- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344417489
感想・レビュー・書評
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どこの国の人間だろうが、人の性質というものは個人個人でそれぞれ違う。アメリカ人だから日本人だからとひと括りにするのはよくない考え方だ。だがしかし、やはり風土に育まれる何かはあるのだ。
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再びの日本、再びの北海道。
今回は定山渓。
親日家の外国人に会うと
なんか嬉しい。そんな感じ。
一瞬、ザンテさん、大丈夫??となったけれど
全体的には、やっぱり優しい人々がたくさん。
歴史の中にはいろんなことがあるのだなぁ、
それはそれは人それぞれに。
また、小学生も登場して、なんか嬉しい。
温泉入ってなんか嬉しい。
ザンテさん、また日本にいらしてくださいね。 -
小気味のよい語りと展開。愛嬌のあるザンティピーと人情のわかる登場人物たち。小路らしい小作。ザンティピーの休暇が先だと知らず読んじゃったけど、だいじょーぶ。
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★その毎日の向こう側に、温泉が待っている。(p.238)
寅さん探偵ふたたび。/負傷したザンティピーに新たな依頼。/日本の温泉地を見るために定山渓に行くパトリシアのボディガード。/いきなり後頭部を殴られ昏倒、洞窟に閉じ込められる。/パットは無事か?/誰が、なんのために?
■ザンティピーについての簡単なメモ
【休暇 一行目】人は誰でも秘密を抱えている。
【仏心 一行目】人は誰でも〈秘密〉を抱えている。
【アーノルド】ザンティピーの親友。シモーヌの兄。警察時代の同期で相棒。互いに遺言を交わし会っている。
【足砂埋/アスナズメ】お盆の最終日、砂浜に足首まで埋め太陽が沈みはじめてから完全に消えるまでの間じっとしていたら一年間はうっかり名前を言ってはいけないアレの名前を口走っても大丈夫。
【厚田義男/アツタ・ヨシオ】ジュンの担任教師。郷土史家。ナイショだけどミッキーのカレシ。たぶん研究者としてタブーを侵そうとしたりするのだろう、ゼンジローに嫌われているのでナイショらしい。
【イアン・メイリング】金髪巻き毛の青年。
【岩谷恵美/いわたに・えみ】→エミー
【岩谷朋子/いわたに・ともこ】トモノリの妻。エミーの母。
【岩谷千野助/いわたに・ちのすけ】トモノリの父。エミーの祖父。八十歳。岩谷屋の創立者。
【岩谷智則/いわたに・とものり】→トモノリ
【岩谷屋/いわたにや】湯郷〈岩谷屋〉。定山渓の温泉宿。エドの友人「トモノリ」が経営している。建物は和洋折衷という感じで立派なもの。外国人の別荘として建てられたらしい。定山渓で最も古いとされる。
【岩谷祐也/いわたに・ゆうや】→ユウヤ
【エヴァ・デニスン】依頼人。大学の事務職員。シモーヌの知人。
【エド・ヒースウッド】依頼人。六十歳。日本に行って温泉地を見てくる長女パトリシアのボディガードをと。ボストンで「イースト・ヘブン・ホットタブ」というスパを経営しそこで使っているホットタブを販売もしている。孤児として生まれ卑屈にならず明るく恩だけを記憶したくましく生きることによって立志伝中の人物となった。
【エミー】岩谷恵美。ツヨシと仲がよい。
【御口/オングチ】オンジョイワにいる名前を言ってはいけないもの。妖怪の類いと思われる。目が一つしかなくて口が大きい。オングチさんを怒らせると石女になるらしい。
【オンジョイワ】御浜から十メートルほどの海中にある岩。謂れはあるが言ってはいけないことになっている。要するに名前を言ってはいけない何かがいるということのようだ。
【小平/オビラ】ゆーらっくの湯がある。旭川まで一時間。
