マネーロンダリング

著者 :
  • 幻冬舎
3.49
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本棚登録 : 228
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344001862

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに経済小説を読んでみた。

    2年ほど前にある経済小説を読んだ際、たしかに経済、財務的知識

    は身につき大変面白かったのだが、どうも一流作家の小説を読んだ

    後だと表現が稚拙でストーリーも劇的ではなかったので続けて読む

    ことはしなかった。しかし今回はたまたま図書館で見つけ、テーマ

    が面白そうだったので、それほど期待はせず挑戦してみることにし

    た。そして見事にその期待を裏切ってくれた。主人公は元金融機関

    のトレーダーで、ある程度の財を作ったあと、香港で日本人向

    けに節税対策のアドバイスをするなどしていた。その際主人公を訪

    れた超美人の依頼があまりにも奇妙で、その依頼を成し遂げようと

    するとともにその裏に隠された秘密を探偵気取りで突き詰めてい

    く。そして最後には予想もしないような展開が待ち受けている。と

    いったストーリーである。

    橘氏はマネーロンダリングの難解な知識はもちろんのこと、読者を

    あっと言わせるような伏線のはりかた、頭の中にその画をイメージ

    できるような表現など作品のすべてに置いて読者を満足させてくれ

    る。橘氏の経歴は大学以降はわからないがおそらく金融機関での勤

    務歴があるのではないかとおもう。それに加え、作家としての資質

    も間違いなく備えているという、なんとも羨ましい。作家として実

    際に主人公のような生活をしているかもしれない。人生の早いうち

    に財をなして、颯爽と自由に暮らせる環境を作るはだれもが憧れ

    る生活だろう。簡単な仕事や投資だけで生活していけるのであれば

    なんと自由な暮らしができることであろうか。現代人、特に日本人

    は社会人になってからというもの定年を迎えるまで、労働、労働、

    労働でほとんどまとまった長期休暇をとることが社会的に許されな

    い。欧米では長期休暇を取らないと行けないという決まり

    まであるのにもかかわらず。誰かが言っていた言葉。

    「人は若い時には時間はあるけどお金が無い。社会人になるとお金

    はあるけど時間がない。」

    なんとも自由とは言えない人生なのであろうか。

    サラリーマンになってしまえばある程度の束縛から逃れられること

    はできない。あと数年で私もその一員に加わることになる。世の中

    の大半の人はきっとその運命をたどるのだろう。

    さて私はサラリーマンを選ぶのか、もしくは10年後には南の島で

    プカプカと暮らしているのだろうか、それとも・・・。

    この時期にこの本に出会えてほんとに良かったと思う。

    人生のあり方について考えさせられ、そして楽しませてもらった。

    これで橘氏の大ファンとなり、他の作品を探したのだが残念ながら

    小説はもう一作品しかないようだ。

    「永遠の旅行者」

    すぐにアマゾンで取り寄せ、もう実際に読んだのでまた後日レ

    ビューするつもりだ。

  • 面白かった。こんな世界があるんだね。でもこれはほんとにリアルなんだろうね。

  • 知らない世界を知った
    お金の魔力に人は翻弄される

  • お金って人間を壊すよね・・・という感想と。
    情報、知識があるものが結局お金を増やすこともできるのか・・・と。
    金融の話は興味深くておもしろかったけど、全体のストーリー的にはなんだか微妙でした。

  • 金融サスペンスです

    内容は我々が踏み込むことはないだろう
    途方もない金額のお話

    でもこういったお話は意外と引き込まれますよね
    みんな頭鋭すぎて格好良いし

    ストーリーも引き込まれますよ

  • この著者の本は面白いので一通り読んでみようと思い図書館から借りてきた。2001年から2002年の香港と東京を舞台とする小説。都銀→ヘッジファンドに転職し、バーンアウトして香港に滞在している日本人男性が主人公。オフショア・リテール金融や、税制に関するノウハウが登場人物の台詞の形式をとって語られる。小説としてのプロットも面白い。金融・税制に関する説明、風景の描写、香港人の一般的な思考パターンなどに関する説明がビビッドなのに対し、登場人物の心理描写は淡白。特に、主人公以外のキャラが不明瞭なために、ラストの種明かしで腑に落ちなくなるのが小説としての難点か。オフショア投資(租税回避)指南本としてはよく出来ている。法を犯さずに納税額を縮小することが出来る方法がいくつか書かれており実用書としてよく出来ている。

  • フィクション…
    しかし、実際にこのような現実が存在しているのかとおもうと…

  • クールで危ない橋は渡らない主人公のはずなのに、相手が超ゴージャスな美人というだけで事件に首を突っ込んでいく。美人の女性もいとも簡単に主人公と寝る。人間を描く”小説”としての魅力はあまりない。小説が展開される話の軸として、金融の合法的裏手口が用いられており、その点に特色がある小説。

  • gegeに借りた。
    面白くてよくよく読まない内に先が急がれ、
    一気読みしてしまってからちょっと虚無感があり、
    すぐにもう一度読み返した。
    まず、香港に行ってみたくなった(単純…笑)。
    それから、投資についてネットで検索してみた。
    →ふむふむ、この世界も面白そう。
    そして、秋生の「税率を上回って運用する事はかなり難しい、
    だったら合法的に税金を払わない、という方法が一番賢い」
    というような意味の言葉を思い起こし、うん、小市民はやはり
    おとなしく地道に働くべし……、と自分を諌める。
    中国人の気質、中国社会の気質など、
    とてもリアルな感覚をもって読めた。

  •  日本の外貨預金 20%源泉徴収課税される
      国外では課税なし。 performanceが20%高く、利率もたかい
    200万以上の海外送金は銀行から税務署へ自動的に調書が送られる

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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