罪と罰の定義、法の限界といった問題提起まである。よくこんなにも重いテーマを持った考えさせられる話にちゃんと驚きを用意し、一気読みさせるエンターテインメント作品に仕上げるものだ。全てが明らかになって初めて意味がわかる、タイトルと装丁も良い。

  • 誰が一番悪いかについて読者投票とかしてほしい内容。
    命を奪った人は少なくとも法で罰する事ができるけど、心を壊した人を法で罰する事は必ずしもできない。
    多分、命を救うよりもずっと、心を救うのは難しいのだと思いました。

  • 綺麗に回収されていく伏線が気になり、一気に読んだ。
    ただ、読まなければよかった、とも思った。
    事件は解決しても釈然としない。
    重い気持ちだけが残った。
    興味深く読めたけれど、読後の爽やかさはゼロなので、星は3つ。

  • 「死刑」は虚ろな十字架か。是非は読者に委ねられたのだろうか。そもそも、この作品の3つの殺人は同じ次元で考えてよいのか。愛娘を殺された小夜子や万引き依存症の沙織のヒステリックさと、主人公の中原や仁科の達観した言動に読後感も虚ろである。

  • 予約済み:品川区図書館

  • 死刑制度の是非を問う作品。結論的なものはなく、いくつかの視点から死刑に対する考え方がバランスよく描かれている。難しい問題だと思う。
    小夜子のような暴走するタイプはキツイ。いくら過去の出来事があったとはいえ、自分の考えが正義とばかりに他人を批判し、追い詰める行為はどうかと思う。義父もそんな昔の未成年の行った罪に対し、現在の娘婿の地位を心配して殺人まで犯すのはどうかと思う。そもそも身体が未発達な中学生が知識もなく出産できるのかという点もどうかと思う。
    突っ込みどころはところどころあるけれど、重いテーマなのに先を読ませる展開と、読後に人を殺したら死刑になるべきか、罪の償い方は死刑だけなのか等々を読者に考えさせる話の方向性がさすが東野さんだなと思う。
    愛する家族が殺されたとしたら・・・考えたくないが、やはり犯人の死刑を望むと思う。それで失われた命が元に戻るわけでもないが、心情的にはそうなると思う。

  • 帯文:”罪は贖えるのか!?東野圭吾最大の問題作” ”我が子が殺されたらあなたは犯人に何を望みますか――” ”死刑は無力だ”

  • 刑罰について考えさせられた。
    どうすれば罪を償えるのか。
    償う気のない人に、どうやって反省させるのか。

  • 贖罪について考えさせられる作品がまた一作・・・
    最後小夜子さんの押し付けに辟易させられるところがうまいです。
    傷も人それぞれなら癒され方も人それぞれ。
    模範解答はない。
    でもその人それぞれの解答すらそうそう見つかるものでもないんでしょうね。
    タイトルが素晴らしいと思います。

  • 少しダラダラした感じがした。

  • やはり、本としては上手いなぁ。

    読後はうーーーん

  • 被害者、加害者の両者に感情移入できるように構成されていて、

    その上での問題定義。

    さすがだな。。

  • 重い重い話で、なかなか読みすまなかった。
    まるで嫌いな食べ物を噛み締めていて飲み込むのに時間がかかる、みたいな感覚。

    初めはバラバラだったひとつひとつの事実が、だんだんと繋がっていって一気に紐解ける時は非常に爽快だったが、読了後もこの重すぎるテーマが頭から離れず、全くスッキリしなかった。

  • 過去の過ちは簡単には消せない。

  • 死刑制度を題材にした,久々に重い社会派の話かと思って期待して読み進めていたのだが,最後になって焦点がぼやけて,不完全燃焼と言った感じ。ちょっと残念。

  • 東野圭吾さん、久しぶりに読んだ。
    よかった。
    これは『東野圭吾最大の問題作』という帯にもうなずける。

    東野圭吾さんは、本当にたくさんの作品を出していて、一時期ハマって連続で読んで、マンネリ化に飽きて休憩してた(笑)

    ところが久しぶりに読んだ本作は2日で一気読み。
    ちりばめられた伏線が一本にまとまっていく様は小気味の良いリズムさえ感じられる。

    『死刑制度』について。テーマは重い。

    被害者遺族、加害者家族、多角度からの目線でテーマに挑んでいる。しかしそこには結局、答えはない。自分なり考えるしかない。

    重すぎるテーマに辛いと思う人もいるだろう。答えのない結末に不完全燃焼と思う人もいるだろう。
    けれど私はそれでよいと思う。

    プロローグの甘酸っぱい幸福なふたりの結末が、あまりにも切なく悲しすぎるけれど・・・。

  • 初めに出てきた沙織がいつ登場するのか、どう関わってきてるのか。ぐんぐん読み進めました。
    子どもが被害者で読んでて苦しくなるところも多々ありましたが、救いもあるお話でした。

