伊藤くん A to E

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024588

感想・レビュー・書評

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  • 顔はいいけど、自意識過剰で、無神経すぎる伊藤誠二郎。こんな男のどこがいいのか?
    彼に心をかき乱される女たちを描いた『伊藤vs女性』形式の連作短編集です。

    伊藤に何年も片想いしている美人、伊藤から好意を寄せられ迷惑がるフリーター、伊藤を思い通りに動かそうと目論む女…etc
    相手が変わればこんなにも違うものなのか、読む前に思い浮かべた伊藤像とは全く違う姿に驚かされました。
    後半に出て来るクズケンが結構いい味出してます。伊藤よりクズケンの方がよっぽどいい男なのに…!

  • 伊藤を巡る5人の女性たちの話し。
    愛されたい、自分の殻に篭っていたい、傷つきたくない、という人間味の強い欲望の中で全員が藻掻く。

    E以外は面白かった。普通の「女の子」という感じがとても良かった。
    前にも何かの本のレビューで書いたと思いますが、ドラマ脚本とかスタイリストとかの職業系はあんまり好みではないので、普通のOLとか販売員、アルバイトなど職種が好きです。完全なる好みなのでアレですが・・・。

    Eの章は「何者」の最後の口論みたいでした。(良い意味)

  • 2018/12/11
    圧倒された。毒気が強い。
    ひたすら不快な伊藤君が痛い目にあってスッキリしたいと思いながら読んでたけどそんな次元じゃなかった。
    ポカーンとしてしまった。
    伊藤君がこんなに自覚して伊藤君だったとは。
    それでも何か決定的にわかってない感じもある。すごく気持ち悪い。
    登場人物全員私な気もするし、全員私とは違う気もする。
    すごく気持ち悪いし、すごくしっくりくる。
    伊藤君の傷つきたくないという主張はとてもわかるんだけど、だからと言ってその選択はしない。惨めだもの。
    いや、違うかも。選択をしないんじゃなくこんなこと意識してできない。気付いてても気づかないふりする。
    一生懸命やってこれなんですと自分にも周りにも思われないと。
    この演説をすることにすごく傷つくんじゃないのかな。
    だから暴れたのかな。
    伊藤君、興味深いけど絶対に近寄りたくない。
    でも私も伊藤君寄りなんだよなぁ…
    クズケンはもうちょっと報われていいよ。

  • 読者の性別で感想が違いそう。

  • 何と言ったら良いか分からないというのが感想です。伊藤くんは感情移入できない人でした。本人の描写や女性からの感想でどんな人か分かるけど、こんな人だなと形作ると壊れてしまう。対して女性側は、(周りにいるわけではないけど)分かりやすく読んでいて安心できました。伊藤くんを好きになる以外は。

  • クズの伊藤くんを囲む女たちの話

    1.伊藤くんの事を諦められない年上女
    2.伊藤くんが想いを寄せる貧乏引きこもり女
    嫌いだから失礼な事言えるけどそれが嬉しいらしい
    3.ケーキ屋で働く男性依存の女
    伊藤先輩を好きな友達の友人
    4.3の友達サイド
    伊藤先輩にフラれて大学の片思いしててくれたチャラ男に処女奪ってもらおうとして、でも片思いしててくれたのに気付かず傷付ける
    5.元売れっ子脚本家
    伊藤含む後輩を勉強会と銘打ってつぶしてるクズケンも門下生

  • ランチのアッコちゃん超えならず

  • 伊藤くん。
    嫌なヤツってわけじゃないけど、
    上手くやってけない残念な人と思っちゃう。

    そんなこと言ってる自分だって
    上手くやってけない残念な人、だけど。

    だからかな。
    思ってることをそのまま言っちゃう彼に、
    嫌悪とともに嫉妬の気持ちが生まれるのは。

  • 伊藤くんは気持ち悪い。イライラする。
    痛い目見ればいいのにという攻撃的な気持ちで読み進めていてふと気付いた。もしかして同類嫌悪かもしれない。
    しかしこんな人たくさんいるような気もする。誰の中にもあるずるさや醜さを濃縮したのが伊藤くんなのかも。
    傷つかないために自分からは何もしないという選択をした伊藤くん。自分だけの理屈でガチガチに武装して、おれ無敵、と決めてたけど、傷つきたくない弱さをひけらかしていることには気づいていなさそうだった。ある意味無防備。純粋。
    そういうところに彼女たちは惹かれたのかな。純粋でいられなかった人たちにとっては痛めつけたくなるような存在かもしれない。

  • 2018.02.15 読了。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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