痙攣的

著者 :
  • 光文社
2.94
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本棚登録 : 52
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924560

作品紹介・あらすじ

伝説的バンドのステージ上で起きた密室殺人!前衛舞踏家が遺したダイイング・メッセージ!客の前から消失したイリュージョニストへの罠!-現代アートシーンで幻想的に繰り広げられる不可能事件。

感想・レビュー・書評

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  • ヒグラシと言う名前の評論家にまつわる連作集として読めば十分楽しめるのだが最後2つの作品がどうしても蛇足的。ただここを読まないと副題の意味が通らなくなってしまう。突き詰めると副題を付けた意味さえ怪しくなってくるが、そこは作中繰り返される芸術論に説明は任せておけばよい。前半がうまくできていただけにとても惜しく感じる作品。決して駄作ではないと個人的には思うのだが。

  • 「廃墟と青空」「闇の舞踏会」「神の鞭」はそれぞれ異なる趣があり楽しめた。なかでも「闇の舞踏会」は好きだなと。残りの短編「電子美学」「人間解体」はただただ吃驚させられた。思わずええー!っと大きな声を出してしまった。脳が痙攣をおこした。まじかよ...

  • 「廃墟と青空」は『このどしゃぶりに日向小町は』のキャラクターと、『太陽と戦慄』の舞台。普通にミステリとして楽しめた。
    「神の鞭」はあまり楽しめず。
    他は読めなかった。

  • ネタバレのみ


    「廃墟と青空」
    オーソドックスな音楽ミステリ。纏め方が上手く音楽談義を読んでいるだけで楽しいのはズルい。消失は手法が限定されるので驚きはしなかったがルビーの件やこの論争の目的も綺麗。幻想的に狂っていて、かつ楽しめるのは文章が上手いのだと思う。
    ちなみにこのネタ結構音作りをしなければ、スカスカな音になりそう。爆音で耳がいかれてるからあれだろうけど。会場でリハして欲しいなと思う。それだけプロ級なんでしょう。
    ※最初のシチュエーションが犯人による真実の告白に繋がり最終的に殺人に繋がるラストが綺麗。
    「闇の舞踏会」
    この不条理感と寒蝉のラストにうわあとなる。ダイイングメッセージは実はかくあるべきなのではと思ってしまう辺り既に毒されてます。正直、一人(ウム)ちょっと余分かなと思える人物がいましたが。
    事件の構図の見当はつく。しかし、皆狂っていてそれを理解出来るように描くのがこのすごさ。
    ※ダイイングメッセージが被害者を見つけた時に作品としてOXと書き作品として昇華させるという解が綺麗。それ以上にキャラクターの名前にあんぐり。
    「神の鞭」
    ひと言が綺麗に収まる快感と中途の酔いしれる感じは素敵。あの言葉(顔を見せた方が良い)はやっぱり着目はしてしまうけど。誰が何をやっていたかは見えやすいのが疵と言えば疵だけど、そもそもそれに何の問題が?
    彼岸を渡る姿が美しい。
    ※月を消す方法が綺麗。
    「電子美学」
    途方も無い。理解を放棄しかけたところに論理を展開していくのはズルい。読まざるを得ないじゃないか。
    「人間解体」
    笑わせて頂きました。映像で視ていると非常に退廃的で綺麗なグロテスクとでもいうか。小品なのに圧巻。

  • イカ

  • (収録作品)廃墟と青空/闇の舞踏会/神の鞭/電子美学/人間解体

  • ・・・噂どおりのトンミスでした・・・。

    「廃墟と青空」
    ロックバンドが舞台上から銃声とともに消失。あとにはプロデューサーの死体が。。。
    ここって『太陽と戦慄』で導師が殺されたライブハウスじゃないですか~。
    そしてまたもロック物。『マラソン』を読んでなかったら、鳥飼さんってこっちにいっちゃったのね~、ってもう読まなくなっていたかもですよ。

    「闇の舞踏会」
    アートイベント会場で出場者の一人が死んだ。その舞踏家はダイイングメッセージを残していたが。。。
    あれ?この人って前の話の人???

    「神の鞭」
    島を舞台にイリュージョニストがアートを繰り広げる、衆人環視の中でそのイリュージョニストが殺された。。。
    また出ましたよ、この人。でもなんか違うなぁ。。。えっ、そっちにいっちゃうの!?

    「電子美学」
    ここでようやく前三話が前フリにすぎないとわかります。
    そうだったの~!っていうか、脱力です、鳥飼さん。。。

    「人間解体」
    そしてオチ。ああ、そうだったんですね。み~んな○○なんですね。。。

    もう、なんといっていいやら。鳥飼初心者にはすすめられないですね、この作品は。
    ○○が出てきてからやっと、ああ鳥飼さんだ~、と安心しました。
    しかし読むのに時間がかかりました。
    鳥飼作品はあと2作になりましたが、とても心配になってきました。残りは普通の鳥飼さん(?)だったらいいなぁ。

  • トリッキーなミステリ連作。初っ端からトリッキーな部分はあるのですが、終盤になるにつれて、とんでもない事態になってきます。「モンド氏」の正体が明かされたときにはそれこそ引っくり返りそうになりましたよ! そんなのありかいって!
    そして「人間解体」を読んだとき、「相棒」ノベライズあとがきの意味がようやく分かったのでした。……そうか、これでしたか。この作品のほうが、トンデモ度は抜群に上ですね。

  • イカ!!!

  • 途中まで面白かったのに、勝手に失速。そりゃないだろう(笑)

  • 060416

  • う〜、あのガジェットは面白いんだけどなぁ…ちょっと勿体無いかも。でも、こういうバカミス(?)も好きです。

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著者プロフィール

1960年福岡県生まれ。九州大学理学部卒業。2001年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。主な著作に「観察者」シリーズ、「綾鹿市」シリーズなど。碇卯人名義でテレビドラマ「相棒」シリーズのノベライズも執筆。2016年『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞【小説部門】を受賞。

「2021年 『指切りパズル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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