絶対貧困

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975623

感想・レビュー・書評

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  • 貧困の現状について、教えてくれる本。
    視野が広がりました。
    たしかにニュースで聞く貧困だけだと、わかったつもりになるだけのような気がする。
    本書には、途上国の方のライフスタイル、考え方、お金について紹介してある。

  • 現実と対峙することの、この重さ。

    何もすることができないとしても、
    知らなければ。
    知ろうとしなければ。

  • 恥ずかしながら石井光太の本を読んだのははじめてで、その平らかで冷静でなのに突き放さない視線がとても新鮮だった。貧困、とひとことでくくることは容易いがその中でも人が生き、会話し、愛し合い憎み合い恋をしてセックスをして子供をつくり、ごはんを食べて笑ってそして死んで行く。あたりまえのことなのにその問題の影にわたしたちはたくさんのひとつひとつがあるっていうことを忘れてやしないか、と問いかけてくる本。問題をまっとうに受け止め、かつそこにある『生』から目をそらさない、良書でした。度肝を抜かれるような話もたくさんあったけれども!ワールドカップと売春の話、おもしろかった。辺見庸の「もの食う人々」思い出します。

  • 石井光太の経験を俯瞰して整理して読める貴重な本。
    物乞いや障害者、薬物中毒に、なんといっても性のことまで思い切り踏み込んでいる稀有な本です。

    ふと思うのだけど、60年前の日本の戦災孤児はどうなったんだろう。12万人いたそうだが。
    現状復帰が可能なものでもないし、その後の社会の発展からすると、事実上死に絶えましたというものでもないだろうし。
    おそらく多くの人はまだ生きている。だけれども、「私は戦災孤児で上のガード下で寝起きしてたんですがね・・・」という話をあまり聞いたことがない。
    いまだに多くの人が、そっと黙って生きているのかと思うと空恐ろしい。
    別に戦災孤児まで遡らなくても、いまのホームレスでも同じかもしれない。

    貧困は隠すということと分かちがたい関係にあると思う。
    神戸の震災のあと、避難所や仮設住宅を見ていたら、最後には社会的弱者があぶり出されたようになった。

    だからどうというわけではないし、なにも教訓めいたことが言いたいわけではないのだけど、こうして、とにかく隠さずに事実を伝えてくれるというのは、ありがたいと思う。

  • 日本人は島国・単一民族・無宗教なために国際的な視点に乏しいです。この本は貧困について、当事者に近い目線で書かれており、ついつい貧困者とうわべだけをひとまとまりにしか、見ないですが、リアルな生活像がわかります。これらのリアルがわかることにより、世界の事情やマクロ経済の抱えるダークな問題も垣間見ることができます。

  • アジア・アフリカ地域の貧困層の実態を書いたルポ。

    スラム街・路上生活者の生活(住居、職業など)の実態が分かる。

    貧困が引き起こされる原因を知るには不十分だが、

    貧困層の生活の構造を知る上では良い本か。

  • レンタルチャイルドに比べると比較的深い話はないが、講義形式になっているため貧困等の現状を幅広く知ることができる。

  • 貧困の裏にある様々な仕組み、なぜ貧困の解決は難しいのかが図解とともに書いてあるのでとても読みやすかったです。

  • 海外の貧困の現場を実際に取材した本。
    自分がインド帰りということもあって、記憶が何度も呼び起こされ、自分が見た世界の裏にあるシステム・現実を知った。決して解決策が書いてある本ではないが、どんな問題には必ず例外的な成功例もあるんだって訴えかけられた気がした。

  • 1年のほとんどを途上国ですごす 石田氏の著書です。
    1日1ドル以下ですごす人々とともに生活したときの実体験をたんたんとのべていますが、たとえばスラム街の人々と寝食を共にしたからこそ分かる貧困だけではない彼らの日常生活にも迫れてるので、斬新でおすすめです。
    また、なぜひとびとはスラムをつくるのか、など、スラムができあがる根本の原因を、スラム外にすむ中流階級側からとスラムに住む人そのものの双方の立場から言及しています。

    内容は3部構成で、貧困のほかストリートチルドレン、売春編があります。


    おすすめではありますがいわゆるある一個人の目線で書かれた本なので、情報の取捨選択の必要がたぶんあり。

    ちなみにこの方は他にも
    HIVの本やチャイルドセックスワーカーに迫った本なども多数出版しておられます。

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著者プロフィール

1977(昭和52)年、東京生れ。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている。ノンフィクション作品に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』『こどもホスピスの奇跡』など多数。また、小説や児童書も手掛けている。

「2022年 『ルポ 自助2020-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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