- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344417694
感想・レビュー・書評
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知ってた本、知らなかった本、読みたいと思ってた本、自分では絶対手に取らなかったような本・・・色々な本が沢山載ってて次に読む本を物色できて大変助かりました。
エッセイも興味深く、平成ノブシコブシのお二人のエピソードはつい笑ってしまった。全体的に、又吉さんの優しい人柄が溢れていて特に「小説は自分の感覚で正直に読んでいいのだと思った」という一文で私もホッと救われたような気持ちになった。
確かに、マスコミで面白いって宣伝してるから〜、ドラマ化(映画化)したから〜、すごく売れてるから〜って読んで「な、なんじゃこりゃあ!これ文章?」な本って沢山あったり、逆にすごくマイナーだけど「いい話だな〜」って本も沢山ある。又吉さんの他の本も読んでみたい。 -
独創的だけれど、やさしくってなんだか落ち着いて読んでしまいました。
なんというか感覚が好きですね。 -
先日読んだ「学校では教えてくれない 人生を変える音楽」に載ってた又吉直樹という人の文章に感心したので読む気になった。
あちらは音楽、こっちは文学。又吉直樹のアプローチは似ているけれど、こっちはもう少し本のことを書いてくれよと思った。なぜだろう? 音楽は書きようがないけれど、文学のことは書きようがあるからかな。
良い文章を書くには、とにかく読むことだな、と改めて思う。
この人なんか芸風が大槻ケンヂに似てる。書くものに十分インパクトがあって、本職(お笑い?とパンク?)を見てみたい、と思わないところも似てる。 -
読書家で知られる又吉氏によるお薦め本の紹介がメインだと思っていたら、それは少なければ2行だったりする。でもこれで良かったし、面白かった。
又吉氏が太宰治の生まれかわりと言ったら言い過ぎだけれど、不思議な何らかの繋がりは有ると思ってしまうエピソード、すごい。
あと、担任の先生達に姉弟ともに恵まれてなくて…。先生達ひどいな…。(又吉氏は非難めいたことは書いていない。私が思ったこと。)
又吉少年も面白いけれど、出会ってきた周りの人達もかなり変わっていて面白い。
ライターを借りに来て、工作に長いベロ付けた不思議な少女は今頃どこかで前衛的な芸術家になってたりしないか? -
お笑い芸人「ピース」の又吉さんが書いた読書記。3〜4ページほどの短いエッセイ集。
本の紹介に繋がるのか?と思わせる自身の体験談が上手く本の紹介へと繋がる。
独特の体験談に思わず笑ってしまう。
電車内で読むと変な人に間違えられるので、要注意。 -
以前"笑っていいとも"で、又吉氏がお勧めの本を他の出演者たちに紹介するコーナーを偶然観ました。
氏が本好きなのは知っていましたが、その時の話に凄く引きこまれました。
コーナーでは何冊か紹介していましたが、特に西加奈子さんの"炎上する君"を読みたくなりました。
実際に"炎上する君"を購入して読みました。
それから又吉氏の書評連載を集めた本書があることを知り、
どんな本を読んで、どんな本を紹介しているのかが気になり本を手に取りました。
ひとつひとつの書評も短く隙間時間にサクッと読めると思います。
多読している分、やはり文章表現が上手だった。
皆さんのレビューの通り無理矢理とも思える書評(?)もありましたが、
又吉氏のクスっと笑える経験や思い出を本の紹介に絡めてあり楽しく読めました。
特に"サッカーという名の神様"のコーチの件と"友達"のゴッドの件が面白かったです。
この本でまた読みたい本が増えたし、あまり読むこともなかった純文学なんかも読んでみたくなりました。 -
自分が「普通の男の子より、すっごく怖がりで弱虫」ってのは保育園の年長になった時くらいから気がついていた。
映画『ザ・フライ』を観てから、2週間くらい肉が食べられなくなり。
映画『エクソシスト』を観てから、女の子の後ろ姿にちびりそうになり。
映画『エレファントマン』を観てから、公園のブランコの隅っこで、彼のこと考えてシクシク泣いていた。
身体も小さくて気も弱いボクにとっては、ブルースリーやジャッキーがヒーローで、ランボーみたいに戦闘ヘリを弓矢で落とすようなめちゃくちゃな男に憧れた。
今でも「サバイバル」って言葉には魂が震える。
でも、実際のボクは、夜行バスでは一睡もできない。
憧れの結果、アクション映画に慣れていた小学生のボクは、戦争シーンで人が吹っ飛ぼうが、ソ連兵らしき無表情な金髪が銃弾で倒れようが、平気でうまい棒をかじりながら画面にもかじりついていた。
そんなボクが、たまたまTVでみかけた安っぽいアクションの日本映画に衝撃を受けたのは何歳の時だったろう?
画面では、瞳孔が開きっぱなしみたいな男が躊躇なく引き金を引き、なんだか難解な言葉を吐きながら、最後には踊るように・・・・・・。
画面から目を離せなくなって、見終わったあとガクガクと震えていた。
完全に狂気に当てられていた。
「この人コワい。なんか怖い。もう、会いたくない。」
それからというもの、ちょっとでもこの俳優が出ている画面は無理矢理でもチャンネルを変えていた。
その俳優の名前が「松田優作」と知ったのが中学に入ってからで、見た映画が「野獣死すべし」だと知ったのは、大学に入ってからだった。
怖がりのボクにとっての松田優作は、憧れではなくて恐怖の対象だった。
同じように、怖さを感じてしまった本がある。
中学2年生の時、学校の図書館でタイトルが馬鹿馬鹿しくて思わず手に取った本だった。
皮肉な題名からして、「たぶんコメディなんだろうなぁ」と思ってページをめくった。
読み始めてから、冷や汗が出た。
そこには、まるで今の自分そのままの主人公が日常を振る舞っていた。
あまりにも今の自分が見透かされているようで、読みすすめていくうちに胸骨が圧迫され、ついには本当に息が苦しくなり、半分くらいのところで本を閉じてしまった。
カバンに入れておくのも気持ち悪くて、慌てて図書館に返してしまった。
それからその本は二度と手に取ることはなく、作者にもとても苦手なイメージをもってしまった。
自分の裸を、文章に晒されているような気持ちになる。
その本の名は『人間失格』。
作者はもちろん太宰治である。
僕にとっては、はじめて手に取った純文学だったと思う。
大の太宰ファンの又吉直樹さんがはじめてその作品に触れたのも、中学校の時に読んだ人間失格だったという。
おこがましくもTVで見ている時に「この人はボクと似ている部分がある気がする」って思っていた。
でも、それは間違いだったなぁ。
中学2年生のボクは人間失格を読んで「あぁ、自分と同じ人間がいるから安心した」って思えるほど、自分を肯定できなかった。自分に自信がまったくないので、耐えられなかった。
サッカーで名を馳せる又吉さんと違い、運動なんてまるでダメだし。
高校時代に彼女どころか、初恋の相手に告白さえできないヘタレ野郎だった。
でも、今もういちど人間失格を手に取れば、あの時は違った印象で読み切ることができるかもしれない。
それくらい、今のボクは少しだけ強くはなれたんだと思うし、随分と鈍感を演じれるようになったんだと思う。 -
きょうからこれ読む。彼には下北で遭遇したことがあり、その際の同行者は興奮して、いっしょに写真など撮っていたが、わたしは普段テレビを観ないこともあり、彼のことはなにひとつ知らず、しれっとシャッターをきってあげたものだ。