  • 何だか毎回同じことを書いている気もしますが、相変わらず上手いです。この方の淀みなく読ませる手腕は天下一品でしょう。
    今回、一読して殺人事件の加害者の親族を主人公に据えた『手紙』と相似形をなす作品だと思いました。物語の雰囲気としては『さまよう刃』のほうが近いかもしれませんが、いずれにせよ非常に重い。悲惨な描写もあり、特に小さなお子さんをお持ちの方は覚悟して読んだほうがいいです。
    本作では死刑制度や裁判員制度といった微妙な問題をテーマに扱っています。当然、現実世界の事件の当事者も本作に触れるかもしれないわけで、あえてそこに踏み込んだ著者の勇気には敬意を表したいです。人間が人間を裁くことに対する根源的な疑義に対して私も思うところがありますが、恐らく皆が納得できる答えは出ないでしょう。私自身も事件の当事者になったらどうなるか分かりませんし。
    と、前半部は文句なしだったのですが、後半になると小夜子の事件の真相究明に主眼が置かれ、前述した重厚なテーマが霞んでしまったようにも感じられました。エンタメなのでそのようなアプローチでも問題ないのかもしれませんが、個人的にはもう一歩踏み込んでほしかったなあと。あと、24章の後日談で明かされる内容は、小説の広がりという観点でみると削ったほうがよかったように思えました。

  • 東野圭吾さんの『虚ろな十字架』

    この事件の背景には実はこんな事件が……っていう展開なんですが、サブテーマ的に死刑制度の存続か、廃止かみたいなところも。

    子どもを殺害された被害者が主人公だけに存続の色合いが濃く描かれていて、その濃さに辟易する感じを受けました。

  • 死刑制度肯定の流れで話が進みつつ、それに反論するような意外な事件の真相が明らかになるのだが、しかし死刑を問われるような罪を犯した人間の身勝手な論理が目立ち、全く死刑制度反対に共感する気持ちは沸いてこなかった。

    死刑そのものが遺族の救いにならないのはその通り。ただ、死刑はあくまでもスタートラインであり、遺族のケアは別に制度なりを設けて対処すればよい話。

    人を殺してしまった以上、その加害者が受けるべき罪のスタートラインは、被害者がうけた被害、すなわち死以外ありえず、そのスタートラインから、被害者、加害者の行動なり人間性なりが周りの人間に及ぼす影響等を考慮して、罪を減免すればよい。

    本書を読む以前から死刑については上記結論で自分の中では完結しているのだが、本書を読んでもこの結論は揺るぐことはなかった。

    もうちょっとこの結論を揺るがすような主張なりがあれば面白かったのに、少々残念です。

  • 中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に
    死刑判決が出た後、離婚した。

    数年後、今度は小夜子が刺殺されるが、すぐに犯人・町村が出頭する。

    中原は、死刑を望む小夜子の両親の相談に乗るうち、彼女が犯罪被害者遺族の立場から死刑廃止反対を訴えていたと知る。

    一方、町村の娘婿である仁科史也は、離婚して町村たちと縁を切るよう母親から迫られていた。

    **************************************

    これまた、すごく考えさせられる内容やった。
    日本は被害者よりも加害者を守るイメージがある。

    人を殺せば、内容にもよるけど死刑でいいと思う。
    なぜなら、被害者は死んでるのに加害者は生きてるなんて、おかしい話やなと思ってしまう。

    この本の中には、加害者が殺人を犯し死刑になった途端、もう先が見えてるからか、何も語ろうとはせず、反省もせず、ただただ、死を待つばかりの態度になってしまった、とある。

    そこは、自分でも想像しんかった事やけど、それでも、世間で死刑廃止運動をしている意見には理解ができない。

    とまぁ、そんなこんなで、この本は意外と、マジメに正論らしく登場してきた人が一番クセものやった、ってのが面白かった。

  • 罪を犯したらどのように償うのか。死刑の是非、生きて重たい十字架を背負っての贖罪、容疑者Xの献身、麒麟の翼のように考えさせられる内容。殺人者を刑務所に何年いれれば真人間になると断言できるのか、虚ろな十字架に縛り付けることにどんな意味があるのか。人を殺せば死刑!の最大のメリットは、その犯人はもう誰も殺さない。どちらかといえば自身もその考え方に近く最低でも無期懲役だと思う。

  • 【あらすじ】
    11年前、主人公の中原道正はひとり娘の愛美を殺された。その後、一緒にいるのが辛くなったため妻の小夜子とも離婚し、仕事を変え一人で暮らしていた。ある日、中原の勤め先に11年前に愛美の殺人事件の担当刑事だった佐山がやってくる。そして、中原は小夜子が殺されたことを知るが、殺され方が妙であることが気になり、別れてからの小夜子の仕事や人間関係、事件の背景を探っていくうちに様々なことに気付いていく。
     
    【感想】

  • 一気読みしたくなるまで、少し時間がかかるほど
    暗い暗い雰囲気が漂ってて、滅入る内容に
    最後まで読めるのか?と思ったほど。

    ところが、さすが東野圭吾。
    途中から、エンジンがかかるんだよね、いつも。
    いや、今回のこの作品は、今までにないほどに暗い不幸な始まりだったので、「知りたい!!」を求めるまでに、時間がかかった。

    7歳の娘を殺され、妻とは離婚。
    その妻が亡くなり、真相がみえてくるにつれ
    すべてがつながっていくことに引きつけられていく。

    これまでのような、<これぞ!>のどんでん返しこそなかったけれど。
    子を思う気持ちっていうのと、命のテーマ。

    元妻が残した「死刑廃止反対」の内容から
    とんでもない事実が隠されていたことに気づいていく
    主人公の中原道正。
    感情の起伏はまったくと言っていいほどに淡々としてるんだけど、それとは比例して、
    起きてきた過去の大事件に、絶叫しそうになった。
    想像するだけで、悲しく、苦しい。

    すべての描写が、手に取るように映画でもみているように浮かんでくる、やっぱり、東野圭吾って、すごいなって改めて思う。
    ただ、東野圭吾ならではのどんでん返しがなかったところは、物足りなかったな。
    途中で、ほぼ予想がついちゃったのもあるし。

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