- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344417038
感想・レビュー・書評
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高野さんの著作の中でもトップレベルで面白い。第二弾を予告しつつ、12年も進捗がないようなのでもうやらないのかもしれないが、是非とも再開してほしい。
高野さんの本を読んでると、マスターキートンを読んでるような感じがする。高野さんを狂言回しに、登場人物の文化、歴史、性格などなど、立体感を持って描かれるからだろうと思う。文字情報だけで、それだけの表現をする氏の文章力が堪能できる一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかった〜 こんなにちゃんと発見できる(しかも1日とかで)なんて、運が良すぎる
適当に答えたことが全部合ってたのもすごい 普通の人ではこうはいかないよね
世界ではいろんなことが起こっていて想像を絶するような体験をしてる人もいて、それでも頑張って生きてるんだなーって感動した
巻末にメモリークエスト2の企画があったけど、やらない感じなのかな…やってほしい〜 -
他人の「思い出の人」を探す。それも日本ではなくて世界で、、という壮大な「あの人は今」的なルポ。
高野さんの作品はムベンベやワセダ3畳など以前読ませていただいていますが、なんとも言えない可笑しさと、ワクワク感がある。今回の話もそうで、写真一枚と断片的な他人の記憶を頼りにタイの奥地に人探しなんて、酔狂以外のなにものでもないのですが「運と縁とタイミング」がカチッとハマるんだよね。
世界は広い。けれど狭い。いやどっちやねん?と思わせる作品。 -
人探し本。他人の10年以上前の思い出のあの人を他国へ探しに行くという企画の本。めっちゃ面白い。見つからなくても面白いのに見つかるともっと面白い。
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面白い
相変わらず面白いのだけどテーマが人になったとたんなんかテレビ番組っぽく感じてしまった
幻の怪物を探すのだってテレビ番組にあるのだけど、高野さんのは予定調和でないことがポイントか
人を探すと上手く行きすぎてしまうということか
不思議 -
とにかく面白い。あれだけのボヤッとした情報だけで、他国の人を探し出し、会えてしまう。。すごい。。タイの田舎や、セーシェルの海辺、南アフリカなどなど。。高野さんの文章は、自分もそこにいるかのように感じてしまう。書かれている内容の解像度がちょうどいいのかもしれません。自分もバイクの後ろに乗って、お尻が痛いみたいに思ってしまうし、セーシェルの海辺の暑さ、汗ばみ、セルビアの旧市街の石畳を歩いて、コーヒーの匂いを感じてしまったり。。とにかく、高野さんの文章は、メタバース並みに、リアル感がたまらないです。高野メタバースを作ってほしいです。
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今年の1冊目は高野氏の企画もの。相変わらずの行動力と分析力とコミュ力で応募者からの探索依頼に近づいていくのはさすがの一言。軽く面白くたまに深く、特に後半は一気に読んでしまいました。そろそろ高野ワールドから脱出して他の本に戻らねば。
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読者から寄せられた思い出をたどっていく旅なので、責任感というか義務感というか、いつもの高野さんの旅にはない妙なエネルギーが発生していて異質。
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奇跡的な出会いってあるんだな。
同じベクトルをもった人は出会いやすいのかも。 -
読者から、海外の人探し依頼を公募。
その中から選りすぐりの案件を著者が実行した話。
いやはや、すごいな!の一言。
その中で一番面白かったのは、結果的には著者絡みのリシャール・ムカバの話。
第ニ弾の告知もあるが、今もって発表されていないということは企画自体が消えたかな。 -
リリース:あぜやん
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高野さんがかわりに人探しをしてくれる本。
なんだけど、すごい人ばっか出てくる。
特に後半。 -
探索のプロか~(^^; 怪獣ムベンベをはじめとした未確認生物を探しに行って(実際には行けなかった所もあるが)は、見つからないのに笑える紀行文を著す作風で、それでこう言ってしまうところが笑えるのである。しかも、自分の思い出クエストまでシレっと入れてしまうところが著者らしい。Webでお題を募集して、その結果はWebではなく書籍にする幻冬舎にも好感を抱いた。巻末を見ると著者の意気込みも勇ましい続編PRがされていたが、果たしてどうなることか? 私的「高野まつり」は本書読了で一旦休憩にするつもり。文庫は19冊目なり
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(2016.4.16)
(364P) -
企画が面白い!筆者と一緒ににわくわくドキドキできる楽しい一冊でした。
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読者から探し人の依頼をつのり、高野さんが世界を舞台に探し歩く。今回は、タイ、セーシェル、南アフリカ、セルビア。スーパー小学生、春画コレクター、何カ国もを大脱走したコンゴ人、ユーゴスラビアの戦火で行方知れずの留学生仲間。幸運と好奇心と行動力。すごい引き寄せ力だなあと思いつつ。地を這うような視線から現地の生活を、風俗を、社会を浮かび上がらせてくれる。第二弾も募集中のようだけど、単行本にはなったのだろうか。/タイ人はそういう無駄なことをしない。鳴らして渋滞が緩和されるなら鳴らすだろうが、そうでなければやらない。怒ってもいいことがないから怒らない。路地から強引に車が出ても怒らないのは、自分も立場がちがえば同じことをするとわかりきっているからだ。。(p.24)/中国製のコピーCDが二枚で50バーツ、近藤真彦と倖田來未のセットでジャケットは谷村新司…/タイ人は少数民族に優越感を持ち、強く出るのがふつうで、子供も例外ではない。スーパー君が賢い子なのは確かなんだろうが、彼をほんとうにスーパーと西田さんに感じさせたのは「人徳」ではなく「民族の事情」だった。(p.52)/楽園のリゾート、セーシェルで、ツナ缶に塩をかけ、あつあつの飯にぶっかけてスプーンでかき込む、ワセダの三畳時代の定番だったツナ飯だ。/南アフリカでも、コンゴ人を探すなら、コンゴ人コミュニティ、もともと部族社会だし、外国ならなおさら結束をたかめる。/コンゴ人とリンガラ語やリンガラポップス、ダンスをもとに仲良くなっていく高野さん、たくましい。/南アはおそろしく不便だと思っていたが、「持つべきもの」を持っている人間にはひじょうに便利なのだ。すなわち、「車」「携帯」「クレジットカード」である。「新しいアパルトヘイト」という言葉が頭に浮かんだ。(p.238)/生きながら焼き殺された人の写真は芸術的に美しかった。そう、ちょうどピューリッツァー章をとるような写真なのだ。見出しも記事の一つ一つも、欧米人がアフリカの国を取材して書いているようだ。フェアで遠い。新聞は白人と一部の黒人エリート層の手にあるのだろう。凄まじい貧富の差、めちゃくちゃな格差社会だ。(p.262)/「経済制裁が行われるとどうなるか知ってるか?表の経済がストップするから、みんな闇経済になる。怪しい連中がどっと入って来るんだ」(p.340)/「俺たちは毎日カフェに出かけて行ったよ。爆撃はすごかった。ズーン、ズーンと体の芯に響く。その中でコーヒーやビールを飲むんだ。何千、何万という人間が集まってな。それが俺たちの『抵抗』だったわけだ」(p.342)