隅田川のエジソン (幻冬舎文庫 さ 33-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418257

感想・レビュー・書評

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  • 豊かさってこうゆうことかなと思わせてくれた作品。街全体が家であり、庭であるってすごく理想的だなと思った。現代に足りないものを示してくれた。人間関係はもちろんだけど、常に考えて行動すること。現状に満足したロボットみたいな現代人にスーさんは考えることの必要性を教えてくれた。

  • 隅田川に実在のホームレスをモデルにした小説。これはある意味、本物のノマドなのでは!と衝撃を受けた。「家とは、生活とは、エネルギーとは、どのくらい必要なのか」普通の生活をしていると、全く見えないことばかり。実は12Vの電力でテレビ、パソコンなどの多くの電化製品が十分まかなえること、家の造りを把握しているので自分で自在に直せること。憧れるなー。

  • ホームレスという全く想像が付かない世界にどんどんのめりこんでいってしまいスグに読みきってしまった。
    この本に出てくる人たちに限っていえば、人が思っているよりも暖かいし良い環境で、場合によっては擦り切れた人間関係の中で苦しんでる「家のある人」よりも幸せな人たちに見える。

  • 「東京は人間がいちばんあったけぇ場所じゃねえか?」。隅田川の河川敷で暮らす硯木正一はしみじみ思う。ホームレスと呼ばれるものの、家はある。しかも、三食、酒、タバコありの優雅な生活。バッテリーを使えばテレビも楽しめる。東京にはほしいものがなんでも落ちているー。実在の人物をモデルに描く、自らの知恵と体を使って生きる男の物語。

  • 著者についての予備知識も何もなく偶然読みだしたら、止まらなくなった。ホームレスも創意工夫と努力(?)しだいで、かくも楽しく暮らしていけるものだとは。その細部の具体的描写がおもしろい。途中までノンフィクション作品かと勘違いしていたくらいだ。この著者自身かなりユニークな人のようなので、今後の活躍に注目したい。

  • 今はやりのお片づけ、断捨離の対極、物を拾って工夫して生活する隅田川の路上生活者。台東区という都会の半端でないゴミのおかげで、なかなかに自由な人生を楽しんでいたが、とうとう行政の罠?でスーさんとマーコはリヤカーの上に造った家とともに旅立つ。この家を想像するのだが、リアルに思い浮かばない。挿絵があると良かったのにと思う。

  • かつて話題となった路上生活者の「0円ハウス」(リトルモア)を小説化したような感じでした。

    映画化されるようなので細部の構造がどのように表現されているのか楽しみです。

    「僕はこの先が分からない世界の中で生きていることになぜか希望を感じているのだ。」

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著者プロフィール

1978年、熊本県生まれ。料理家、作家、建築家、音楽家、画家。2001年、
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、路上生活者の住居を収めた写真
集『0円ハウス』を刊行。2008年、それを元にした『TOKYO 0円ハウス 0円生
活』で文筆家デビュー。2014年『徘徊タクシー』で三島由紀夫賞候補、『幻
年時代』で第35回熊日出版文化賞、2016年『家族の哲学』で第57回熊日文学
賞を受賞。著書に『cook』『自分の薬をつくる』『お金の学校』『ゼロから
始める都市型狩猟採集生活』『現実宿り』『よみぐすり』など。

「2022年 『中学生のためのテストの段取り講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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