- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344024588
感想・レビュー・書評
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彩果の宝石食べたくなった。美形なだけで痛い男と、関わる女たち。女性陣が魅力的で、皆振り回されながらも一歩前進できるのが心地よい
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直木賞の候補作にあがっている今作。
あと、柚木さんが朝井さんと同時期のデビューともあり、なにぶん「何者」と比べてしまう!
「結局、自分から何も発さない人間はこの世界で一番強いのだ」
わたしも昔はそう思っていたけれど、違うと思いました。
容姿が良いとかそういう外見上で魅力的な人な話であって、凡人はそうではないと思う。
しゃべる人は敗者なのではなくて、優しいだけだったり、しゃべりたがりの人だったり、人間の行動一つ一つに自意識を前提に考えるとひどくマイナスで悲しい。
でも、面白かったです。前作のランチのアッコちゃんは薄っぺらくて、登場人物を好きになれませんでしたが、惹きつけられる人はたくさんでてきました。
伊藤くんCで「実希もまた、聡子に必死で隠していたことがあったのだ。ああ、そうなのだ。彼女だって女の子なのだ」と親友の好きな人と寝て、その時に親友の見栄を発見して安心してしまう聡子がすごい。聡子の孤独さって客観的に見ると怖いけど、本人の気持ちに立ち返れば普通のことみたいに思える。こういう風に感じれる所をついてくるから面白かった。
でも、直木賞は穫らないで欲しいという気持ちに星3つ!
自意識ブームよ終われ〜 -
柚木麻子は面白いです。
伊藤君、真性クズ。他の人たちのその後が知りたい。 -
全く共感できなかったのは、まだお子ちゃまなのか…?
伊藤と女性5人への反感を掻き立たされて、見事に振り回されてしまった。
もう少し時を経て、読み返したい。 -
・文学には解毒作用がある。
・自分の中の違和感を大切に。胡散臭い自己啓発はなぜそう感じるのか。それは表面的な変化しか与えないからでは?本当に苦しい時、縋るように伸ばした手が掴んだもの、それはあたかも極限状態において人が宗教を、神の存在を感じるが如きもの。それがホンモノでは?
・他人をマウントの道具に使わない。円外のよくわからないものとして認知するに留めること。
・聞かれていない事は話さない、必要最小限かつ最大量の言葉を
・最高の人は恐らく見つからない。その人を天使に例えればわかる。そもそも天界から地上に降りてくるもの好きはほとんどいない。
・自分の行動のインセンティブを記録する。人は見たいようにしか世界を見ない。自分の価値観や行動理念をコロコロ変える。だからこそ定点的存在、視点が必要。 -
伊藤くんは神か、悪魔か。
ポップな表紙とポップなタイトルに惹かれて手に取ったけど、なかなかしっかりした話でした。
伊藤くんを取り巻いた人々のお話。
あえて過去形。
冒頭に戻ると、伊藤くんは神か悪魔か。
もしくは憧れ?踏み台?
確かに人間、伊藤くんの最後の主張のように生きるのが楽である意味一番強いのかもしれない。
一番人間らしい人間の本質の塊ような気がする伊藤くん。
だけど、そこに留まれずぐるぐるしたり二の脚踏んだり前に進んだり後退したりするのがまた人間なんだよなー。
主人公たちはみんなきっと伊藤くんを踏み台にして、未来へ向かうんだと思う。
全編通して最後に小さくても光が見えるいいお話でした。
伊藤くん、結構羨ましい考え方してるよ。
@図書館本 -
殴られた。
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親戚が経営する塾でアルバイト講師をしながら自由気ままに生きる伊藤。実はシナリオライターを目指しているというが、本気でその世界に出ていく気がないことも、そんな才能があるわけ無いことも、誰もがわかっていた。
顔だけは良いばかりにチヤホヤされるこの伊藤という男。自分が傷つくことは何より恐れるくせに、人を傷つけることには暇がない。よくこんな男の描写ができるなぁと思うのと、でも実際こういう男は一定数いて、騙される女がいることも事実なんだろうと思わされる嫌なリアルさ。最後の章はホラーかと思ったけど、そういうオチじゃなかった(ホッ)。 -
2021.10.07 図書館