ちょっとそこまで ひとり旅 だれかと旅

著者 :
  • 幻冬舎
3.63
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本棚登録 : 774
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024168

作品紹介・あらすじ

八丈島、宝塚、奈良、萩はひとりで。金沢、京都、スカイツリーは母と2人で。フィンランドは女友だち3人で。(気に入ったので、ひとりで再訪も!)いつだってどこだって出かけられる。

感想・レビュー・書評

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  • 県立図書館には漫画は置いていない。しかし、手塚や谷口など例外はある。よって益田ミリで検索したときに、ゾロゾロと著作がでた本を漫画だと確信したのも当然だろう。なにしろ出版社はマンガシリーズを出している幻冬舎なのだ。

    予約したら直ぐに手に入れることができた。カウンターで貰ってパラパラとめくると絵がほとんどない。旅エッセイだった。表紙にある5通りの旅のスタイルがイラストの総て、である。

    マンガではなくエッセイは、等身大の彼女の呟きだけで構成されている。全てプライベート旅の記録(必ず1人当たりの旅の決算も付けている)なのだ。時々贅沢な旅もやっているけど、嫌味はない。独身後期アラフォーの一人旅、或は母と旅、彼氏と旅、友だちと旅の、「まぁこんなモンだろな」旅の内容である。基本は旅ガイドに頼っているし、美味しいものが思い出の上位を占める、という旅を決して「つまんねー旅だな」なんて思ったりはしない。私が彼女たちの旅の1/2-1/6の値段に済んでいたとしても、ガイドブックにはない場所に行っていたとしても、人生の充実をどちらがより味わえているのか?という設問に対して、私も彼女も見事に答えることができるだろう。という予感がある。

    奈良公園を歩いているとき、作者は必ず「ひとりでいる子」に気がつく。「どのグループにも交わっていない。鹿も、奈良公園も、きれいな夕焼けも、お土産屋さんも、あの子にとってはどうでもいいものなのではないか。この行程をたんたんとやりすごすことがすべてなのだ」と推察する。そして呟くのだ。
    ‥‥早く「大人」という場所に逃げておいで。
    ‥‥大人になれば少しだけ自由だよ。ひとりで旅に出たって平気だよ。(183p)

    最近になって気がついたけど、世の中には「ひとりでいる」ことが辛い「子」が、たくさんいたのだ。ごめんね、気がついてあげられなくて。

  • 母娘旅だったり、一人旅だったり。
    著者の旅は自由で、普通だったらこっち選ぶだろ、
    というところも自分の心の通りに従ってたり、
    お目当ての店ではないところに入ってしまったり、
    逆にたのしそう。

    私もどこかに行きたい、素直に思える。

  • 2010年4月から2013年1月までの期間の旅の記録。一人旅のほか、母親との旅、友達との旅などなど同行者はさまざま。

    行き先も東京日帰り(深大寺やスカイツリー)からちょっと近郊(鎌倉、茅ヶ崎、江の島)、北は青森(弘前)、南は鹿児島、東京の八丈島も。そして海外(フィンランド、スウェーデン)。フィンランドへは初めて(女友達2人と)と2度目(一人旅)の旅。章立ては時系列で行った順となっている。3年弱でこんなに旅行をしていてすごい。

    昨年12月に2017〜2019年のフィンランド一人旅を纏めたエッセイ『考えごとしたい旅』が出ていたが、本書で2011年に初めてフィンランドを訪れており、ミリさんのフィンランド好きはここから始まったのか〜と感慨深かった。

    旅はやっぱり良いなぁと当たり前の感想を持った。海外の異文化に触れるのも、国内の知らない土地で車窓から海を見ながらのんびり電車に乗ったり、温泉ホテルで朝夕バイキングしたり、いつもと違う景色や雰囲気の中でとにかく非日常を味わうのが楽しいのだと思う。今回は一人旅だけでなく同行者がいる旅もあったが、一緒に行く人によっても色んな楽しさがあるものだよなと思った。そして、日帰りで近場を旅するのも悪くないと思った。

    こけしで有名な宮城県鳴子温泉に行った時は、こけしの絵付け体験をしたそうだ。ミリさんの描いたこけしがどんなものか見てみたい。きっといつものイラストのような、彩りがきれいでほんわかしたかわいいこけしのような気がする。

