虚ろな十字架

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929442

感想・レビュー・書評

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  • 最後まで引き込まれて読めました。死刑は無力という言葉が印象的でした。人は他人から自分を尊重して貰いたいけどそうならないことは多いので思いを持たないことで生きるのが楽になると思いました。

  • 死刑制度に関して考えさせられる内容だったが、加害者が生き、一定の期間の懲役で外に出てきて再犯する確率が高いことを考えると凶悪な事件の犯人には死刑を執行してほしいと思う。それが次の被害者を作らないということにつながるから。しかし、本著の中にも出てくるが、死刑が決まることで遺族への謝罪や自分の罪を悔いることを止めてしまう者が出てくるのも問題としてあると思う。そもそも現実でも死刑になることを目的に犯罪を犯すものもいるので、死刑制度による犯罪抑止力は無くなっているように思う。

  • 重たい内容なのに読みやすかった。

    どうすることが罪を償うということになるのか考えさせられた。

  • 死刑問題について考えさせられるような作品だった。強盗殺人が起こってから始まり、人を殺しているのにのうのうと生きていることに苦しむ遺族が存在しする。そこには犯人には死刑になってほしいという遺族感情が存在し、司法が立ち入ることのできない難しい問題だなと思った。

  • 超絶重たい内容にも関わらずサクサク読めるところはさすが東野圭吾!!何度も読みたくなる内容では無いですが、いろいろと考えさせられる良い作品でした。

    154ページにある『人を殺せば死刑―そのようにさだめる最大のメリットは、その犯人にはもう誰も殺されないということだ。』に最初は同意したものの、読み終わった時にはそれも違うなという感じ。やっぱり、何事もそうだけど一つのルールを決めて杓子定規に物事を決めようとするのは無理があると思うし、ただ単に刑務所に入る事が罪を償う事なのかと言われるとそうでもない気がする。人が人を裁くってホント難しいね…。望んで裁判官になろうとする人全てを尊敬します(^^;。ただ、だからこそ余計に、杓子定規に物事を決めるのではなく比較的臨機応変な対応が可能な気がする裁判員制度は意味がある制度だと思いました。かなり気乗りしませんが万が一選ばれた場合にはしっかり務めを果たしたいです。

  • 2回目。内容覚えてなくて、展開気になってサクサク読めた。あーやっぱりなと思ったけど、誰も幸せになれないからとにかく犯罪はだめ

  • 悪くはないが、読み終わって嫌な気持ちになる。

  • 何気ない生活が、いかに幸せであるかが分かる作品でした。
    世の中にいる殺人犯の加害者家族、被害者家族がどんな思いで生活しているのかが登場人物の会話や感情からよく伝わってきました。
    また、死刑制度について、今まで考えたこともありませんでしたが、「人を殺した者は、どう償うべきか。この問いにたぶん模範解答はない。」この言葉に深く考えさせられました。
    物語も展開が最後まで予想できず、結末は少し悲しいですが、心がじーんとしました。

  • ほんとうに推理小説なのかと驚く程、濃く、濃くなっているストーリーだった。そして同時に殺人罪は死刑で償われるのか未だかつて無い考えに辿り着いた。
    遺族側からしたら死刑は当然だと思う。私も遺族の立場に立ったら必ずそう思うだろう。だって人を殺した人が誰かの人にお世話になり、ノコノコ生きてるのは、目障りでしかないから。刑務所にいる間だって、私たちが払っている税金でご飯を食べ、住生活をする。
    果たして刑務所は本当に犯行を犯した者が罪を償える場所なのか。答えはない。
    なぜなら地球には色んな人がいるからだ。安易な答えかもしれないが結局はこの結論に至る。
    一口に会社だって、行きたくて行ってるわけじゃない人と、仕事に誇りを持って会社に行ってる人がいる。そんなもの地球で生きてる上、必ず目の当たりにする事実だ。
    だからって罪を償わない訳でもない。誠心誠意、なんて言葉は変かもしれないが、犯した罪に対してどう向き合うか犯罪者が分かるまで教え続けるそれが本来の刑務所である場所なのではないかと思った。
    未来のことなど誰にも分からないが、少なくとも私は未来の刑務所がさっき述べたような場所になることを望む。

  • 「白夜行」と同じように、若い(中学生)カップルの過ちが後に引き起こすいたたまれない悲劇を起こす人生ミステリー。
    特に男の子の方の仁科史也の償い方が信じがたい悲しさだ。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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