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- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344015289
感想・レビュー・書評
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なんだか、重松清みたい。
読み始めてすぐに、そう思った。
中年の域に達した主人公「ノブ」は、祖母の葬儀に参加するため、離れて久しい幼少時の田舎へ、不登校中の息子と向かう。
昔は炭鉱で栄え、今は見る影もない故郷と、反応が薄くどう接していいかわからずにもてあましてしまう息子との関係。
かつての少年、確固たる父親像を持てずに戸惑う中年、消え去りゆく故郷。
・・・・・・重松清っぽくないか?
私の狭い視野による偏見だろうか。
中年になったノブと、小学四年生の、腕白な盛りだけれどもう無知でもない微妙な年齢の少年のノブの物語が交互に展開する。
三羽省吾ってこういう物語を書く人だったんだなぁ、と思う。
アイロニーとかノスタルジーという言葉が似合うような雰囲気は、今まで抱いていたイメージとどうも相容れない。
もっと突き抜けちゃったような、やんちゃなニュープロレタリア、という印象が強かったので正直びっくり。
以前の作風の方が、独特なおもしろみがあって好きだなぁ。
少年ノブの生きる世界は鮮やかに泥臭く、物語としては決して悪くないんだろうけど、なんだか綺麗にまとまりすぎちゃっている気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示