  • 行きたいところ、行けないところ
    行ったことのあるところ。

    それぞれに楽しく読んだ。

    お母様との旅は、楽しくて、ちょっと切ない。
    新幹線で見送った後の寂しさに、とても共感。

  • 益田ミリさん、好きです。
    あっさり軽くて読みやすい。
    でも読むたび考えさせられる。

  • 海外は行く予定がないので
    興味のある国内のエッセイだけ
    流し読み。
    いろいろ行きたいとこが見つかる

  • 旅するように暮らし、暮らすように旅したいと常日頃から思う。そんな気持ちにぴったりと寄り添ってくれる本。

    「旅から戻ると、すぐにいつもの毎日である。昨日は〇〇にいたなぁ、と思いつつ、仕事をしたり家事をしたりしていると、不思議な気持ちになる。」
    「通勤通学の人々とすれ違うたびに、異国の地にポツンとある自分が不思議に思えた。」
    「『すごい楽しい』 今、わたしが集中すべきことは、ただひとつ。観光である。」
    「思う存分観光したなぁ。本当に楽しい旅だった。楽しい、楽しいって、何度思ったかわからない。」
    その気持ち、すごくよくわかる!

    フィンランドの回が特によかった。
    旅に出る前にもう一度読みたい。

  • ミリさんの“力の抜けた旅”エッセイ。 バリバリ見てやるぞ、土地のものは余さず食べてやる、というスタンスからは程遠く 日常生活の延長のような穏やかな目線がミリさんらしくてとても好き。(#^.^#).


    ミリさんの漫画もエッセイもキリキリしてないところが好きで、出たら読む、の作家さんです。(#^.^#)

    「47都道府県 女ひとり旅で行ってみよう」では、最初、土地の名物はスルーできないかな(そりゃそうだよね)みたいな旅程で、でもそれは自分に合ってないみたい、と段々に悟るところが素直な筆致で書かれていて、うん、なるほど~~と思ったんだよね。
    ホテルの部屋で一人のんびり買ってきたものを食べる、だって名物だからといって元々好きではない食材を無理して食べなくてもいいと思うから、には、あぁ、ホントだ!と。

    今回、ミリさんは一人旅だったり、気の合う仲間、彼、お母さんなどと、それぞれ“機嫌のいい”旅をして、そのお話を私たち読者に分けてくれている、という感じがとても気持ちよかった。

    実家のある大阪からお母さんと一緒に京都に日帰りで行ったり、北欧に仲良しの女三人で行ったり、イラストレーター仲間5人で新宿駅で待ち合わせした後、電車とバスで30分の調布市深大寺に行ったり、彼と宮城県鳴子温泉に行ったり。
    遠かったり、近かったり、様々の旅なのに、どこでもミリさんはその土地や自分の気持ちを楽しんでいることがよくわかり、可愛いなぁ、と思ったり、こんな旅をしてみたいんだよね、私も、と思ったり。

    お母さんは他のエッセイでもよく登場されるので、私は勝手に親しみを感じてしまっているのだけど、そのお母さんとの旅、ミリさんが娘の顔になって何も気を使わずに歩いていたり、東京に呼んだ時にはあれこれおもてなしをしようとちょっと頑張りすぎちゃったり、どちらも気持ちがよくわかって楽しかった。

    ただ、金沢に行った帰り道、
    「もう、金沢に来ることもないかもしれんなぁ」とポツリとつぶやくお母さんに、泣きそうになってしまうミリさん。
    「そんな時、私は自分が、まだまだほんの小さな子供のように思えてしまう。」とあったのには、私も泣きそうになってしまった。

    ミリさんのお母さんは68歳。まだまだ若いといえば若いのだけど、金沢には確かにもう来ないかもしれない・・・と、ホントのことってさびしいなぁ、と思う読者なのでした。

  • 書き手と合わなかった。
    とても傲慢で上から目線で卑屈。

    周りに対して気を遣っているのだと言いたい描写がいっぱい出てくる。
    それ以上に周囲は彼女に気を遣ってると思う。

    本人は人の食べさしや飲みさしを共有するのは生理的に無理らしい。
    でも人のお皿に勝手に自分の食べさし(嫌いな物)は入れる心理がわからない。
    おばあさんは気づかなかったってドヤ顔で書いてたけど…絶対気づいていると思うよ。
    「気遣って」知らないふりをしてくださったんだと思う。

  • 大好きな益田ミリさんの旅行エッセイ。フィンランドの旅行記もあってフィンランドに行きたい私にとっては思わぬお宝というかくぎ付けになって読んだ。
    あぁ、旅行したいなぁ。フィンランド行きたいなぁ。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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