去年の冬、きみと別れ

著者 :
  • 幻冬舎
3.09
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  • (66)
本棚登録 : 3360
感想 : 467
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024571

作品紹介・あらすじ

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だが-。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞作家らしい文学的要素を感じつつ、ミステリとしての要素も十分。人の愛と狂気が十分に感じられた。少しセリフ回しがくどいのは、著者特有なのでご愛嬌。

  • 後味がいい話では無いですが、妙にスッキリした感じでした。
    いろんな人の証言や資料があって複雑だけど、割と読みやすいです。

    ラストでいくつもの真実が明らかになって、納得できました。

  • 多種多様な狂気の混ぜ合わせで、仄暗い雰囲気が続く。ミステリとしても構成も面白く、文章も読みやすいのでするする読める。
    途中混乱したものの、伏線回収がしっかりあるのが有り難い。
    ただ、露骨な性描写は必要性を感じず、辟易としてしまった。

  • 死刑囚とその姉の狂気っぷりが魅力。死刑囚の写真への恐ろしいまでの執念、人形師の奇妙なエピソード…
    純文学として非常に楽しめたので、個人的にミステリー要素は余分に感じた。

    192頁と短い作品。忙しい人にもオススメの一冊。

  • うーーむ。
    難しい。
    あとがき入れてP195と薄い本なので、サクッと読めるかな、とナメてかかりましたが、集中力MAXで挑まないと太刀打ちできないですね。

    こちらの書籍はミステリと言っても読者巻き込み型というのでしょうか。著者から読者への挑戦状ともとれるミステリと感じました。
    ミステリは情報を整理していきながら読み解いていく力が必要なジャンルと私自身は感じていますが、この本ほどその能力が必要な本はないと思います。
    誰の語りなのか、登場人物は何人なのか、さらにはこの本は何のために書かれたのか。
    これらを紐解きながら読んでいくと、最後驚きの顛末が待っている、といったストーリーです。

    と、ここまでいかにも全部読み解いた風に書いてきましたが、自力で読み解けたのは全体の50%程度でした。
    大変申し訳ないことに(誰に?)、イニシャルの意味がどうしても解けなくて、ネタバレサイトでカンニングしてしまった。。。
    全容を知ったら、怖さが倍増。
    人の恨みは時間が経てば経つほど熟成され、復讐はより残酷なものになるのだと思いました。

    映画化されているんですね。
    予告編で斎藤工さんがいい味出してました。
    この本を映像化って難しそうですが、どういう風に表現しているのか気になります。

  • 好きすぎて、でも難しすぎて何周読んだかわからないくらいの本
    読むと毎回、圧倒されてぼーっとしてしまう…
    動機やトリックの質なんてどうでも良くなるほど面白い

    本の題名マニアなので、このタイトルも堪らない。
    『きみ』とは誰か、主語は誰か、それもまた面白い

  • ぐわ〜面白すぎる
    色んな情報が入り乱れててどうなるんだ〜ってわくわく、じめじめしながら読んでたら
    ラストえぐい 震えた

  • ミステリーあんま好きじゃないけどこれは好き

  • 後半になるにつれ頭が追い付かなかった。
    だけど、全体の話からすれば因果応報とはこういうことなのかなと。
    最期の文章は一体どういう意味だろう…。

  • 面白くて、展開が気になって、あっという間に読んでしまった。
    登場人物がどの人も常軌を逸脱していて共感はできないが、ほんと作者は表現力というかセンスあるなぁと思う。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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