【御浜/オンハマ】崖。ゆーらっくの湯の近く。神様がおわすところなので入ってはいけない。ゼンジローが管理者の頭。
【カサジマ・ゼンジロー】→ゼンジロー
【カサジマ・トキ】→トキ
【カサジマ・ミキコ】→ミッキー
【カサジマ・ミチコ】→ミチコ
【カサジマ・ヨシイチ】→ヨシイチ
【カサジマ・リュウイチ/笠島隆一】→リュウイチ
【化石】山の方で採れる。《化石と聞いて心躍らない男はいないだろう。》休暇p.104
【兼実健一/かねざね】岩谷千野助の友人、俊道(としみち)の息子。兼実観光開発社長。エミーによると岩谷屋を買いたがっている。
【カンダ・トモオ/神田智夫】自動車修理工場をやってる。リュウイチの祖父の友人。
【キース・ベイン】弁護士。マクミランの代理人。
【聞く】《人から話を聞き出すというのは実はかなりテクニックのいる作業なのだ。》休暇p.107。探偵にも郷土史家にも必要な技術。
【ケイザン和尚】北辰寺の住職。ツヨシの父。
【コウダ】七十代後半の老婦人。
【サンディ】アレクサンドラ。ザンティピーの妹。ザンティピーは両親とは折り合いが悪いが妹とは仲がいい。リュウイチと結婚してゆーらっくの湯の若女将になった。
【ザンティピー・リーブズ】主人公。愛称はティップ。身長百九十センチほど。探偵。元警官。マンハッタン在住。言語取得能力が高く二時間ほど会話を聞いていたら日常会話くらいはできるようになる。英語、フランス語、イタリア語、ロシア語、ドイツ語、スワヒリ語、中国語、日本語は使える。ただし日本語はビジネスでは使いにくいタイプ。読み書きは苦手。大学では生物学専攻で演劇部所属。たばこはウィンストン。自分でも認めるお節介な性格。「仏心」のとき三十八歳。
【シモーヌ】ザンティピーの無償のアシスタント。恋人かもしれない? 二十八歳。大学生。奇抜なファッションが特徴。兄のアーノルドはザンティピー警察時代の相棒で今は潜入捜査官。
【ジュン】ジュンイチ・ニシザワ。小平の少年。十一歳。大人しい性格。母子家庭。絵が上手い。野球が好きで中学校では野球部に入りたい。
【ジョン】サンティピーやサンディが子どもの頃死んだ飼い犬。
【善二郎/ゼンジロー】笠島善二郎。リュウイチやミッキーの祖父。トキの夫。八十一歳。
【タフ】警官や探偵は《タフでなければできないだろうと人は言うが、そうではない。タフでいられることに慣れていくのだ。》休暇p.110
【タロウ】ゆーらっくの湯の飼い犬。北海道犬。
【ツヨシ】藤村剛。小学五年生。北辰寺の息子。洞窟っぽいところでザンティピーが囚われているのを助けてくれた。
【ディヴィッド・ワットマン】ザンティピーの警察での先輩。常に冷静沈着で信頼おける。〈雄牛〉と呼ばれる。息子のダニエルも警官になると言っている。最近日本食に凝っている。
【鉄心】ツヨシの祖父。
【トキ】リュウイチやミッキーの祖母。ゼンジローの妻。八十五歳。
【トモノリ】岩谷トモノリ。エドの友人。定山渓の「岩谷屋」のあるじ。
【日本語】ザンティピーの日本語はおおむね「寅さん」。標準的な話し方もできるがこの方が気楽なのとこういうしゃべり方だとほとんどの日本人が好意的になりフランクになってくれる。
【バートン】ザンティピーと同じビルの六階にオフィスを借りている怪しげな貿易商で呑み仲間。ザンティピーが日本土産で贈った扇子がお気に入りのようだ。《仕事上の信頼はできないが、男としては信用できる。》仏心p.8
【ハシモト】七十代後半の老婦人。
【パトリシア・ヒースウッド】エドの長女。二十四歳。血のつながりはない。優しく、賢い。エドはゆくゆくはスパの経営を任せようとしている。日本の温泉地を見るために定山渓に行くことになりザンティピーがボディガードすることになった(仏心)。愛称はパット。
【藤村剛/ふじむら・つよし】→ツヨシ
【ベル】開拓時代、岩谷屋の建物を別荘として建てた、外国から来た技術者と思われる人物。
【ボーヨーダイ】おそらく望洋台。町を一望できる。
【ホットタブ】数人入れる大きな浴槽。日本で一般的に言われているいわゆる「ジャグジー」とほぼ同義かと。
