- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334961886
感想・レビュー・書評
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本書のタイトルと、サブタイトルの「最初の2秒がなんとなく正しい」が表しているとおり、第一印象を科学的に分析した内容。
面白い内容ではあるけど、読み終わってしばらくしたらあまり印象に残っていない。
なんとなく、というのを判断の根拠にした時、基本的にあまり良い印象はないよね。
「なんとなくじゃなくて、はっきりと根拠を!」
と言われそう。
特にビジネスの世界では。
ただその「なんとなく」も、ちゃんと自分の人生で得てきた経験を無意識的にではあるが、バックボーン(作中では輪切りの能力と称してます)にしており、意外と馬鹿にできませんよ、っていう事を色々な事例を交えて紹介してくれている。
ヨーロッパ系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人の件は面白い。
確かに、と頷かされます。
しばらくして再読かな。 -
人はちょっとの情報で本質に近いことを把握する能力がある。それが第一印象であり、理由は分からないが、感じるものがあるということ。そして、それが正解であることも多い。
ただ、消費者調査となると、第一印象だけでは評価できないのに第一印象だけで評価しようとしたり、斬新で違和感を感じていることを拒否反応と捉えたりと、エラーが起こり得る。もっとも、違和感が最初だけの場合もあれば、それがずっと続く場合もある。
第一印象の重要性と、その理解の仕方の難しさが述べられており、ニューコークの事例などは興味深い。私自身、このタイトルに魅かれて、第一印象で買ってしまったのだが、この第一印象は正しかった。 -
影響力の武器の続編。
ナポレオンの言葉はよくわかります。 -
直感は意外と正しいし、かつ養えるものという話。時間をかけたり、言語化することで正しかったものを間違えてしまうというのは面白い。また、時間がないと「自閉症」になり、情報を処理できずに誤った直感が働くというのは悲しい現実だと思う。話の趣旨は面白いが、文体は若干あきる。
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「最初の2秒」の「なんとなく」という感覚がいかに物事の本質を捉えているか、を実験を通して証明しる。この「なんとなく」の感覚を第1感とし、人は無意識の中で現象を輪切りにして物事を見ていると結論づけている。
面白かったのは、この第1感は超能力でもなんでもなく、その人が繰り返し習得してきた感覚によって得られるものだということ。本文中に登場してきた美術評論家やテニスコーチも、言葉にはできないが「なんとなく」わかるとあるので、あらゆる専門家が専門性において第1感が働くのだと思う。
ただし、人種や性別、相手の容貌によってそれが歪んで働くこともわかった。ディアロ事件が紹介されているが、同様の事件は現在アメリカで絶えず起こっているのではないかと思われる。差別をしているつもりなどなくとも無意識の行動にでるのは、なかなか恐ろしいことだと感じた。 -
原書タイトルは「Blink」…瞬き、転じて一瞬、さらに見て見ぬ振りをするの意である。普通なら第六感と呼ぶべきところを、このタイトルにしたのは、なかなかの策士である。題名にとどまらず、かなり濃い内容。これを、一気読み。もっと知りたいと思わせる箇所が多々あった。
導入から面白い。
カードを引く実験。赤はハイリスクハイリターン、青はその逆。被験者は50枚ほどめくったところで赤は危ないと言う仮説に至る。さらに30枚ほどめくることで、その仮説を検証することができる。しかし、被験者の手にストレス測定器(汗の量を測る)を取り付けると、最初の10枚の時点で既に明るカードにストレス反応を示し始めた。なんとなくルールがわかったと意識する(40枚目)はるか以前から、実は危険を回避する行動を取り始めていたこととなる。
このように手持ちの情報を遍く用いることなく一気に結論にいたる脳の動きを「適応性無意識」と呼ぶ。
(トンとツーだけの)モールス信号にも「筆跡」が出てしまい、その通信士が所属する舞台の所在地や通信頻度による戦況分析ができてしまう。
夫婦の会話15分を1分ごとに「輪切り」にすることで90%の確率で15年後を「予言」できる。
終盤、表情を作ることで、それに類した感情が喚起されるという。著者は、竹中直人氏の「笑いながら怒る人」のネタは知らないと思うが、あれなどは、どう解釈すれば良いのか? まあ、本論とはあまり関係のない話なのだが…。
最後の警察官のエピソードは、冒頭の台詞に戻って「お気の毒」と言うしかないが、15年前のアメリカの現実なのだろう。
「#第1感」(光文社、M.グラッドウェル著)
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面白い
それぞれのエピソードが面白いし興味深い
丁寧に読めば気づくこともありそうだが、読後感は意外と残らず
結局経験がものを言うのか? -
見た瞬間に感じた“かすかなひらめき”の正しいや間違いを説明することに本書では分かりやすく書いてくれた。 特に時間的に制限されて心拍数が最高値に近ければ近いほど、人の判断力は著しく落ちていく点は興味深い。
本書から、自分が知識.経験がある分野でのひらめきはなんとなく正しいけど、それ以外の分野のひらめきは怪しいかも?と疑って、そこは時間をかけて解決していくことで、より良い結果となるのではと感じてます。