- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344429611
感想・レビュー・書評
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2022/6/6読了。自然豊かなところでも都会に対する劣等感を感じ、仕事、恋愛もうまくいくわけではなく、ただただ日々を過ごす。気がつけば歳をとり、想像していた大人にはなれずに…みたいな重いような話。
でもこれが現実で、みんな大なり小なり同じようなことがあるんだろう…。
毎日無気力に過ごして、気づけば周りは誰もいなくなり、淡々と時間が経過していくのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もういいやってなってしまう気持ちがなんでかわかる気がした。そんなお年頃でもないけど。
窪先生のお話は読んでる途中に日々の自分と対比して考えてしまうことが多い気がする。 -
『じっと手を見る』窪美澄
窪美澄さんは本当に、息が詰まりそうなくらいリアルな現実を描くのが上手だと思う。
富士山の麓、車がなければ生きていけないような小さな町。休日の息抜きはショッピングモール。専門学校を出て、介護の職につけばとりあえずこの町では生きていける。噂話はすぐに町中をかけめぐる。
そんな町で、たった一人の身寄りであった祖父を亡くして、祖父が遺した広い家に一人住む介護士の日奈。専門学校時代の同級生で元彼氏の、海斗。
二人の関係を中心に綴られる、7編の連作短編集。
東京から来た宮澤さん。
やりたいさかり、畑中。
畑中の子どもで、発達障害の祐紀。
樹海。
首を括ろうとして失敗した父親、睡眠薬を大量に飲む俊太郎さん。
そのどれもが、富士山の見える町を背景に淡々と描かれる。
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畑中さんの話が好きだ。
あの「どこにも行かないで」はきっと本心だっただろう。
それでも。
*
”誰かといっしょにいたって、よるべない夜がまた来るんじゃないか。それでも。”
夢見たハッピーエンドではないけれど、あたたかく、愛おしい。
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この人の描く人物にリアリティを感じられない。調べると作者は60歳ぐらいの人らしい。
あぁやっぱりと思った。
全てをセックスに結びつける短絡的で単面的な心理の描き方に不快感を感じた。
読み進めるのに苦労しました。読まなければ良かったとも思った。 -
自ら手を伸ばしときながら
簡単に振り払ったりする。
身勝手で都合の良いのが人間。
でもそれぞれいろんな想い抱えてて、
それに共感はまったくできないけど、
なんでか寄り添ってあげたくなった。
遠回りはしたとしても
みんなが幸せな居場所で落ち着けることを願うばかり、、
“責任を感じて誰かと生活する、っていうのが1番だめなんだって。” -
職業『介護士』が尊重される世の中であって欲しい。
死に向かっている人と向き合って生活を支える、ことを仕事にしながら自身の生を生きるとはどういうことなのか想像が難しい。それでも悲観ではなく、暮らしが続いていくことが想像できるラストシーンにほっこりしました。 -
海斗が幸せを手にする結末でホント、よかった。
真面目な、海斗が報われてよかったよ。