【マクミラン&ペレケーノス事務所】ザンティピーの依頼人と思われそれが腹を負傷する原因となったようだ。
【マコ】マコト。小平の少女。十二歳。片親がいない。
【ミチコ】カサジマ・ミチコ。五十歳。リュウイチの母。ヨシイチの妻。ふくよかな優しい感じの人。
【ミッキー】カサジマ・ミキコ(笠島実希子)。リュウイチの妹。スレンダーな肢体に長い黒髪、子犬のような丸い瞳。大学の国文学教室秘書。
【ユウヤ/祐也】岩谷祐也。トモノリの息子、エミーの兄。エドとトモノリはパトリシアと結婚してほしいと思っている。
【ゆーらっくの湯】サンディが女将をしている温泉宿。北海道の「ルモエ/留萌」の「オビラ/小平」にある。銭湯と宿を合わせたようなタイプだが若向けにこじゃれた感じに改装している。部屋数は十五室ほど。地元の人もよく集まる場所となっている。
【ヨシイチ】カサジマ・ヨシイチ。リュウイチの父。ミチコの夫。小学校からの同級生だった妻のミチコと同様優しい感じの人。
【リックの店】ザンティピー行きつけの店。ハンバーグだけがやたらに旨い。最大の特長は値段の安さ。
【リュウイチ/隆一】カサジマ・リュウイチ。サンディの夫。ゆーらっくの湯の三代目。調理人として修行しており持ち場は厨房。ザンティピーと同じくらいの身長。涼やかな印象。
【レジー・ジャクソン】ザンティピーがジュンのためにホームランボールにサインをしてもらったメジャーリーガー。アニメ「侍ジャイアンツ」にもモデルになった選手が出てるくらいのスターで当時最高のバッターとされていました。えらい大物へつながるコネがあったんやなあと。ヤンキースには1970年代に在籍してたみたいなんでこの話もその頃かと。 -
シリーズ2作目。1作目の『休暇』を面白く読んで、続編のこちらも手に取りました。
こんな寅さん口調のアメリカ人なんているわけない…と思いつつも、外国人目線での日本文化の良さを再確認できるのは好きなポイント。
ただ、前作と既視感のある設定が気になり、あまり楽しめませんでした。ザンティピーの同行者の行動にも感情移入できず。真相についても、昔のこととは言え、モヤモヤが残りました。
結局、ジョーザンキーってどこだったんだろう?
次作は読まないかも。 -
ル、モエ市。オ、ヴィラ。ジヨーザンキー。楽しいミステリーです。
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誰しも、秘密や隠し事の一つや二つは持っているもの。
幼少期のそれは可愛らしいものであるが、齢を重ねるごとに、墓場まで持っていかなければならない程に重大になったり。
べらんめぇ調NYの探偵シリーズ第二弾。
北海道の温泉街で繰り広げられる一事件。
ほっこりでした。
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ザンテはいい奴だなぁ
外国人らしくないや
ゆっきーは北海道が好きなんだなぁ
どの作品も舞台はほぼ北海道だ
僕は寒いのが嫌いで北海道を毛嫌いしてるけど
北海道の自然はいいものかもしれない
夏の北海道なら行ってみたいな -
2014/11/1図書館から借りてきた。
2014/11/15までにお返しください。
「おいらには仏さんがどうとかこれっぽっちもわからねぇよ。でもよ、仏さんてのはあったかい心を持ってるんだろう?優しい心を持ってるんだろう?人間誰も持ってるはずのそういう心を、ぐんぐんと大きくしてやるのがあんたたちお坊さんの役目じゃねぇのかよ。悲しんでいる人を宥(なだ)めて、死んだ人の分まで頑張って生きていきましょうってのを、てめぇの子供に、孫に、皆に、それを伝えねぇでなんのためにお坊さんやってんだよ。その禿げ頭は伊達に禿げてんじゃねぇだろうよ」
2014/11/8図書館に返却。
「THE AUTUMN AFFAIR OF DETECTIVE ZANTIPPY」
「探偵ザンティピーの仏心」