伊藤くん A to E

著者 :
  • 幻冬舎
3.24
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本棚登録 : 2108
感想 : 316
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024588

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤君に翻弄されたり、見下したりしつつも伊藤君に皆んな背中を押されてる?
    人間誰しも抱えたことのある負の感情が描かれていて面白かった。

  • 文系のマウントってこんな感じ。イタい人を見下して
    安心する心根。でも柚木麻子の物語は、人の本性をあらわにする。本当は、お前だってイタいだろう?って。伊藤くんと向き合う人々が逆照射される構図。シェイクスピアの劇みたいに後半が崩壊スレスレになるんだけど、朝井リョウほどに前半からそれがあけすけじゃないから、ドキドキする。面白かった!

  • 2018/1/14

    五人の女から見る、伊藤くん。
    若い頃自意識過剰で周りによく見られたくて、でも周りのことをちゃんと見れてなくて。そんな痛々しさを思い出して辛くなる。
    どの女も毛色が違うんだけど、A〜D4人の女のダメなところが自分に重なってくる。


  • 口だけ偉そうなこと言ってプライドばかり高くて
    特に努力もなにもしない伊藤くん、クズ!!と何度も叫びたくなるくらいムカついた。笑
    でも冷静に考えると自分にも少なからずこういうところがあるなあと思って、そう考えるとぐさぐさ刺さりますね。
    伊藤くんに散々振り回されて成長する女の子たちと、なんにも成長しない伊藤くんの対比がすごい。
    伊藤くん?あ、そういえばそういう人いたねって忘れるくらい彼女たちには幸せになってほしい!笑

  • 映画化、岡田将生出演とのことで
    手に取る。

    伊藤くんを演じるのかな?
    ひとまずそのイメージで読みました。
    似合うな。

    伊藤くん、酷い性格やなー
    身勝手さに女の子たちが翻弄(?)されて
    人間関係がぶち壊れていく。
    今後の展開、というか
    その女の子たちのその後の行動によっては
    きちんとお互い向き合った関係を築き直せるような余韻もありました。

    最後の章で伊藤くんの考え方?に触れて
    少し納得した。
    そんな生き方は私にはできないけど。

    伊藤くんに腹立ちながら
    女の子たちの人間関係にハラハラしながら
    読み進められました。
    面白かったです。

    個人的にはクズケン推ししたいです(笑)

  • 伊藤くんのクズっぷりを楽しむお話かと思ったら、意外と重い話に展開していって面白かった。
    伊藤くんサイドの話も読んでみたい。Dで小綺麗なスーツ着て新宿で何やってたんだろ。
    伊藤くんは、女に生まれたら良かったんじゃないだろうか。
    お金持ちの美人はお嬢様なら、そこまで社会と戦う必要無いだろうし、異性からも傷つけられることなく、一生ちやほやされて生きて行くことも容易いかもしれない。お金持ちのイケメンより。
    クズケンがいい奴だから、この先報われてほしいな。
    実写化も楽しみ。

  • 自尊心を守ることに命をかけるの伊藤くんと、伊藤くんに関係する5人の女性。伊藤くんのような男にどうして惚れてしまうのだろうと思う。しかし、本人しか分からない内面の描写がうまい。
    佐藤優氏が「人間の自己愛とか、罪の構造を、非常によく表わしている」と紹介している。傷つくのが絶対に嫌だから、自分は土俵に上がらない。勝負しない。悪いのは全部、周囲だと思う。そして周囲に対して攻撃的になっている。
    この小説は、現代における自己愛の実相をクリアに描き出している。

  • 伊藤くん気持ち悪い(笑)

  • 『伊藤くんA to E』 柚木麻子 

    伊藤くんを巡るAからEの、5人の女達の話。最初は面白く読んでいたけれど、読み終わってとても疲れました。

    伊藤くんと言う脳内宇宙人男と、そんな彼にどうしようも無く振り回される女達。何でこんなに…と思うほど、伊藤くん、自意識過剰で自己中で、永遠のモラトリアム。何も生み出さない、何も自分から動かない、相手の気持ちや状況を慮らない。それはひたすら「自分が傷つきたくない」から。例え人を傷つける側に立っても、自分は見下されたり、傷つけられるのはいや。そして、そんな自分を悩んだ末に受け入れ、自分から何も発信しない覚悟を決めた彼の揺るぎ無さ。美しい木偶人形の様な彼に魅せられ、又は嫌悪し、憧れ、見下して恐怖した女達は、伊藤くんと関わり、離れて行く事によって新しい自分を見出したり、停滞していた場所から動き出そうとする。

    伊藤くんは、未熟な女達の欲望を映す鏡だつたのか?伊藤くんとは正反対のクズケンが唯一この中で好感が持てる人物だった。

  • シナリオライターをめざし塾講師のアルバイトをする
    27歳の伊藤くん。
    ブランド物の服をサラッと着こなすイケメンである。
    が、中身はというと、プライドが高い超甘ったれ。自意識過剰で、自己中心。
    そんなダメ男に振り回される、5人の女性たちの物語。

    伊藤くんのクズっぷりが面白すぎて、
    あっという間に読み終えてしまいました。
    生まれながらのクズが中二病をこじらせた感じ?
    強烈でした。
    何回本を閉じて「ないわー!」って言ったか。笑

    AからEにかけて
    どんどん伊藤くんの黒さが濃くなっていくわ、
    女の子たちも痛々しくなるわ、で、
    最終的にはポップな装丁とかけ離れた後味の悪さを提供してくれます。

    A,Bはそれなりにほっこりできて、好きです。
    女の子も前向きで魅力的。
    C,Dは伊藤くんも駄目だけど、女の子たちもだめだ。
    そんなに簡単に自分を安売りしてはいけません。
    Eはもう、笑うしかないよねー。
    伊藤くんをつくったのはお前か!

    クズケンが好きですね。彼がいい男に見えてくる。相対評価の不思議。笑

    他の柚木作品も必ず読みます。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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