- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334926038
感想・レビュー・書評
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「同情と見栄は同じなんだ、と知った。」
1980年代に大学生だった大人の、回想物語。
ブルーベリーは、甘さより酸っぱさが目立つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おそらく著者自身と重ね合わせていると思われる,
地方から東京の大学に出てきて,いまは作家になっている主人公の,
大学時代に出会った人たちとの12篇のエピソード。
(4時間17分目のセカンドサーブ)
一度は成功したもののついに自分の会社をたたむことになった檜山は,
がらんとしたオフィスに主人公を招き,飲みながら大学時代の同級生の
女友達から送られてきたというテニスの試合のビデオを観る。
それは当時主人公の下宿のテレビで一緒に観た,
1982年のマッケンローとコナーズの試合だった。
登場人物が皆なんとも不器用でいい。 -
作者の重松氏とは大学時代の雰囲気が、ほとんど同じな感じがします。
年は僕の方が少し若いけれど、東京と福岡の差がそれを感じさせない。
この短編では主人公だったり、別の短編では脇役だったり、でも、絶対にそこに僕は居たんだよな。
40代には、超お薦めです。 -
本当に短いお話の中で、人の迷いやつらさ、後悔、喜びのようなものが表現されていてgood!!
もの足りなさを感じる部分もあるかもしれませんが、学生のころと現在の自分について、共感するところが結構あります。 -
同年代の重松さん。
彼の思い出話に(フィクションかも)共感すること、思い出すことが多かった。
どの話も、余韻を残した終わり方で、自分でその後を想像してしまう。 -
ジャージ姿の釜石ちゃんが鬼気迫る形相でヘラをぶん回す
「幸せは『他人のうらやましさ』で決まるんだ」すさまじい本音である。
同情と見栄は同じなんだ、と知った。 -
時代背景が1980年代であるので、読み手の層によっては書評がまったく違ってくる一冊。けれども、今を生きる青春層も、数十年後に、「今、あの人どうしているんだろう?」と振り返る出会いの時を過ごしているんだと思う。時を経て初めてわかる感覚なのだ。
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なんか切ない
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これを読むと
無性にブルーベリーガムが哀しく思えてしまう
村上春樹が読みたくなった2こめのきっかけ
ふたごちゃん -
内容★4つ+極個人的理由★1つ。まさに同じ時代を生きていました。民放が◎局しかない地方で、東京の学校ではありませんでしたが、リアルタイムに経験したことばかりです。大瀧詠一「ロンバケ『君は天然色』」のイントロ、チューニングの音を聴くと、18歳に変身してしまうのは、私も同じ。12編それぞれに、重ね合わせられる何かしらの学生時代の出来事−決して、劇的でも、光り輝くことでもない、ほんの些細な日常の出来事−があって、とても素敵な内容です。あまり、みなさんの感想にない1編「人生で大事なものは、(けっこう)ホイチョイに教わった」が、印象深いです(この1編、あきらかに表題で損しています)。卒業後かの地を離れ、ん十年。ちょっと立ち止まったときに、お勧めの一冊です。